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テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

怪人二十面相・伝

2009-03-07 22:53:12 | Weblog
 2月半ば、知り合いの女性から正月映画の『怪人二十面相・伝』にテスラコイルが出ているとおしえられた。この方はテスラ生誕150年記念イベントにも出席されていたので、テスラコイルだとすぐにわかったという。観に行きたいと思いながら、つい忙しさに取り紛れてそのままにしていた。

 昨日、日本SF大賞の受賞パーティに出席した際、永瀬唯、立花眞奈美(TOKON10実行委員長)といった方々から、そのことについて声をかけられた。

 映画の評判もよかったようだし、テスラコイルも迫力があったという。これはなんとしても観にいかなくてはと思って、帰ってからネットで上映館を調べたら、正月映画だけにどこも上映終了。かろうじて「三軒茶屋シネマ」で3月21日(土)から上映されることがわかった。なんとか都合をつけて観にいくつもりだ。

「新戸さんのクレジットがはいってませんでしたよ」と、永瀬氏には冗談交じりに言われたが、まあ、それだけテスラが認知されてきた証拠だろう。
 ストーリーを読むと歴史改変ものらしいので、この点にも興味を惹かれる。DVDが出たら買うことにしよう。

 監督の佐藤嗣麻子さんは、水谷さんや小谷真理さんたちのお仲間らしいが、ぼくにとっては木村多江の出た「アンフェア」の脚本家。あの悪多江に変貌した家庭教師が煙草をふかすシーンはなかなか秀逸だった。



木村多江が日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をとった

2009-02-21 04:11:25 | Weblog
 木村多江が日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をとった。

 サユリスト世代としては、2作品ノミネートの吉永小百合をおさえての受賞というのがまた感慨深い。10代から主役を張り続けてきた永遠のアイドルを、セラミュや貞子からのしあがった女優が抑えて受賞したわけである。そういえば広末凉子も仲間由紀恵も、基本的に主役一直線の人たちだな。
 予定調和ではなく、こういう逆転がたまにあると、人生おもしろいなと感じてしまう。

 そういえば昔、木村多江が脇役として認知され始めた頃、2ちゃんねるのファンスレに、多江さんはカンヌやベネチアで主演女優賞をとってもおかしくない大女優になる。おまえらファンのくせにわかってないと書き込んで、ひんしゅくを買ったことがあった。
 あれは半分は酔ったいきおい、半分は本気で書き込んだのだが、この調子では案外早く実現してしまいそうな気もしてきた。

ブログ再開、テスラ、山内龍雄、江戸の科学者などのこと

2009-02-14 04:56:27 | Weblog
 昨年末から、いろいろな原稿が遅れ遅れで、編集者の皆様にはご迷惑をおかけしてしまいました。まだいくつか残っていますが、それでも大分落ち着きましたので、しばらくはまたブログにもどることにします。

 テスラがらみでも最近はいろいろとおもしろいニュースがあります。海外ではインテルが無線充電装置を発表し、MITが無線送電実験に成功したと報じられました。いずれもテスラの夢の現代版ということで、テスラファンを大いに喜ばせました。
 国内では平下治さんのご尽力で「電気の史料館」にニコラ・テスラの彫像が設置されたのもうれしい出来事でした。
 テスラ研究所としては、懸案のテスラ本の翻訳をいよいよ進めなければと思っていますし、テスラコイル・ビルダーの薬師寺美津秀さんとのコラボ企画も構想はあるのですが、このご時世、資金的な面で容易ではありません。
 しかし今夜、画家山内龍雄氏やギャラリータイムの須藤一実氏といっしょにお会いした旧知の経営コンサルタントの柳町氏もいっていました。歴史上、終わらなかった不況はないと。一年計画で、せっせと原稿を書いて、稼いでなんとか実現にこぎつけたいと思っています。

 山内龍雄氏は台湾での個展の帰りでした。ヨーロッパに続いて、台湾でも大成功を収めたようで、これもうれしいニュースです。詳しくはギャラリータイムのHPで。山内氏と須藤氏の交流を描く伝記本も今年後半までには出版予定(新戸雅章著)です。

