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テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

ドラゴン宇宙船に見る技術進歩のジグザグ

2010-12-09 09:05:38 | Weblog
 スペースX社が開発していたドラゴン宇宙船の試験機が、日本時間の9日午前0時43分にファルコン9ロケットで打ち上げられ、軌道を周回後、無事、太平洋に着水した。NASAによれば、軌道から帰還した商業宇宙船は初めてとのこと。
 ファルコンロケットとドラゴン宇宙船には前から注目していた。民間による最初の有人軌道宇宙船の開発をめざしていること、来年、引退するスペースシャトルの代替候補の中で、もっとも実現が早いと思われることなどがその理由だった。
 多少の遅れはあったが、着実に成果を積み上げているのはさすがである。
 今後は、無人試験機によるISS(国際宇宙ステーション)とのランデブー、ドッキングをへて、無人補給機として実用化、その後、乗員7名の有人宇宙船の実現に挑むことになる。
 ドラゴン宇宙船の運用コストは約35億円と、スペースシャトルの10分の1以下になると見られている。スペースシャトルはメンテナンスの問題から1回あたりの運用コストが500億円以上にはねあがり、宇宙開発予算の足をひっぱっていた。ドラゴン宇宙船が実現すれば、宇宙はもっと身近なものになるだろう。
 十年ほど前まで、シャトルの後継はX-33のような単段式のシャトルか、空中発射式のシャトルになると思っていた。ところが、ふたを開けてみれば、マーキュリー計画以来のカプセル型が未来を担うことになった。しかも当のNASAではなく、民間の手で。
 いずれラムジェットやスクラムジェットを搭載した宇宙機が登場するだろうが、それまではドラゴンとソユーズという古典的形式の宇宙船が活躍することになる。
 技術進歩のジグザグというのはおもしろい。

 
 グーグルの「新戸雅章」検索ヒット数が4万件程度に落ち着いてきた。あの2億3千万件はなんだったのだろう。

期待の新鋭、豊島将之六段

2010-12-06 03:32:41 | Weblog
 将棋界期待の新鋭豊島将之六段のNHK杯戦を最後だけ見た。強豪郷田九段に穴熊で負けたが、棋譜より気になったのがその顔。
 最近は、将棋中継とも将棋雑誌とも縁がなかったので、この大器の顔をじっくり見る機会がなかった。対局中の顔を見ると、羽生名人と谷川九段をあわせたような顔をしている。
 小学生の頃から将来の名人候補として注目されていたが、やはり並の器ではないようだ。
 並みいる強豪を押しのけて王将戦の挑戦者にも決まったし、今後、羽生か谷川か、どのレベルまで昇っていくか注目したい。

(写真は将棋連盟のHPから)



地球外知的生命探査のパイオニア、テスラ

2010-12-05 12:37:31 | Weblog
 12月2日、NASAは、カリフォルニア州の湖で「リンの代わりにヒ素を用いて生命活動を維持する細菌」を発見したと発表した。
 これまでリンは炭素、水素、窒素、酸素、硫黄とともに、生命に不可欠な6元素のひとつだと考えられてきた。ところがこの細菌は、リンがない環境では、同族元素のヒ素で置き換えて生息できることがわかったのである。
 生命の誕生や進化の謎を探る重要な発見で、これにより地球外生命の探査にも影響が出るだろうと見られている。
 従来の探査は6元素を前提に進められてきた。だが、異質の生命が地球上に存在するとすれば、宇宙における探査も幅広いアンテナを広げるか、逆に絞り込みが必要になるからだ。

 このニュースを読みながら、テスラの洞察力にあらためて思いをいたした。テスラは100年以上前の論文で、異質な地球外生命の可能性についてこのように述べている。

 ……結晶のほかにも、状況に応じてガス状の構造か、より希薄な物質からなる生体組織が存在するかもしれない。この可能性――いや、蓋然性から必然的に導かれる結論はこうである。惑星の条件が既知の生命の生存に適さないからといって、有機体の存在を否定しえないし、その生命の一部が地球上に存在しないとも断言できない。なぜなら、わたしたちはその構造や生命の発現を認知できない可能性があるからである。(『人類エネルギーの問題』1900年)

 NASAのチームは、今回、このテスラのいう「宇宙か地球上に存在する異質の生命体」を発見したことになる。
 当時、スキャパレリの火星の運河(1877年)、ウェルズの『宇宙戦争』(1898年)、望遠鏡の発達などにより、一種の惑星(火星)ブームがあったこと。テスラもその影響を受けていたことを考慮しても、そこからこうした創見を導き出す洞察力と先見性にはやはり驚かされる。

 テスラは同じ頃、電波による地球外生物との交信可能性を論じ、惑星(火星)からのメッセージとおぼしき電波を受信したと発表した。今日ではこの電波は人工的なものではなく、電波星由来のものだったとみなされているが、テスラが異質の宇宙生命について論じ、電波による地球外生命との交信に最初に言及した地球外知的生命探査(SETI)のパイオニアであるという栄誉は失われないだろう。



