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寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3834話) 風呂事情

2025年04月30日 | その他
 “風呂を沸かそうとスイッチを入れると「お湯張りをします。栓の閉め忘れにご注意ください」と音声のメッセージが流れる。しぱらくすると「間もなくお湯が沸きます」そして「お湯が沸きました」と言う。好みの湯量と温度をセットするだけで、何の苦労もせずに快適に風呂に入ることができる。
 昭和の時代に三重県内の農村部で育った私の幼い頃、自宅は、まきでたく五右衛門風呂だった。井戸から水をくみ運んで浴槽に入れる。枯れ葉や枝を集め、まきと一緒に燃やして、水を温める火力にした。小学生の頃の私の仕事だった。苦労もあったが、家族から仕事を任されていると思うと、うれしかった。”(4月4日付け中日新聞)


 三重兼南勢町の山之内さん(女・83)の投稿文です。3月22日付の「話・話」 第3816話で冷蔵庫の話を書いた。今度はその風呂番の話である。状況や注意事項を声で教えてくれる。何とも便利な話である。これも残念ながらわが家には無縁の話である。太陽熱温水器で水を温め、まだぬるいときはプロパンガスで追い焚きをする。追い焚きを薪でやっていた時代もあったが、ガスにしてもう30年くらいであろうか。音声で教えてくれないので、手で湯加減を計る。
 でもその前に時代に比べれば、楽になったものである。山之内さんは五右衛門風呂の思い出を書かれている。わが家も父が生きていた時代は五右衛門風呂であった。父が亡くなったのは昭和57年であるので、もう40年も前のことになる。水道が引けたのはボクが小学5年の時であった。それまでは井戸の水をくみ上げていた。時代とともに、風呂の沸かし方も随分変わったものである。



(第3833話) 田植え準備

2025年04月28日 | 行動
 “私が住んでいる長野県松本市内の地区では毎年3月になると、田植え前に、地域の農家の人たちが用水路にたまった枯れ草や缶、瓶などを取り除く作業を行います。今年は20日に無事作業を終えました。
 約50人が集まり、参加者はスコップ、ジョレンを持ち、用水路を清掃しました。用水の中の泥をさらうと、ドジョウが顔を出します。つかまえて用水の中に戻してあげると、体をくねくねさせて帰っていく姿はとてもかわいいです。4月中旬には田に水が入り、田植え準備が始まります。田植えを終えて間もなくするとカエルが合唱するように鳴きます。実りの時期まで生き物たちや自然の変化を楽しみたいです。”(4月3日付け中日新聞)


 長野県松本市の小松さん(男・78)の投稿文です。ボクも4月20日の日曜日に用水ざらえに参加した。50人ばかりが約2時間、用水の土をあげごみを拾った。そして作業の必要性もあるが、情報交換の最適な場である。日頃余り会うことのない人にも会った。話もした。人の集まる機会が減った。是非こうした場を活用したいものである。
 しかし、年々参加者は減っているようである。数えてみたらボクは年長者から5本の指に入っているようだ。いずれボクも参加できなくなるのだろう。その時、どのような対策が取られるだろうか。気になるところである。



(第3832話) 子を諭す

2025年04月25日 | 意見
 “スーパーなどで店内を走り回ったり無駄に商品を触ったりする子どもを見かけることがあります。そんな時、その子の親が「店の人が怒るからやめなさい」と言うのを聞きます。私は「店の人が怒るから」ではなくて、やってはならない理由を親が自分の言葉で説明し、子どもをいさめるべきだと思っています。
 核家族化や、よその子をしかる人が少なくなっていることから、今の子どもは悪いことをしても注意される機会が減っていると思います。子どもが周囲に迷惑をかけるようなことをした時は、親がまず謝るべきではないでしょうか。そして、親の責任として子どもをしかり、諭すことが大切だと私は思います。”(3月29日付け中日新聞)


 愛知県高浜市の主婦・神谷さん(65)の投稿文です。この話もときおり聞く話です。子供を諭すのに、怒られるからではいけない。怒られない場所ならいいのか、と言うことになってしまう。悪いことはなぜ悪いのか、理由を持って諭さなければいけない。つい安易な方向に流れてしまうが、気をつけなければいけないことである。
 そして言われるように子供に注意することが減ったであろう。注意されることが減ったのではない。子供だからと許しているのか、気にしていないのか、親の手抜きである。だから他人の子に注意するなんて事は尚更できぬ。親切心で他人の子に注意でもしたらどんな反応が返ってくるか、分かったものではない。と書くが、私自身が体験したことではなく、聞いた話である。社会で子供を育てる時代、と言われるが、実際は逆方向に向かっている気がする。