 学研のブログ連載「江戸の科学者列伝」も張り切って書いています。これまで、志筑忠雄、川本幸民、関孝和、平賀源内と続いています。まだストックはありますので、ご期待を。
 ラインナップは江戸の科学者という以外は一見バラバラですが、どれも素晴らしい業績をあげた魅力的な人物という点では一致しています。
 江戸の科学というと、これまでは鎖国下の乏しい情報の中でがんばったけれども、その努力が本当に開花したのは明治以降だという評価でした。つまり、江戸300年は長い予備トレーニングの時代と見られてきたのです。でも、彼らの一部がすでに世界的な水準にあったことは、和算の関孝和の例などからも明らかです。
 西洋の刺激によって、学芸の世界に多くの才能を輩出した江戸後期は、江戸ルネッサンスと呼んでよいような時代でした。そうした時代と業績の紹介もこの連載の重要な要素になっています。
 ただそれ以上にわたしが江戸の科学者に心惹かれるのは、その純粋さです。上記の学者たちは、だれをとっても学問を愛し、真理を愛し、家族を思い、郷土を思い、藩や国を思い、仲間を思い、学問によって少しでも人々の役に立ちたい、救いたいという真摯な願いを抱いていました。
 もちろん彼らにも人並みの野心はあったでしょうが、学問を出世の道具と考えるようなことは少なかったと思います。そのような生き方がまかり通り、かえって礼賛される現代だからこそ、その初心に学ぶことも多いような気がします。
 そんな彼らの人間的魅力を少しでも紹介できればと考えています。

以下続く。
 

「テスラ─発明的想像力の謎」のハングル版

2008-10-12 03:26:10 | Weblog
工学社から2002年に出した「テスラ─発明的想像力の謎」が韓国で出版されることになり、その見本がとどいた。
なかなかかっこよい装丁。しかし、いかんせんわたしはハングルが読めない。せめて前書きかあと書きくらい読めるとよいのだが、だめなものはやはりだめ。
だれか読める人がいないかと探したが、韓国人の知り合いをもつ友人・知人はいなかった。
現在、わたしの別なテスラ本も中国語訳が進行中。これもやはり読めないという悲しい結末になりそうだ。

わたしの文章は、これまで単行本、論文、エッセーを含めて、英語、ドイツ語、韓国語、セルビア語の4カ国語に翻訳されている。これに中国語とオリジナルの日本語を入れると6カ国語になる。
なんかインターナショナルでしょ。
といっても、本人は韓国語、セルビア語、中国語は全部だめ、ドイツ語は大学時代にならったがほとんど忘れ、英語すらあやしい。

自分の語学力のなさを思うたびに、知人の語学の天才波津博明氏(元読売新聞記者、現大妻女子大学教授)を思い出す。彼は十数カ国語を自在にあやつり、セルビア語も話せる。
もう十数年前だが、わたしのセルビア人の友人と話すのを聞いて驚嘆したおぼえがある。
最近、たまたま、あるパーティで氏のご子息(某大手出版社勤務)と話す機会があった。「父は家のトイレの中にも単語帳を張って勉強しているんですよ」という話を聞いて、感心すると同時に、天才はやはり努力の賜物なのだと納得した。

自慢と愚痴がまざったへんな文章になってきた。
これもボースの翻訳のプレッシャーのせいなのだろうか。



遊行舎11月公演・幸田露伴作「五重塔」の出演者募集!!

2008-10-09 11:41:16 | Weblog
 わたしが応援している遊行舎の11月公演「五重塔」(幸田露伴作)で、出演者を若干名募集しているので、ご案内します。本公演は、昨年、日暮里サニーホールで公演した「うしろ姿や 山頭火」で大好評を博した遊行舎が、再び脚本村上護、演出白石征、音楽J・A・シーザーのコンビで、幸田露伴の名作「五重の塔」に挑むものです。
 谷中の誇り、日本人の誇りを、祈りを込めて、演劇として立ち上げる「まぼろしの五重の塔」です。
 なお、応援特別出演として、女優の白都真理さんが参加し、公演に花を添えていただきます。
 ご興味がおありの方は、是非、ご応募ください。

「五重塔」
作:幸田露伴/脚本:村上護/演出:白石征/音楽:J・A・シーザー
11月28日(金)~30日(日)
日暮里サニーホール
主な出演者:白都真理(特別出演)、井内俊一、青江薫、中島淳子、柴田明良ほか

◎募集対象
男性3名(年齢不問)、女性1名(年齢不問)

◎応募方法:
下記資料を同封の上、事務所宛お送りください。
1. 履歴書(写真貼付)
2. 自己PR(抱負)を400字程度

◎郵送・問合せ先
〒251-0037藤沢市鵠沼海岸1-14-6 遊行舎 TEL 0466-34-9841

インドの理論物理学者チャンドラ・ボースの伝記

2008-09-09 01:54:36 | Weblog
 工作舎から、インドの理論物理学者チャンドラ・ボースの伝記の翻訳(「J.C.ボースの研究と生涯」パトリック・ゲデス著/新戸雅章訳)を出す予定になっている。これがなかなか難物で、悪戦苦闘している。ただ、内容は抜群におもしろい。
 ボースはインド人最初の世界的物理学者で、無線研究の先駆者のひとりであり、物理学と生物学の境界を取り払う研究で名をはせた天才科学者だった。
 インドに近代科学を移植した大功労者で、インド最初のSF作家だったともいわれている。その割には日本では知られていないのは、やはり「インドの科学者」だったからだろう。伝記にはそのあたりの問題点もふれられている。
 いずれにしてもご期待を。

