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TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

独り言

2016年02月20日 | 山(県内)
「これは多良岳の循環道だけど…」


「いつもの林道じゃない。路肩に土砂が崩れ落ちてこないように斜面をコンクリートで固めてあるので安全よ。山の懐深くを一周するこの道路のおかげで、楽して多良岳に登っているのは誰よ。たった20分で。」

「あっ、そうでした。感謝、感謝。」

「じゃ、この道の土手は同じようにコンクリートで固めなくていいの?」








「危ないわね、歩いている途中で崩れてきたらどうするのよ。ところで、ここはどこなの?」

「金泉寺に通じる車道じゃない。あまり目につかないところにあるけどね。この前も、未舗装部分をコンクリート道にするために工事をしていたわ。」

「ウソでしょ!それって逆じゃないの。あそこの車道は、金泉寺が完成したらコンクリートを剥がして土に戻すって言ってたんじゃなかった。私そういうふうに聞いていたけど」

「あらっ、みんな忘れたと思っていたら、あなたよく覚えていたわね。あのときと今じゃ事情が違うんじゃないの?あんな話を真に受ける方がどうかしてるんじゃないの。」


「ほら、これよ。去年の秋のなんだけど工事しているでしょう。


「あら本当だ」



「そしてこれができあがった道よ。立派でしょう」






「ありがたいわね。山岳信仰の山も今では車横付けね。」

「何ひと聞き悪いこと言っているのよ。一般車両はダメよ。」

「じゃどんな車ならいいの?」

「考えれば分かるじゃないの。この話題、深入りは止めましょう。」



「ところで、大きな杉の間から見えるのは何?」


「あれが新しくなった金泉寺じゃない。」

「手前の白いのは?」

「だから、それがコンクリート道じゃない。」

「ほーら。」


「えっ、こんな所まで…」

「何カマトトぶっているのよ、自分一人いい子になって。そんなこと言うのなら、山に登ること自体が自然破壊よ、自分のことは棚に上げて。硬い靴で、木の根を踏んづけて登っているのはあなたよ。ましてや金泉寺のすぐ下まで車で行ってるのもあなたじゃない。」

「 … 」 

「山も、山に登る人の心も昔のままなんだけど、山へのアプローチの仕方は時代とともに変わるのよ。多良岳なんかいい方なんだから。あなたはちょっとナーバスになっているだけよ。そんなのすぐに麻痺するわよ、おっとごめんね、すぐに慣れるって。」
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