(第3831話) 完全再現

2025年04月23日 | 行動
 “「この家族写真、完全再現して撮ってみない?」。実家に帰ったら、たまたま弟も居て、久しぶりに家族4人が集まった。弟が持っていたのは、28年前の1997年に撮った家族写真。若い父母、その後ろで笑っている20代の私と弟。たぶん結婚記念日に撮った写真。テレビとカーテンの位置は、昔と同じだ。テーブルも同じ場所にセットしよう。ソファはないから、写らない位置に片付けよう。テーブルの上にあるコップとお皿、まだあるよね。この陶器の人形もどこかにあるよ。似た色のテーブルクロスをかけて、ワインとケーキを置こう。
 父はワイシャツ、母は似た色のカーディガン。弟の首に、なんかタオルが巻いてるよ、持ってきて! 私が抱いていた猫のクマは天国へ行っちゃったから、ぬいぐるみにしよう。
 古い写真と見比べて、同じ並びを確認し、目線も同じ、笑顔も同じになるように練習して。何時間もかけて、何度も撮りなおして、やっと完成した。すっかり年を取った父母。丸々と太った、おばちゃんの私。髪の毛が減っちゃった、おっさんの弟。それでも変わらないのは、バカバカしいほど一生懸命で、おかしくて、笑顔になっちゃう家族。さて次の28年後、家族4人集まって撮れるかな。親は90代、ぎりぎり何とかなる!”(3月25日付け中日新聞)


 愛知県犬山市の主婦・秋山さん(51)の投稿文です。これはまた面白い発想である。28年前に撮った写真の構図を再現して見ようというのである。人が並ぶだけではない。ものの配置も復元するのである。やっているうちに夢中になる。バカバカしいほど一生懸命で、と本人も言ってみえる。こういうことに夢中になれるというのは、改めて幸せを感じられたであろう。次はまた28年後と言われる。10年後でいいだろう。何回もやればいいのである。
  話はあまり似ていないかもしれないが、小学校の同級生で母校に桜の木を寄贈した。昨年12月24日に植え、今年4月1日に同窓会を開き、食事を終えた後、小学校に行き、この桜の前で写真を撮った。桜はまだ植えて間もないので、少しの花びらがちらほらであった。これから桜は毎年成長してどんどん大きくなるだろう。ボクらはどんどん衰え、今年集まった12人がどんなになっていくだろう。出てこられなくなる人もあろう。醜い姿になるかもしれない。でもボクは、毎年この前で写真を撮ることが楽しみになっている。



(第3830話) 停電の備え

2025年04月21日 | 出来事
 “先ごろ、自宅近くでの工事により3時間ほど停電しました。みぞれが降る日で、室温が10度を切りました。自宅をオール電化にしたことで石油ストーブは処分済み。暖を取ることができなくなりました。トイレも用を足した後に水が流れなくなり、困りました。家中の電気器具が機能しないことにあたふたし、3時聞か非常に長く感じられました。
 もしこれが大きな地震による停電だったらパ二ックになっていたに違いないと思います。電気のありがたさを痛感する一方で、災害時の防寒対策を見直すことにしました。石油ストーブを購入し、灯油タンクも備えて満タンにしました。保温効果のある衣服に防寒着、貼るカイロも用意。停電が、もしもの時に備える意識を改めるきっかけになりました。”(3月25日付け中日新聞)


 岐阜県可児市の谷口さん(男・75)の投稿文です。今の時代、停電になったらどんな影響が出るのか、大変だろうなとは思うが、最近ボクはあっていないのでよく分かりません。それが谷口さんは3時間ほどの影響を受けられた。それがこの投稿です。3時間でこの影響、感想です。これが1週間も、何日も続いたらどうなるんでしょう。能登など災害に遭ってこうした生活を長く続けられている方もあります。問題がなければ全く快適な生活でしょうが、それが少しのことでこの状況です。
 さてボクの家ならどうでしょう。オール電化ではありません。炊事、風呂等はプロパンガスです。太陽熱温水器もあります。冬の数ヶ月を除けば年中風呂を沸かすことはありません。暖房は石油ファンヒーターです。昔あった井戸も、今は使っていませんが、使う気になれば使えるでしょう。くみ取り式のトイレも残っています。それでも停電になれば不都合でしょうが、いろいろな手段をまだ残しているだけに、少しは助かると思っています。ボクな何事も一つに統一しない方がいいとは思っています。いろいろな手段を持っていた方がいいと思っています。これも防災です。話は飛びますが、マイナンバーカードもしかりです。統一すれば楽なことは分かりますが、それは順調な時のことです。なくしたとき、健康保険や運転免許はどうなるのでしょう。何事も事故は起こります。そのためには多様性がいいと思っています。



