'14-01-29投稿、01-30修正
都知事選に立候補した細川氏の都知事選公約判明 「原発ゼロ」で経済成長図るという。に端を発して、既報脱原発と再生エネルギー・省エネに係る雑感にて記載しましたが、
以前から国政の抱える難問として、
・遅々として進んでいない3.11による原発事故の収束
・原発ごみの処分方法の確立
・ドイツと比べて計画通りに進展しない再生エネ化の挽回
が問われています。
msn産経ニュース
首相「簡単に原発やめる、とは言えぬ」 再稼働の必要性強調
「・・・エネルギー政策について「海外からの化石燃料への依存度が高くなっている現実を考えると、そう簡単に『原発はもうやめる』と言うわけにいかない」と原発再稼働の必要性を強調した。・・・」という。>>詳しくは
原発再稼動のためには、小泉元首相が提言する東京電力福島第一原発の事故前から最終処分場のめどをつけられなかった事実があり、最終処分場を造れなかったのは住民の反対があったからだという。
最近の動きとして、
中日新聞 2014年1月28日 21時39分
核のゴミ、国内処分可能と専門家 自民会合でhttp://www.chunichi.co.jp/s/article/2014012801002447.html
「自民党資源・エネルギー戦略調査会(山本拓会長)は28日、原発から出る「核のゴミ」の最終処分を議論する小委員会の初会合を開いた。講師として招かれた高橋正樹日本大教授(火山学)は、北海道東部や東北地方の太平洋側の一部など地層が安定している地域を示し、国内に最終処分に適した場所があると説明した。
政府は高レベル放射性廃棄物の処分地が見つからないことから、政府主導で選定する方針を示しており、2013年度中にも選定方法を見直す。自民党は小委員会で早期に提言をまとめ、政府方針に反映させたい考えだ。(共同)」という。
既報原発からの放射性汚染物の廃棄・排出に係る問題および関連情報を調べました。(2014-01-16) の引例、
毎日新聞 2014年01月14日
原発依存か、脱原発か:【基礎知識】原発のごみの捨て場所はあるのか?http://mainichi.jp/ronten/news/m20140110dog00m010053000c.html
によれば、
原発ごみの処分問題として、
「・・・◇最終処分場のある国、ない国
原発から出るごみは、大きく分けて2つある。
一つは使用済み核燃料、もう一つは廃炉によって生じる廃棄物だ。日本にとっては、目下どちらも喫緊の課題である。
発電に使ったあとの燃えかすである高レベル放射性廃棄物は、ガラス原料と一緒に高温で溶かしてステンレス容器に入れたもの(ガラス固化体)を、地下300mを超す深い場所に埋める、いわゆる「地層処分」が最適とされている。
もっとも、数万年にわたって処分場の安定が維持できるかどうかは誰もわからない(いまから数万年前といえば、ネアンデルタール人がいた時代である)。そのため、廃棄物を完全に封印するか、当初の数十年から数百年間は取り出し可能な状態で保管するかは、各国によって方針が異なる。どちらにしても、この地層処分がすでに事業としておこなわれている国は、いまのところない。
もっとも実現に近いのが、小泉元首相の「原発ゼロ」発言のきっかけになったフィンランドの核廃棄物処分場「オンカロ」である。処分地として決定済みで、2020年頃には操業を開始する予定だ。この場所の岩盤は、過去19億年、大きく動いた形跡がないという。・・・
処分場選定の動きが見られるが、具体的な候補地が決まった国は一つもない。日本も同様である。」という。
既報でも記載しましたが、誤解、妄想?杞憂かもしれませんことを
予め断っておきます。
半世紀以上前から稼動して、今まで発生して溜まっている原発ゴミの最終処分の安定維持するために、途方もない数百年間~数万年、数億年の長期レンジが考えられていますが、 北海道東部や東北地方の太平洋側の一部など地層が安定している地域はどの位の耐用年数を見込んでいるのだろうか?今後、着目しなければと思われます。
話が少しそれますが、
もし、2050年までに再生エネの普及による自給が捗らない場合、
引用:WWF
本文を詳しく読む>>
再生エネの普及は現状は微か
FORUM ETT 暮らしの中のエネルギー 2012-2013年版
http://www.ett.gr.jp/books/kurashi/kurashi2013.pdfによれば、
可採年数は石炭(112年)が最も多く、次いでウラン(93年)、天然ガス(63.6年)、石油(54.2年)ということであり、
