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「スーツ離れ」で紳士服チェーン、生き残りをかけ多角化を模索

2019年12月18日 | 環境問題
先日、当ブログに《「ビジネスカジュアル」で、ラクラク出勤》という記事を書いた。「動きやすいし、長年のタンスの肥やしは生かせるし、いいことずくめです」と業界関係者に打ち明けると「スーツ離れのせいで、紳士服チェーンは軒並み大変なのですよ」とのことだった。
※トップ画像は、洋服の青山のサイトから拝借した

早速、ネットで検索すると、《市場7割減「スーツ屋」多角化に挑む事情》《スーツ販売「青山」と「AOKI」の儲けの構造 事業多角化と気になる売上高の減少傾向》《「スーツ離れ」2大紳士服店に打撃 青山商事とAOKIが最終赤字に》などなど、ヤバい記事が続々とヒットした。その中の1つ《生き残りをかけた紳士服チェーンの戦略》(2018.4.14付)によると、

軍配が上がるのは多角化か本業重視か?
AOKI、青山、コナカ、はるやま。アマゾン進出への対策にも違い


紳士服業界大手で「非スーツ」の多角化が進む
紳士服業界は大手4社と呼ばれます。首位は青山商事、2位のAOKIホールディングス、3位コナカ、4位はるやまホールディングスです。これらが今、厳しい経営環境にさらされています。背景にあるのは市場の急激な縮小です。団塊世代の退職やクールビズの広がりなどにより、スーツを着る人が減っているのです。総務省の調査によれば、スーツ市場はこの10年間で30%も減ったとされています。

今後、少子化などにともない、スーツ市場はさらに縮小することが予想されます。生き残りをかけて、各社ともに新たな取り組みを進めています。その一つが「非スーツ」の多角化です。

大手4社の中で、早くから多角化を進めてきたのがAOKIホールディングスです。連結子会社を通じて、結婚式場・披露宴会場の運営、カラオケ・複合カフェ・フィットネスクラブの運営などの事業を行っています。同社グループでは現在、ファッション以外の売上構成比が4割近くに達しています。近い将来にはそれを5割にするとしています。

コナカは、グループ企業であるコナカエンタープライズがフランチャイズ(FC)で、『大衆食堂 半田屋』、『とんかつ専門店 かつや』、『からあげ専門店 からやま』などの飲食店のほか、『スペースクリエイト 自遊空間』(インターネットカフェ・漫画喫茶)などを展開しています。

『洋服の青山』などを展開する青山商事は、100%出資の子会社globが物語コーポレーションと FC契約を締結し、焼き肉店の『焼肉きんぐ』、寿司・しゃぶしゃぶ店の『ゆず庵』などを経営しています。同社は2015年、鍵の複製や靴の修理を手掛ける『ミスターミニット』を運営するミニット・アジア・パシフィックも買収しています。

多角化に走らず独自の戦略を進める「はるやま」
AOKI、青山、コナカが「非スーツ」の多角化を進める中、独自の戦略を展開しようとしているのが、業界4位のはるやまホールディングスです。多角化には走らず、オリジナル商品などの「本業」に力を入れています。創業二代目の治山正史社長は「スーツで日本を健康にする」宣言をかかげ、健康をサポートする機能性商品の開発を積極的にすすめています。

2016年に販売を開始した、重さや窮屈感を3分の1に軽減した「ストレス対策スーツ」や、ノーアイロンシャツなどが人気で、2期連続増収増益と業績も好調です。2018年3月には、紳士服業界で初めて「ハイドロ銀チタン」を搭載したスーツ「ハイドロ銀チタン スーツ」の販売も開始しました。


結婚式場、フィットネスクラブに飲食チェーンとは、紳士服業界も大変なのだ。10年で△30%ということは、30年たつとほぼゼロになるではないか!銀行業界までが「ビジネスカジュアル可」になる時代が来るとは、誰しも予測できなかったのだろう。しかもダウンコートやダウンベストで「暖房温度を低くできて、地球環境にもやさしい」となれば、反対意見も出にくいことだろう。しかも、いちど「ビジネスカジュアル」の快適さに慣れてしまうと、なかなか後戻りはできない。

かつての「安売りスーツ」の登場は、我々サラリーマンにとっては福音だった。ツキムラのリーズナブルなオーダースーツも、よく利用させていただいた。長年お世話になった紳士服業界の皆さん、ぜひ多角化や機能性スーツの開発などで、生き残りを図ってください!
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