(第3829話) そろばん

2025年04月19日 | 行動
 “退職して2年が過ぎ、小さい頃からやれなかったことに、いろいろ挑戦することができて、充実した日々である。小学校の時に通った「そろばん教室」のパチパチの音、優しかったおじさん先生・・・。今でも忘れられない思い出になっている。
 もう一度、そろぱんをはじきたい。そんな思いを以前から持っていた。先日、近所の教室のチラシが入っていたのをきっかけに、とりあえず問い合わせをしてみた。「子ども向けのクラスはあるが、大人向けのはないんですよ」ということだった。「子どもさんと一緒でもいいので、参加させてもらえたら」と無理をお願いした。「では、とりあえず一度来てみてください」と言われたので、約束の日時に行ってみた。突然、えたいの知れないお婆さんがウロウロしているので、生徒さんたちは怪証そうだった。
 60年ぶりのそろばんはじき、なんとも懐かしく、気持ちが良く嬉しかった。4月から入塾する許可をもらった。書道教室の方は、高齢者も生徒として教えてもらっているが、そろばん教室は、私だけのようである。いつまで続くか分からないが、楽しみが増えて嬉しく、4月からが待ち遠しい。”(3月22に付け中日新聞)


愛知県江南市の能美さん(女・72)の投稿文です。72歳にして子供にまじってそろばん教室ですか?意欲がある人はあるものですね。この好奇心さえあれば、呆けないでしょうし、大きな病気にもならない限り長寿確実です。長寿社会になっただけにこの姿勢は大切です。長生きしても、何にも関心を待たずのんべんだらりではもったいないでしょう。能美さんは書道教室にも通っておられるようです。あっぱれです。
 ボクは小学生の頃、そろばん塾には通いました。その他はありません。でも遠かったこともあって少しで止めてしまった記憶です。今思えば惜しいことをしました。そろばんはいつの時代になっても大切です。暗算は特に大切です。ボクは全く苦手です。妻は家計簿に今でもほぼ毎日そろばんを使っています。電卓は側に置いていません。これはいろいろ役立っている、とボクは思っています。



(第3828話) だら焼き

2025年04月16日 | 出来事
 “娘の友人がハワイ旅行に行き、お土産でホットケーキの材料をもらいました。早速、妻に作ってもらい、とてもおいしくいただきました。食べながら、子どもの頃に食べた「だら焼き」と呼んでいたおやつを思い出しました。昭和の時代によく家庭で作られました。
 小麦粉に水を混ぜただけの焼き物です。飽食の時代ではなかったので、特別に砂糖を混ぜてもらうだけで妙にうれしかったです。焼き上がるまでワクワクして待ちました。今は多様な菓子のある時代なので子どもにそんな話をしても理解されないです。蜂蜜をかけたホットケーキを食べながら、かつてごちそうだった「だら焼き」に思いをはせました。”(3月22日付け中日新聞)
 
 三重県松阪市の会社員・山本さん(男・68)の投稿文です。「だら焼き」と言いますか、ボクは「せんば焼き」と言っていた記憶です。山本さんの思い出と全く同じです。お好み焼きに全く具がないものです。おやつであり、腹も膨れます。こんな投稿に昔を思い出します。今と比べると全く貧しかったのですが、周りも皆同じでしたので、特に不満を覚えた記憶はありません。おやつと言えば、あとはサツマイモに芋せんべい、さとの木(サトウキビ)くらいでしたでしょうか?、何を食べていたのだろう。多分おやつとしては何も食べていなかった気がします。周りもほとんど同じでしたし、それ以上のことを知りません。今の人、特に若い人はもの豊かな時代を過ごしてきました。これができなくなった時、どう思うのでしょう。気になります。



(第3827話) 喫茶店に感謝

2025年04月14日 | 出来事
 “高齢のご夫婦が営む行きつけの喫茶店は定休日でもないのにシャッターが下りていた。「しばらくの間・・・」の白い張り紙が気になっていた。マスターが今年に入り急逝されたと人づてに聞いた。残された奥さん一人では再開は難しいように思う。
 店に置いたいくつかのバラの鉢植えから枝が広がる「バラの喫茶店」として気に入っていた。5月の連休のころ満開になり、店を明るく彩った。各テーブルにも花好きな奥さんの手で季節の花が飾られた。近所の奥さん方がよくつどった。
 マスターはもの静かな人だった。バラの季節が終わると鉢の土を新聞紙の上に広げて手入れしていた姿を思い出す。今では珍しくなったこんな喫茶店で、落ち着ける時間を過ごさせてもらい、感謝したい。”(3月21日付け中日新聞)
 