極めて、短期レンジであり、
既報今までの「再生可能なエネルギーに係る投稿」の整理('11-5-21~'12-2-29))にも、記載しましたが、欧米と比べて地震大国であるわが国では3.11原発事故が発生して放射能によって有象無象の被害を蒙っています。
半世紀以前から、化石燃料の枯渇危機に備えて、再生可能なエネルギーの開発に対する掛け声だけはありましたが、首尾一貫した政策が採られず、地球温暖化会議で採択された「CO2の削減」目標に対して、我が国においては、CO2を発電時に発生しない「クリーンなエネルギー=原子力」として推進されてきました。
調べれば調べるほど、知れば知るほど、原発による生態系に与える影響、異常気象に与える影響の可能性を杞憂?しています。
加えて、今までの発電方式別単価も原発は安いと広告されていましたが必ずしも安くないことも最近報告されています。
原発は必ずしもクリーンではないことも個人的には感じています。
クリーンとはCO2(温暖化ガス)を発生させないということではなく、CO2の削減は化石燃料を使わないことで達成できる結果論であり、温暖化は大気中に存在する約400ppmの「CO2」よりも数%(数万ppm)存在する「水」のバランスの崩れによってより影響を受けることは赤外線吸収効果から明らかであると想われます。
CO2の排出削減は重要ですが、それ以上に数多くの核実験、漏洩事故、法定基準内とはいえ常時排出などによって海水温の上昇など周辺環境へ与えている弊害の方が大きいと思われます。
詳しく見る>>
話を戻して、
原発ゴミの最終処分について、わが国の諸外国との再生エネの立ち遅れ同様、一朝一夕にはいかないにしても、どこかに見つけなければならないと想われます
それ以上に、一番重要なのはエネルギー資源の確保、自給の観点から、
原発による生態系に与える影響、異常気象に与える影響
の危惧はさておいて、
今頃、気づいたのは原発について個人的に無知であったためですが、
安全な使用済みの核燃料のリサイクルは可能なのか?、
核燃料サイクルはいつ頃可能になるのか?
原発は未来永劫に渡って自給可能なのだろうか?
が気になるところです。
今回は個人的にはリサイクルを含めたウランの使用可能な年数について不詳なので、核燃料サイクルの現状に係る記載を調べました。
核燃料サイクルって何?
http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/cycle.html
「原子力発電所で使われた核燃料の「燃えかす」(使用済み燃料)から、プルトニウムや燃え残りウランを取り出し(これを「再処理」と言います)、再び燃料として利用する仕組みを「核燃料サイクル」と呼んでいます。
政府や電力会社は、リサイクルによってウランを有効利用できるとか、プルトニウムはエネルギー資源の乏しい日本にとって貴重な「準国産エネルギー」だと言って、この仕組みづくりを進めようとしています。
しかし、今ではこのようにしてプルトニウムを利用しようとしているのは日本だけで、ほかの先進諸国は止めてしまいました。
それは、余りに危険で技術的にうまくいかない上に、経済的にもメリットがなく、さらに核爆弾の原料になるプルトニウムを増やしてしまうなど、さまざまな問題がはっきりしてきたからです。
核燃料サイクルのしくみ
「核燃料サイクル」は、図のように、①軽水炉(普通の原発)を中心にしたウラン利用の流れ=「ウランサイクル」と
②「高速増殖炉」を中心としたプルトニウム利用の流れ=「プルトニウムサイクル」
からなります。この両方が完成して初めて「核燃料サイクルの夢」は実現しますが、その見通しは立っていません。
ウラン採鉱 | ウラン鉱山でウラン鉱石を掘り出す。 | ウラン鉱山周辺では,ほこりや放置された鉱石のくずなどの放射能によって住民の健康被害が発生している。 |
精錬 | ウラン鉱石から粉末状のウラン(イエローケーキ)を取り出す。 | ![]() |
転換 | イエローケーキを,濃縮しやすいように六フッ化ウランという気体に変える。 | 六フッ化ウランは高速道路を使って輸送されているが、万一事故で漏れると空気中の酸素、水素と反応して猛毒ガスが発生し、広い範囲で住民が失明したり、肺をやられて死亡する危険がある。もちろん放射能による被害も。 |
濃縮 | 天然ウランには核分裂するウラン235が0.7%しか含まれていないので,これを 2~4%に濃縮する。 | もっと濃縮すれば広島型の原爆の原料になる。 |
