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近鉄新ノ口駅前「冥途の飛脚」石碑&善福寺「供養碑」/毎日新聞「ディスカバー!奈良」第106回

2019年03月19日 | ディスカバー!奈良(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「ディスカバー!奈良」を連載している。先週(3/14)掲載されたのは《梅川と忠兵衛の恋物語/橿原市の「冥途の飛脚」石碑」》、筆者は同会理事で北葛城郡広陵町出身・在住の大山恵功(よしのり)さん。
※トップ写真は「冥途の飛脚」石碑(写真はいずれも橿原市で)

近松門左衛門の名作「冥途の飛脚(めいどのひきゃく)」はよくご存じと思うが、『日本大百科全書』からあらすじを拾っておく。

当時実在した飛脚屋の為替金拐帯(かいたい=持ち逃げ)事件に基づく「梅川忠兵衛」の情話を脚色したもの。大坂・淡路町の飛脚問屋亀屋の養子忠兵衛は、新町槌屋(つちや)の遊女梅川となじみを重ね金に窮し、友人の丹波屋八右衛門に借金50両を融通してもらう。

八右衛門は忠兵衛の将来を案じ、新町の揚屋で遊女たちに一件を披露し、廓から彼を遠ざけようとする。しかし、偶然廓に来て立ち聞きした忠兵衛は、かっとなり侍屋敷に届けるべき為替金の封印を切って、50両を八右衛門にたたきつけ、残りの金で梅川を身請けする。

忠兵衛は梅川とともに故郷新口村(にのくちむら)へ落ち延び、実父孫右衛門によそながら対面し、裏道から逃げようとしたが途中で捕らえられる。激情型の忠兵衛と可憐な遊女梅川との情愛を細やかに描いた名作。


では以下に記事全文を紹介する。


善福寺の「忠兵衛供養碑」

橿原市新口(にのくち)町にある近鉄橿原線新ノ口駅の西側に「新口村雪の別れ」と書かれた石碑があります。新口村は江戸時代の文豪「近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)」の人形浄瑠璃(文楽)の代表作「冥途の飛脚(めいどのひきゃく)」の主人公・忠兵衛の生まれ故郷です。大坂・淡路町の飛脚問屋亀屋へ養子に行った忠兵衛と、遊女梅川との実話に基づく悲恋物語です。

忠兵衛は遊郭で、その場の勢いから武家屋敷に届ける300両(現在の約3000万円)で梅川の身請けをしてしまいます。梅川と奈良の旅籠(はたご)屋や三輪の茶屋などを転々と逃亡し、新口村にたどり着きます。やがて捕まった忠兵衛は処刑され、梅川は生涯、忠兵衛を弔ったそうです。善福寺にある忠兵衛供養碑は、1883(明治16)年に忠兵衛屋敷跡から移したものといわれています。

■メモ 「冥途の飛脚」石碑は近鉄新ノ口駅西出口すぐ。善福寺へは新ノ口駅西出口から北へ徒歩約5分(奈良まほろばソムリエの会理事 大山恵功)。



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