“トマトが好きだ。スーパーに並ぶさまざまな商品から色や大きさ、産地を見定めている。檀家から昨年頂いたトマトは見事に赤く熟れ、甘みも素晴らしかった。思いがけず、また出合えたのは何とトマトも販売している書店だった。色合いは良く、一口か二口で食べられるほどの大きさだった。食べると昔懐かしい味が口の中にふわっと広がった。記載されていた産地はわが家から十数キロしか離れていない場所。「身土不二」という言葉によると、自分の足で歩いて行ける約十六キロに当たる四里の四方内で取れたものや旬のものを食べれば体に良いそうだ。もちろん生産者の努力はあるだろうが、理にかなったトマトにわが体は大いなる喜びの反応を示していた。”(7月20日付け中日新聞)
滋賀県近江八幡市の僧侶・西沢さん(男・72)の投稿文です。ボクは多くの野菜を種から育てるが、トマトは苗を買ってくる。だからそれ程に多くはない。ミニトマトと中玉トマトがそれぞれ3本である。そして、今が盛りと成っている。丸かじりがおいしい。今年はよくなる方である。
この文で、「身土不二」と言う言葉を知った。「しんどふじ」と読み、人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということで、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方、明治時代に石塚左玄らが唱えた、とある。仏教用語である。僧侶の方から聞くと、なおさらである。その土地とは、西沢さんは4里四方、16km範囲と言われる。健康によい野菜とは、気候の違う遠いところから運んだり、温室で無理に時期をずらしたりするのではなく、自分の住んでいる近くで自然に育てる、と言うことであろう。こういう話を聞くと、ボクは全く健康によい野菜を多く食べていることになる。ほとんどは種を直まきであり、苗を買ってきてもビニ-ルトンネルなどはかけない。せいぜい風よけをするくらいである。もちろん消毒はしない。怠けていることもあるが、自家用野菜はこれで十分である。健康によいとなれば更にいい。