 作業が遅れて担当の十川治江社長には迷惑のかけっぱなしだが、ここでさらにピッチをあげていくつもり。ブログを借りた言い訳と宣伝でした。




世界のナベアツとテスラ

2008-06-16 05:06:27 | Weblog
3の倍数でアホになる世界のナベアツ。
3の倍数かしこくなる世界のテスラ。

 ニコラ・テスラは数字にこだわり、なんでも数え、なんでも計算しないと気がすまない性格だった。とくに数字の3を好み、ホテルのルームナンバーも3の倍数を選んだ。
 テスラが世界的発明家になったのは、3の倍数でかしこくなったからかもしれない。


『最高の人生の見つけ方』にテスラ

2008-06-09 04:36:25 | Weblog
 ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン主演で、現在公開中の『最高の人生の見つけ方』(ロブ・ライナー監督)にテスラの話題が出てくるらしい。どうやら無線の発明者をめぐる2人のやりとりの中のようだ。映画を観たという知人の女性からおしえていただいた。
 エジソンとの電流戦争ではなく、マルコーニとの無線戦争にもっていったところに、制作者のセンスを感じる。俳優も魅力的だし、これは観にいかなければならないだろう。
 映画といえば、ごひいきの木村多江さんが初主演する『ぐるりのこと』(橋口亮輔監督)も公開中で、なかなか評判がよさそうだ。
 こうなったらなんとか時間をつくって、渋谷か銀座あたりで映画漬けの一日を送ることにしたいな。

テスラの銅像、完成間近か!

2008-04-08 23:52:12 | Weblog
 昨年来、(株)JPSの平下治社長を中心に在日セルビア大使館の協力のもと、テスラの銅像の寄贈プロジェクトが進められてきた。これはベオグラードの博物館に行かれてテスラの業績を知った社長が、なんとかその功績を日本にも知らしめたいとして着手したものである。
 当初は発電所への設置を考えていたようだが、現在は東電の「電気の史料館」(横浜)に設置される予定になっている。
 先月末、社長にお会いして塑像段階のお写真を見せていただいたが、たいへんよく特徴をつかんでいる。「似ていますね」と言ったら、喜んでおられた。
 社長のブログにも写真が掲載されている。
 今回わたしは銘文の作成に協力させていただいたほか、たいしたお手伝いができなかった。すべては平下社長の情熱の賜物である。いよいよ最終段階にはいった銅像の完成を祈るとともに、今後はこのすばらしいプロジェクトの周知に少しでも努めていきたいと思っている。

慶応大学理工学部でテスラについて講演

2008-03-20 21:11:53 | Weblog
 4月30日(水)に慶応大学理工学部で講演することになった。「理工学概論」の特別講義で演題はおなじみのニコラ・テスラだが、新入学生対象の教養講座なので、どんな話にしようかと考えている。
 時間の制約もあるし、人物と業績の紹介だけでもよいのだろうが、今回は、それとあわせて電気の不思議さ、おもしろさについても伝えられればと思っている。
 1980年代半ばから90年代後半にかけて、わたしは現場の研究者や科学者に取材する機会が多かった。そのとき確信したのは科学者にとってのイメージの重要性だった。
 アニメ、漫画、映画、伝記などからえたイメージが、アイデアだけでなく、研究の目的や動機の部分でもいかに支えになってきたか。そのことを熱心に語ってくれる研究者が意外なほど多かったのである。
 電気に捧げたテスラの生涯は豊かな科学的・電気的イメージに満ちあふれている。それはテスラの才能と電気自身のもつ魅力が共振した結果だと思われるが、未来の研究者にそのあたりを感じてもらえれば大成功だと思っている。
 薬試寺美津秀さんのテスラコイルのパフォーマンスがあれば鬼に金棒なのだが、今回は予算、日程等を考えて見送ることにした。
 これで慶応での講演は3度目になる。最初は理工学部で、今回と同じ高橋信一先生からのお誘いだった。2度目は旧知の巽孝之先生から声がかかった。相手が文学部の学生だったので多少とまどったが、文化史的な観点も加味してお話させてもらった。
 過去二回の反省も踏まえて、少しでもよい講演にしたいと思っているが、今回とくに重視しているのがビジュアルである。ビジネス社会ではパワーポイントでプレゼンというのが常識らしいが、大学でもこのスタイルが浸透しつつあるとのこと。今回は動画や写真を多用するつもりなので、この機会にちょっと勉強してみようと思っている。