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「怒りは不幸を招き、笑いは幸せを呼ぶ」by 田中利典師

2019年02月19日 | 田中利典師曰く
金峯山寺長臈(ちょうろう)で種智院大学客員教授の田中利典師が、ご自身のブログとFacebookに発表された書き下ろしエッセイの第6弾を紹介する。
※トップ写真は、師のFacebookから拝借した。いいお顔だ

「怒りは不幸を招き入れ、笑いは幸せを呼びこむ」
「笑う門には福来たる」という。至極当たり前の話である。笑っていると福徳が集まってきて、自分も幸せになるし、周りも幸せに感じる。反対に、怒ってばかりいる人の周りには幸せは訪れにくい。怒っている本人も幸せにはならない。機嫌が悪いから怒るのだし、怒ればなおさら機嫌は悪くなる。

仏教では「和顔(わげん or わがん)愛語」という言葉がある。布施を表す言葉である。布施は梵語でダーナという。人に施すというほどの意味であるが、その施しには「財施」「法施」「無畏施」の三種があり、その他に財物を損なわない七つの布施として、「無財の七施」が説かれる。お金のかからない布施である。その「無財の七施」のうち、「和顔悦色施」と「言辞施」を合わせたものが「和顔愛語」である。

すなわち、和やかな笑顔と、思いやりのある話し方で人に接すること。「和顔愛語」は布施であり、布施ある生き方をすることでもある。そうすれば幸せを呼び込む「笑い」の種を蒔くことになるのである。

といいつつ、私は若い頃から、普段の顔が怖いといわれてきた。「和顔愛語」にはほど遠くて、しかめっつらの不機嫌顔だったのである。ときどき「なんでそんなに怒っているの」と言われたこともあるが、「ほっといて頂戴。私の顔はもともとこんな顔」とうそぶく始末だった。

ただ近頃は心がけて、笑顔で生きている。「笑う門には福来たる」のは明白だから、努力してでも、「福来たる」顔にしないと損だと、ようやく気がついたからである。


よく集合写真の撮影を頼まれる。ファインダーを覗くと、ほとんどの人は無愛想な顔をしている。なので「笑って、笑って」とけしかけて笑顔を作ってもらう。人は意識して笑顔を作らないと、そのままでは「怖い顔」に見えるのだ。気をつけたいものである。

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