再転換 | 濃縮ウランを粉末の二酸化ウランにする。 | |
燃料加工 | 二酸化ウランを焼き固めて「ペレット」にし,金属の管に入れて「燃料棒」にし,それを束ねて「燃料集合体」を組み立てる。 | ![]() |
原発(軽水炉) | 燃料集合体を原子炉の中にセットし,3~4年間核分裂させる。 | 原子力発電のしくみ |
再処理 | 使用済み燃料(死の灰)を溶かして,燃え残りウランやプルトニウムを取り出す。日本では東海村に実験用の小さな工場しかないので、今までイギリス、フランスに委託していたが、現在青森県六ヶ所村に大規模な工場を建設中 | 再処理工場は事故が無くても原発の数百倍の放射能を垂れ流す。イギリスでもフランスでも広い範囲でプルトニウムによる汚染が発覚、子どもの白血病の増加などが報告されている。万一事故が起これば原発以上の大災害になる。まさに「悪魔の工場」。 |
Pu燃料加工 | 取り出したプルトニウムとウランを混ぜて「混合燃料」(MOX燃料)に加工し,燃料集合体に組み立てる。 | 高速増殖炉もんじゅの事故でプルトニウムの使い道がなくなったので、普通の原発でMOX燃料を燃やす「プルサーマル」が計画されている。これは燃料も高くつく上に非常に危険。 |
高速増殖炉 | プルトニウムとウランの混合燃料を炉心に入れ,その周囲に燃えないウラン235をセットして,燃やしながら新たなプルトニウムを作る。 | 現在の原発=軽水炉よりも桁外れに危険。しかも、耳かき一杯で何万人も殺す猛毒であり核爆弾の原料になるプルトニウムを増やすため、「悪魔の原子炉」と呼ばれる。軽水炉より先に開発が始まりながら結局jすべての国で実用化に失敗。日本でも、研究段階の炉「もんじゅ」が大事故を起こし、実用化は事実上不可能に。政府はそれでも「もんじゅ」の運転を再開しようとしている。![]() |
増殖炉用再処理 | 増殖炉の使用済み燃料から,プルトニウムを取り出す。 | 軽水炉の使用済み燃料の再処理よりもさらに困難で危険。東海村に試験施設が建設される予定だったが、もんじゅ事故、再処理工場事故で着工が中止されている。 |
高純度プルトニウム | 増殖炉から取り出したプルトニウムは高純度で,簡単に核爆弾の材料になる。 | 冷戦の終結、核兵器の解体でプルトニウムが過剰になっており、日本が大量のプルトニウムを持ちながら、さらに増やそうとしていることに国際的な懸念が広がっている。 |
高レベル廃棄物 | 使用済み燃料からプルトニウム等を取り出した後の液体廃棄物は,ガラスと混ぜてステンレス容器(キャスク)に詰め,青森県六ヶ所村の「中間貯蔵施設」に保管する。 | 近づけば数分で死ぬほど放射能が強い死の灰の缶詰。数万年も隔離して管理しなければならない。しかし、ステンレスは何年もつの? 最終的には地中深く埋めることになっているが、数万年も安心できるようなところは少なくとも日本には見当たらない。だから原発はトイレなきマンションと言われる。 |
低レベル廃棄物 | 原発をはじめ,あらゆる原子力施設からでる放射能で汚染されたゴミはドラム缶に詰めて地下に埋め捨てる。 |
超危険な「高レベル廃棄物」以外をすべて「低レベル」と呼ぶが、決して安全なほど低レベルではない。六ヶ所村に「埋設センター」が造られたが、地下水汚染などが心配されている。
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核燃料サイクルの「夢」
天然のウランには、燃える(核分裂する)ウラン235と燃えないウラン238の2種類がありますが、そのうち燃えるウランは、0.7%しか有りません。
ウランを燃料にする現在の原子力発電(軽水炉)だけだと、石油よりずっと早くウランを使い果たしてしまいます。
ところが、燃えないウラン238も原子炉の中で中性子を吸収してウランより燃えやすいプルトニウム239に変わります。
そこで、このプルトニウムを取り出して高速増殖炉という特殊な原子炉で燃やします。
その時ついでに、プルトニウム燃料の周囲に燃えないウラン238を入れておきます。
こうすれば、プルトニウムが燃えるかたわらでウラン238が新たにプルトニウムに変わって行き、燃えたプルトニウムより多くのプルトニウムを生みだすはずでした。
このプルトニウムを取り出して再び利用すれば、無限のエネルギーが生み出せる、というのが「核燃料サイクル」という夢物語です。
しかし、現実はとんでもない悪夢を生み出します。
核燃料サイクルの現実(準備中) 」という。