私がオバマ大統領並の有名人? グーグル検索の怪

2010-12-03 16:59:45 | Weblog
久しぶりにグーグルで自分の名前を検索してみて驚いた。
なんと……
新戸雅章でヒット数、2億3千万件。

以前、検索したときはたしか8万件程度だった。その前は3万件程度。
なにかの間違いに違いないと思い、何度か試してみたが、数字は変わらない。

しばらく間を置き、いったん回線を切ってから、再度トライしてみた。
今度は1億3千万件。いずれにしても途方もない数字である。

グーグルのトラブルかと思いながら、ためしに木村多江さんを検索してみた。
1億7千万件。やはり最近活躍中だけに、なかなかすごい数字だと思いながら、少し多すぎる気もした。
それに私と同じヒット数というのはどう考えてもおかしい。
最近の芸能人にはうといが、わたしでも知っているAKB48を入れてみた。
すると2億3千万件。
人気絶頂のアイドルグループなみかよ。

ふと思いついて、菅直人首相を検索してみた。すると3百万件余り。これは意外に少ない。小沢一郎でも8百万件程度。
日本有数の政治家が、わたしの何十分の一のヒット数というのは、やはりばかげている。

たぶん世界で一番有名な人物のひとり、オバマ大統領をObamaといれてみたら、3億件近く。さすが世界のオバマだと思ったが、わたしと変わらないのにまたびっくり。

グーグルの検索ヒットの仕組みはよくわからないが、「新戸 雅章」と全角アキで入力すると、2万5千件ほどで、これはいつもどおり。
直近24時間に絞って検索してみたら、数十件。一週間では数百件、これもいつもどおりだった。ところが、期間指定なしにすると、またまた2億数千万件にはねあがる。

最近は特に新作も出していないし、メディアで採り上げられたこともない。一昨年から私のテスラ本の中国版、ハングル版が相次いで出たのでその効果か、とも思ったがそんなはずもない……。

そのうち直るだろうが、無名の物書きがつかのまの有名人気分を味わった1日だった。



湘南高校の先輩根岸英一さんがノーベル賞受賞

2010-10-08 14:12:16 | Weblog
 母校湘南高校の先輩根岸英一さんが今年度のノーベル化学賞を受賞された。
 湘南は神奈川の進学校で、出身者には有能な科学者も多いが、さすがにノーベル賞受賞者は出ていなかった。
 昨夜は同じ湘南出の妹から興奮気味の電話がかかってきた。

 根岸さんの業績「根岸カップリング」は有機化学反応の「クロス・カップリング」のひとつで、医薬品から液晶ディスプレイまで幅広い応用を開いた発見だという。身近な技術に結びつく大きな発見を母校の先輩が成し遂げ、それが世界的に評価されたということで、なんともめでたい。
「この日を50年待った」とか。インタビューにうれしそうに答えている根岸さんの笑顔が印象的だった。

 湘南高校といえば、わたしたちの時代には(1960~70年代)東大合格者が60~70人いた。全国の公立高校でもトップクラスだった。根岸さんも東大工学部に進学した。
 学区問題などから最近の進学実績は余りふるわないようだが、これがひとつの転機になればよいと思う。


テスラの実像に迫った『光の偉人 陰の偉人』

2010-09-26 23:56:38 | Weblog
NHKーBShiの『光の偉人 陰の偉人』、見た。
よくぞここまでつくってくれたという感謝の念でいっぱい。
スタッフ、出演者、協力者の皆様、どうもありがとうございました。
皆様の努力とセンスに心から敬意を表する。

それにしても、テスラをこれほど真正面から取り上げたテレビ番組は初めてではないだろうか。解説もきわめて適切だった。
これでテスラをはじめて知った方にも、彼の実像がよく伝わったと思う。
テスラに光があたりすぎて、悪役をふられたエジソンは少々かわいそうな役回りになってしまった。
しかし、これは世界的有名人ゆえの有名税ということでご勘弁いただこう。

今後は番組のシリーズ化はもちろん、地上波での放送も期待したいと思う。いや、必ずそうなるのではないか。
それほどよくできた番組だった。

発明超人ニコラ・テスラ

NHK-BSハイビジョンにテスラ登場!!

2010-09-22 15:53:43 | Weblog
 9月26日(日)午後9時放送のNHK-BSハイビジョン『光の偉人 陰の偉人』にニコラ・テスラが登場する。
 この番組は「”光の偉人””陰の偉人”が火花を散らす物語を通じて歴史誕生の瞬間に立ち会う」という歴史バラエティ。その第一弾として「光のエジソン」対「影のテスラ」の対決が選ばれたというわけである。
 タイトルは「“発明王エジソン”と“稲妻博士ニコラ・テスラ”」

 わたしは番組つくりに資料提供やアドバイスをさせていただいたほか、拙著『天才の発想力』や『発明超人ニコラ・テスラ』なども参考にしていただいたようだ。
 テスラとエジソンの熾烈な「電流戦争」を真正面から取り上げた番組で、薬試寺さんのテスラコイルもスタジオに登場する。
 掲載写真はスタジオ撮影にお邪魔させていただいた時のもの。うしろにテスラコイルが見える。

