天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

夏の音

2006-06-14 19:34:56 | 仏教
いつもお世話になっている「アーユス」の今年の夏のしおりに、
若住職 龍哉の法話を載せていただきました。

まだまだ若く勉強不足・経験不足ですが、
お声をかけて下さるからありがたい。

たくさんの方々に育てていただいていることを、
今回のご縁でまた実感。
皆さんに感謝です。

天真寺のご門徒さんにはお盆法要でお配りする予定です。


「夏の音」

ミーンミーンと鳴くセミの声
グェグェとカエルの大合唱
バーンと打ち上がる花火の音
暑い夏の日が思い浮かびます。

あるお盆の日、息子さんを亡くされた方がこんな話をして下さいました。
知能障害を持つ私の息子は、「七つの子」を聞くと涙を流して泣いていました。
「カラスなぜ啼くの カラスは山に かわいい七つの子があるからよ」
歌から子どもを心配するお母さんの愛情を感じていたのです。
とても心の優しい子どもだったのです、と。

僕らの世代はドリフターズ全盛期。
この歌を聞くと、「カラスの勝手でしょ~」と志村けんの顔が浮かんでくる。

カラスの鳴き声から何を感じるか。
耳では聞こえない、心でしか聞こえないものがあるのです。

いつでもどこでもこの私に呼びかけて下さる声がある。
「大きなつながりの中で大切ないのちを生きているのですよ」
そのつながりを再確認するのがお盆かもしれません。

今年の夏はどんな声が聞こえてきますか。

(西原龍哉)


(静)