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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

めんどやで 本場 飛鳥鍋を食す

2015年02月15日 | グルメガイド
2月8日(日)、明日香村で「第1回 なら記紀万葉を味わい楽しむ講演会」(NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」主催)が開かれた。これに先立ち、数人の仲間と「めんどや」(明日香村岡40)で飛鳥鍋をいただくことにした。単に食べるだけでなく、飛鳥鍋の由来や牛乳伝来の歴史、明日香村の美味しい食べ物や食べ処の話もすることになった。話の担当は私である。


この写真はあすかナビから拝借

食事前の約30分、せっかくの機会なので村が作った「食と宿 明日香村ガイドブック」(無料で読める電子書籍は、こちら)や、奈良のうまいもの会が作った冊子(奈良のうまいものガイドブック2014)やチラシ(奈良のうまいもの散歩2015)なども配布し、簡単な説明も加えた。


向かって左はNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の大山理事、右は岸理事



牛乳は、飛鳥時代に飛鳥の地で初めて天皇(孝徳天皇)に献上された。だから牛乳・乳製品や酪農のルーツは飛鳥なのである。詳しくは当プログの「飛鳥鍋に秘められた、牛乳伝来のナゾを解く」をお読みいただきたい(飛鳥鍋は、ヤギの乳を使って作ったとする説もある)。





めんどやさんは、今の若女将(私が勝手にそう呼んでいる)で5代目。ということは、軽く100年以上続く老舗ということになる。80歳代というお父さまもご健在で、厨房で元気に働くお姿も拝見した。このお店では、約50年前から飛鳥鍋のメニューを提供しているという(こちらのブログ参照)。なお店名の由来は「面倒見がいい」という意味だそうだ。今ならさしずめ「おもてなし」ということか。


ひょうたん弁当。単品だと1,500円

私はこれまで何度もめんどやさんを訪ね、日替わりのランチやセットメニューをいただいているが、飛鳥鍋は初めてである。今回は@2,500円の特別メニューで、「ひょうたん弁当」と飛鳥鍋のセットだ(飛鳥鍋は要予約)。驚いたのは、新鮮な野菜がたっぷり入っていること。肉厚の椎茸やブロッコリーがドサッと盛られて出てきた。食べているうちにどんどん味がクリーミーになる。同席していたTさん(女性)が、「カボチャがすごく美味しい!」という。なるほど、甘くてホクホクしていて、これは良い。このような味が溶け込んで、ツユがまろやかになるのだ。


最後に、自家製わらび餅。これも美味しい

ひょうたん弁当だけでも完成されたランチなのに、ここに飛鳥鍋がつくとは、贅沢な昼食だ。最後にうどんも付いてくるということだったが、さすがにもう入らない(あとでちょっと後悔したが…)。

それにしても美味しい飛鳥鍋とお弁当だった。若女将さん、ごちそうさまでした。皆さん、明日香村散策の折には、ぜひめんどやさんをお訪ねください!
※食べログは、こちら。飛鳥鍋は、事前に予約が必要です。

※2022.6.26 追記 毎日新聞「奈良のワザ」(2022.6.20付)にめんどやさんが大きく紹介されていましたので、以下に貼っておきます。

飛鳥の里 めんどや・北海希美子さん(明日香村) 心身温まる、やさしい鍋
奈良県の郷土料理「飛鳥鍋」を味わうことができる料理店「飛鳥の里 めんどや」。鶏肉や野菜を牛乳とだし汁で煮込んだその鍋は、訪れた人たちの身も心も温めてきた。代表の北海(きたみ)希美子さん(53)は「飛鳥鍋は子どもからお年寄りまで幅広い年齢の方に人気のメニュー。添加物を入れていない特製のだし汁を楽しんでほしい」と話している。【益川量平】

そんな同村に店を構える「めんどや」は、100年を超える歴史があり、昔から多くの観光客らでにぎわってきた。店の名前は、初代が「面倒見がよい」と評判の好人物で『めんどや』となったという。老舗5代目の北海さんは同志社大商学部を卒業後、一般企業で働いていたが約25年前に心機一転、家業を継ぐことに。北海さんは「何かに吸い寄せられたんですかね。食べることが好きだったこともあります」と当時を振り返る。

店には根強いファンがおり、なかには40年以上足を運ぶお客さんもいるという。ご近所さんからだけではなく、沖縄から北海道まで全国津々浦々から来た客に支えられている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で来れなくなった遠方の客から店を心配する電話がかかってきたほどだが、北海さんは「(コロナ禍でも)幸い大きな打撃を受けなかった。ありがたい」と頰をゆるめる。

店には、具だくさんにゅうめん▽ごま豆腐▽柿の葉ずし▽わらびもち――など多くのメニューがそろう。北海さんは「化学調味料を使わないことが信条で、私が『体に良い』と思ったものを提供している。農薬を使わずに作られた野菜や、井戸の水を用いた、手作りの料理を提供しています」と話す。

数あるメニューのなかでも注目は飛鳥鍋だ。訪れた外国人のほとんどが注文するという。飛鳥鍋は、飛鳥時代に中国・唐からやってきた僧がヤギの乳を使って作ったことが始まりとされる。それから、家庭料理としても普及した。「めんどや」では元々メニューに掲載しておらず、注文があれば作る『裏メニュー』だった。ただ、口コミが広がったことで多くの注文を受けることになり、約30年前からメニューに載せるようになった。

家庭や提供する店の数だけ作り方はあるというが、「めんどや」では、特製のだし汁に牛乳を加えた白いスープにカボチャ、豆腐、白菜、シイタケなど鍋の定番野菜と鶏肉を入れ、グリーンアスパラやカリフラワーなど牛乳に合う季節の野菜を加える。ひと煮立ちすると少し甘い香りが漂う。クリーム色の濃厚な見た目とは裏腹に、ひと口食べるとクセがなくあっさりしている。煮詰まってもしつこさはなく、パクパクと、たくさん食べられる。七味を加えての“味変”を楽しんでみても、おいしい。

北海さんは「たくさんの人においしいと思ってもらいたい。コロナ禍でなかなか足を運べない遠方の高齢のお客さんもおり、『飛鳥鍋や、にゅうめんのだしが欲しい』との声も聞いており、通販も検討している」と話している。

めんどや◇
明日香村岡。営業時間は午前11時から。売り切れ次第終了。午後4時以降の来店は要予約。不定休。飛鳥鍋単品は2750円(税込み)。飛鳥鍋のコースは、自家製のごま豆腐や柿の葉寿司、わらび餅、季節のフルーツなどがセットになって1人前3850円。2人前から注文できる。予約などの問い合わせは電話(0744・54・2055)。


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