 ぜひお楽しみに。

  
光の偉人 陰の偉人
▽かくして電気の時代は始まった!発明王エジソンと稲妻博士テスラ

 本放送: 9/26(日) BS-hi 21:00~21:44
 再放送: 10/15(金) BS-hi 19:00~19:44

 出演者【キャスター】原沙知絵、浅利陽介【解説】竹内薫


 発明超人ニコラ・テスラ⇒

柴野拓美さんの思い出

2010-09-20 01:03:29 | Weblog
 先週土曜日、日本のSFとファンダムの大恩人である柴野拓美さんの追悼イベントに出席した。
 柴野さんとのご縁については、追悼出版物(「塵もつもれば星となる」)にも書かせていただいたが、中学生時代にカルト的なUFO団体にかかわった時に、柴野さんの批判文を読んで目をさまされたり、同人誌でインタビューさせていただいたり、1982年のTOKON8(第21回日本SF大会)以降、SFファンジン大賞の審査委員長をお願いしたり、日本のUFO研究についておしえていただいたりと、いろいろあった。
 考えてみれば、ニコラ・テスラというオカルトに誘惑されがちな題材を扱いながら、なんとか踏みとどまれたのも、柴野さんのCBA批判のおかげだっただろう。お世話になりっぱなしだったが、拙いオカルト批判本(『逆立ちしたフランケンシュタイン』)を上梓し、お褒めの手紙をいただけたのが、せめてものご恩返しになったかもしれない。
 追悼イベントでは、弟子にあたる酒井昭伸氏や鍛冶靖子さんが語られた翻訳家としての姿が印象的だった。

 柴野さんは下訳を一種の安全弁として使っておられた。これは翻訳には必ず間違いが出るから、安全弁を設けることでそれを極力減らすという東京工大出のエンジニアの発想だとか、物語性の乏しいハードSFは好きではなく、シェフィールドよりはクレメントを好んだとか、ニーヴンと出会うことで、翻訳家を天命と自覚したとか、ほかにもいろいろおもしろい話が聞けた。
 他のゲストの方の話も興味深く、あらためて柴野さんの大きさを感じることができた。

 生前からSF界の大先達として畏敬してきたが、物書き人生の上では「ハードSFの雄」柴野さんが、わたしのような文弱の徒と交わることは少ないと思ってきた。
 ところが故人になって思い返してみると、いかに大きな影響を受けてきたか。あらためて驚くことが多い。もっと早くわかっているべきだったと、われながら情けないが、影響というのはそんなものではないかとも思う。
 これからも物書きを続けるかぎり、どこかで柴野さんが顔を出し、叱咤してくれるにちがいない。それを励みに書き続けていこうと思っている。

 

『東京島』の宣伝で多江さん出まくり

2010-08-22 00:46:02 | Weblog
映画『東京島』の宣伝で、木村多江がメディアに露出しまくっている。
雑誌だけでも20数誌。そのうち表紙が3誌。(確認できただけでも)
いきつけの書店の女性誌コーナーに、多江さんの顔を見るのは新鮮。

テレビ番組のゲスト出演も多い。
昨夜はTBSの『チューボーですよ!』で見た。

でも、これだけ多いといくらファンでも追い切れない。
あきらめた。

『東京島』は8月28日(土)公開。
多江さんの演技はハズレないけど、どこまで新境地を開拓できたか。
賞レースにからむことはできるのか。

期待と若干の不安で、横浜ブルク13に足を伸ばすことにしよう。

3Dアニメ『メガマインド』のモデルはテスラ

2010-08-20 23:27:28 | Weblog
今年、メディアではちょっとしたテスラブームが続いている。
映画では、今月日本公開された『魔法使いの弟子』に続いて、11月に3Dアニメの『メガマインド』(ドリームワークス)が全米公開される。

この作品は正義のヒーロー「メトロマン」と悪のヒーロー「メガマインド」の抗争を描くアクション・コメディー。
元ネタはコミックのスーパーマンだそうだ。
原作どおりなら、メトロマンがスーパーマンで、メガマインドはエネルギー兵器でメトロポリスを破壊するマッド・サイエンチストということになる。
このマッドサイエンチストのモデルがテスラであることは、テスラファンの間ではわりと知られている。
実際、製作者もメガマインドのモデルがテスラであることを認めている。
同じくメトロマンのモデルはエジソンだとか。
こちらは原作にはない設定のようだが、つまりこれはエジソン対テスラの「電流戦争」のアニメ版ということになる。

子供頃にテレビで見て以来、スーパーマンはずっと好きなヒーローだが、テスラが悪の科学者のモデルだというのが前から気に食わなかった。しかし、本作では単純な善悪の構図にはならず、メガマインドの活躍の場もけっこうあるらしい。

メガマインドの風貌は、一見テスラとはかけ離れているようだが、よくよく見ると微妙に似ている。そんなこんなでテスラファンにはかなり楽しめそうだ。
メトロマンの声をブラッド・ピットが務めているのも話題。

日本公開が待ちどおしい。