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境内が弥生時代の遺跡「鴨都波神社」(御所市宮前町)/毎日新聞「やまとの神さま」第86回

2024年06月08日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。今週(2024.6.6)掲載されたのは〈大国主命の子が主祭神/鴨都波神社(御所市)〉、執筆されたのは、生駒郡三郷町にお住まいの小林誠一さんだった。小林さんは「撮り鉄」で、この写真も広角レンズを使って迫力を出されている。では、全文を紹介する。
※トップ写真は鴨都波神社本殿=御所市の宮前町で

大国主命の子が主祭神/鴨都波神社(御所市)
近鉄・JR御所駅の南に位置する鴨都波(かもつば)神社は、古事記に記される国譲りの神、大国主命の子、積羽八重事代主命(つわやえことしろぬしのみこと)を主祭神として、第十代崇神天皇の御代に創建されたと伝わります。

事代主命はこの地を本拠としていた古代豪族の鴨氏が崇拝していた神です。同市内の高鴨神社(上鴨社)に対し下鴨社とも呼ばれ、鴨氏がこの地から京都をはじめ全国に広めた鴨(加茂)社のルーツともいわれます。2021年には本殿左右に主祭神の父神を祭る三輪社・出雲社が再興され、明治以前の祈りの形が整いました。

境内から広がる弥生時代中期の「鴨都波遺跡」からは、農具や住居跡が多数発見され、鴨氏は早い時期から水稲耕作を始めるなど、先進的な氏族であったようです。

毎年7月と10月に行われる「ススキ提灯(ちょうちん)献灯行事」は、五穀豊穣(ほうじょう)を願い江戸中期に始まったとされ、上から2・4・4張り3段の提灯を稲穂に見立て、30基余りの提灯が奉納されます。

なお御所市中心部には町名(大字名)がなく、同社も「同市513番地」が正式な住所です。地元民は番地で場所がわかりますが、配送業者などの便宜のため、通称名をつけているそうです。(奈良まほろばソムリエの会会員 小林誠一)

(住 所)御所市(宮前町)513番地
(祭 神)積羽八重事代主命、下照比売命(したてるひめのみこと)、建御名方命(たけみなかたのみこと)
(文化財)ススキ提灯献灯行事は県無形民俗文化財
(交 通)近鉄・JR御所駅から徒歩約10分。無料駐車場約20台
(電 話)0745‐62‐2176


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