 岐阜市の神職・宇都宮さん(男・74)の投稿文です。ボクの住む一宮はモーニングコーヒーの発祥地をうたっています。そして尾張地方や岐阜はモーニングコーヒーの店が多くあります。高齢者の多くは日課のように通っています。交流の場です。外に出る機会になっています。これが朝食や昼食の人もあるでしょう。ボクは非常にいい地方だと思っています。ところがです、この文化がいつまで続くか、気になっています。それがこの投稿文です。経営者も高齢者が多いのです。できなくなって店仕舞いの店も結構あります。ボクも周りでも少しずつ少なくなってきています。チェーン店がいいでしょうが、個人経営の店で若い人がすることは少ないでしょう。先日、こんな話を聞きました。毎日のようにモーニングコーヒーに行っていた人が、店が閉店になり行く場所がなくなったらまもなく認知症になってしまった。この文化、続いて欲しいです。



(第3826話) 健康と趣味

2025年04月12日 | 行動
 “5年ほど前から健康のために1日1万歩を目標に歩く生活を始めました。途中、体調の関係で歩けない期間もありましたが、2月に目標を遂げた合計日数が1500日を達成しました。日頃から歩くことを心がけて、公園を散歩したり、階段の上り下りも歩いたりして歩数を伸ばしました。また、地元町内会の役員をしていることから、行事の参加や子どもの登下校を見守る活動を通じ、よく体を動かしたことも大きかったです。
 最近、道路のへこみや防犯灯が切れている場所がないか歩いて注視するようにもなり、地域の安全への願いを込めつつウォーキングしています。さらに趣味の川柳の題材も町歩き中に探すことが多く、一句ひらめくことが多いです。健康増進と趣味の世界が結びついて楽しいです。今後は、1日1万歩2千日達成を目指して、健康に暮らしたいと思います。”(3月18日付け中日新聞)


 愛知県知多市のパート・仁木さん(男・68)の投稿文です。健康はウォーキング、そして歩きながらいろいろなことに目配り、挑戦する、一石二鳥ですか、いいですね。1日1万歩の目標が1500日になったと言うこと、継続はやはり素晴らしい、こうして達成感も得られます。
 そして特に素晴らしいと思ったことは「道路のへこみや防犯灯が切れている場所がないか歩いて注視する」ようになったということです。地域にも貢献です。一つのことが次々発展する。これがいい。何事も心がけ次第です。ボクもほぼ似た生活をしていますが、ただ1日1万歩の目標は立てていません。まだこの程度は歩けますので、それが難しくなった時、こんな目標も立てるのでしょうか。



(第3825話) 天使探し

2025年04月10日 | 行動
 “作家の故中島らもさんのエッセーを最近読み、「その日の天使」を意識するようになった。中島さんが原稿に行き詰まったとき、たまたま焼き芋店の移動販売の声が聞こえ、「こんなに苦労しているのに、何か焼き芋だ」と思わず笑ってしまったそうだ。その人が天使に思え、「その日の天使が1人いればやっていけるんだ」と気付いたとか。まさに一日一日を気持ちよく生きるこつのように思えた。
 私の前に「天使」が現れたのは2月上旬。夫と公園を散歩していると、話しながら歩く保育園帰りの女児とその母親と出会った。2人の会話があまりに楽しそうで、私がつい「ママにいっぱいお話聞いてもらえてうれしいね」と声をかけたら、親子は満面の笑みを浮かべた。その後も親切な人や明るい人に会うたび、「天使」に思えて幸せ気分に浸っている。そんな人を探すのが日々の楽しみだ。”(3月15日付け中日新聞)


 愛知県春日井市の主婦・石垣さん(74)の投稿文です。天使探しとは、また新たな言葉です。自分にとって、天使と思える良い人に出会った時、その日は幸福感に浸れるでしょう。そんな話です。家に閉じこもりがちの人は別にして、毎日何人という人に出会います。出会って嫌な人もありますが、嬉しい人もあるでしょう。嬉しい人に会える機会が多ければ多いだけ、幸福感に浸れる日も多くなるでしょう。
 そして人は心の持ち方一つで大きく違ってきます。好意を持って接するか、逆の目で接するか、相手にもよりますが、自分自身の問題である場合もあります。血気盛んな若い人の場合はなかなか難しいですが、高齢者は寛容に過ごしたいものです。それが天使探しに繋がるでしょう。ボクはこちらから話しかけることに努めています。