tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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松森重博さんの「歌集『大和まほろば』出版御礼の会」(2019.12.1)

2019年12月03日 | 奈良にこだわる
日曜日(12/1)、株式会社まつもり社長でNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」理事の松森重博さんからお招きいただき、「歌集『大和まほろば』出版御礼の会」に出席させていただいた。松森さんとお付き合いのあるさまざまな分野で活躍されている方々が一堂に会し、和気あいあいとしたとても楽しい会だった。当日の様子を写真で紹介したい。
※トップ写真は松森ファミリー。上のお孫さんは、あとでピアノ演奏を披露された


冒頭挨拶は上野誠さん(奈良大学文学部教授)。松森さんの歌を朗唱された


続いて上田清さん(大和郡山市長)の挨拶。中学・高校の同窓生だそうだ

松森さんは早速、ご自身のブログ「鹿鳴人のつぶやき」(12/3付)にこの会のことを紹介された。



12月1日、歌集「大和まほろば」出版御礼の会を春日大社一の鳥居前の菊水楼で開かせていただきました。「松森さんが出版するというのは滅多にないことなので会を開きなさい」という有り難いアドバイスをいただき、日頃からお世話になっている友人知人親類の皆さんに集まっていただきました。ご出席の皆さま、ありがとうございました。




乾杯の音頭は上原さん。ご近所さんで、松森さんの1つ年長だそうだ

松森さんは歌集の出版を記念して「トークショー&サイン会」も開催された。歌集の出版について、「鹿鳴人のつぶやき」(10/22付)によると、

10年前、わたしの高校時代の小谷稔先生が毎日新聞の「やまと歌壇」の選者として登場されました。それをきっかけに短歌をご指導いただきやまと歌壇、新アララギなどに掲載された短歌500首あまりからこのほど495首を歌集「大和まほろば」として出版しました。つたない短歌ですがよろしくお願いします。




シンガー・ソングライターの氷置晋(ひおき・しん)さんの歌と演奏

題字は桃蹊、柳井尚美さんに書いていただきました。写真は当方の器まつもりの屋上から、当方の撮影です。発行所は地元の出版社である京阪奈情報教育出版です。定価1,500円+税。B6版上製本。230ページ。すでに小西通りの啓林堂で発売されています。あるいは京阪奈情報教育出版のHPで注文できます。


歌集を出版された京阪奈情報教育出版の住田幸一社長。『奈良百寺巡礼』もPRしていただいた

歌集『大和まほろば』の序文は上野誠さんが執筆された。引用すると、

国のまほろば 上野誠
大和の人は、「まほろば」という言葉をこよなく愛す。「ま」は、ほんとうに、「ほ」は秀でたものをいう言葉だ。「ろ」と「ば」は、難しいが、接尾辞の一つで、ひとつの場所を表すとみてよい。だから、「まほろば」とは、国や地域のなかでも、よいところだ、という意味になるのである。したがって、本歌集は、大和人、奈良人である松森さんが、大和のよきところを歌った歌集ということになろう。



奈良まほろばソムリエの会を代表して、雑賀耕三郎さん(同会副理事長)がスピーチ

松森さんは、奈良の素封家の家に育ち、家業を発展させた実業家であるが、その活動は、常に十年後、二十年後の奈良を見つめて、にぎわいをどう作るのか、というところにあった。その松森さんが、歌集を出すという。私は、新聞紙上で松森さんの短歌を読んでいたから驚かなかったが、ゲラを見て、胸が熱くなった。オール大和、大和応援歌なのだ。しかし、声高に語らないところが松森流だと思う。


お友達のスピーチが続く

ようやくに願いのかない修二会にて局(つぼね)の中に声明を聞く
などは、その代表詠であろう。地元の人でも、局での声明聴聞を許されることは珍しい。その喜びが「ようやくに」に込められている。「ようやくに」のなかに、これだけの情報量が詰まっているのだ。また、こんな一首もある。



佐野さんのスピーチ。右奥は松山さん



無残にも芝生荒れたる奈良公園イノシシ来たりて掘りし跡らし
奈良公園では、イノシシが増えてさまざまな問題が起りつつある。それを憂うる心が作者にあればこそ、なるほど、ここがイノシシが掘った跡かぁ……と、「イノシシ来たりて掘りし跡らし」と発想されるのである。「らし」は、根拠ある推定を表す助動詞で、そのことを推定して確信した気持ちを表しているのだ、と思う。



魚万の魚谷和良さん


司会はかんばやし久美子さん

寒風を突きぬけ走る奈良マラソン友の勇姿に元気湧き出る
同じマラソンでも、わが奈良のわが奈良マラソン、そしてわが友も出ているというのだから、「元気湧き出る」はずである。季節と奈良という場所と友が一体となっての表現である。平易だが、うまい! いや、平易だからこそうまい、と思う。



孫娘さんはショパンの曲を披露、とても上手で驚いた

歌を作るということは、容易なことではない。まず、出逢いが必要である。恩師小谷稔先生との出逢い。出版社との出逢い。そして、なによりも、よき友との出逢いがなくてはならない。そしてなによりも、歌の舞台がなくてはならない。その舞台が、松森さんにとっては、ふるさと「奈良」「大和まほろば」だったのである。「大和のまほろば」の舞台を得た松森さんの歌集の上梓に、杯を捧げたく存じます。


中締めの挨拶は尾田栄章さん(尾田組会長)

松森さんの歌集には、こんな歌も載っていた。
(奈良まほろばソムリエ検定)
六年目奈良検定のソムリエにようやく合格これがスタート
(『奈良百寺巡礼』)
手分けして我も書きたる奈良の寺の案内の本書店に並ぶ
奈良の案内の本地元書店の新書のトップに売れて嬉しき


料理もお酒もとても美味しく、またたくさんの知人と再会でき、とても充実した会だった。松森さん、ありがとうございました。これからも歌を作り続けてください!
コメント (2)
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