アーサー・C・クラークが亡くなった。享年90歳だった。「巨星墜つ」という表現がこれほどふさわしいSF作家もいないだろう。
彼が脚本に関わった『2001年宇宙の旅』は計5、6回見た。最初は学生の時。それまでの東宝特撮物とは段違いのリアリティに度肝を抜かれた。映像はキューブリックの手柄だが、底流にある宇宙哲学は間違いなくクラークのものだった。
小説では『都市と星』がお気に入り。永遠の都市ダイアスパーの硬質なイメージがなんとも心地よい。もうひとつの代表作『幼年期の終わり』も、個人的にはキリスト教的な形而上学になじめなかったが、傑作であることはいうまでもない。
科学エッセーの大家でもあり、『未来のプロフィル』のような技術的予言に真価を発揮した。予言といえば静止衛星は生前に実現したが、宇宙エレベーターのほうは見られずに亡くなったことになる。
晩年はスリランカに住み、ダイビングを楽しみながら、最後まで健筆を振るった。SFを代表する大作家の死に心から哀悼の意を表したい。
彼が脚本に関わった『2001年宇宙の旅』は計5、6回見た。最初は学生の時。それまでの東宝特撮物とは段違いのリアリティに度肝を抜かれた。映像はキューブリックの手柄だが、底流にある宇宙哲学は間違いなくクラークのものだった。
小説では『都市と星』がお気に入り。永遠の都市ダイアスパーの硬質なイメージがなんとも心地よい。もうひとつの代表作『幼年期の終わり』も、個人的にはキリスト教的な形而上学になじめなかったが、傑作であることはいうまでもない。
科学エッセーの大家でもあり、『未来のプロフィル』のような技術的予言に真価を発揮した。予言といえば静止衛星は生前に実現したが、宇宙エレベーターのほうは見られずに亡くなったことになる。
晩年はスリランカに住み、ダイビングを楽しみながら、最後まで健筆を振るった。SFを代表する大作家の死に心から哀悼の意を表したい。