今日はクリスマス。
予報通りに西高東低の冬型が強まり、ホワイトクリスマスとなった。
今日の雲仙普賢岳はこんな感じだろうかと、今年2月に登ったときの写真を貼ってみた。
足の怪我さえなければ今頃は…。
この3連休は、山にこそ登れないが実に充実している。
足が思うように動かない分、読書三昧。
思う存分に滝口康彦氏の小説を堪能しているからだ。
今図書館から借りているのは、昭和56年に出版された「恨み黒髪」と
昭和54年の「葉隠無残」の2冊。
この1週間で短編を合計で14作読んだことになる。
老眼の進んできた目は悲鳴をあげているのだが、心は感動で打ち震え、頭は喜び冴えわたっている。
昨年出版された文庫本「一命」を、ある書評で「滝口康彦氏のベスト版」と紹介しているのだが、それはどうだろうか。
確かに、「一命に」に収録されている6編はどれも珠玉の歴史小説に相違ないが、氏の作品群から「ベスト」として何点かを抽出することは容易なことではないからだ。
先に挙げた2冊の中からだけでも、「恨み黒髪」「秋月の桔梗」「切腹にあらず」「遺恨の譜」「血染川」「朽ち葉の記」と、どれも「ベスト版」に選ばれてもおかしくない傑作である。2冊読んだだけでこれである。これからどんな作品に出会えるか楽しみでならない。
ところが、残念なことに、先に挙げた「一命」をのぞいて、氏の本はそのほとんどが今では絶版になっている。件の2冊だって図書館の書架には置いてなかった。図書館備え付けのパソコンで蔵書を検索し、別階の保管庫にあるものを出してもらったのである。
氏の作品が私の住む諫早図書館にないわけないと思っていた。
作品が優れていることもだが、何よりも氏は長崎県のご出身だからだ。
地元が生んだ偉大な作家の作品を地元の図書館に置いてないわけがない。
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