闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

知人の講演でもりあがる

2009-07-19 10:51:34 | 雑記
昨日は、今度は知人が美大で開催されたさる学会で招待講演を行い、それに立ち会ってきた。
講演そのものはこれまで何度か打ち合わせをしていたので非常にスムーズにいった。また講演に合わせ、知人の作品も会場内に展示したが、その搬入や展示もうまくいったし、講演との相乗効果も抜群のようだった。
聴講者は実際に作品をつくっている若い人たちが多いように感じられたが、講演後の質疑応答も非常に活発だった。
会場からの質問のなかには横で聞いていてこちらがドキっとするような鋭いものもあった。
たとえば、若い頃知人に大きな影響を与えたある作品について、「同じ作家の別の作品をどのように評価するか。もし若いときに見たのがその作家の違う作品だったら、それでも影響を受けていたか」という質問があったが、これについて知人は「それは仮定のことなのでなんともこたえようがない。ただその時自分がみたのはある作品であって別の作品ではなかったということだ」と、するりとかわしていた。
また、「芸術活動のモチベーションとしての欲望をどう考えるか、またあなたの場合、それはどうなっているのか」というややきわどい質問にも、「自分の作品は必ずしもつくる対象への欲望に動かされてつくっているわけではなく、むしろこういう形にしたいといったフォルムへの関心が、そのつどそのつど作品へのモチベーションになっている」とこたえていた。
講演後は美大の学食で懇親会があり、講演もおもしろかったが、禅問答のような質疑応答は、あれはあれで本質をついていておもしろかったといった声を多く聞いた。みんな講演にも質疑応答にも非常に満足した様子で、懇親会ももりあがった。
私はというと、いつも知人の横にいてもしかたがないので、若いアーチストたちのグループにまじって、その芸術観や作品論をきいて、とてもおもしろかった。だいいち、何かを表現したいと意気込んでいる若者たちはとても美しい。
そうした若い人たちのなかに、美学を学んでいるT大の学生がいて、講演がとてもおもしろかったとこちらに話しかけてきたのだが、すかさず、共通の知人のことなどを話し、実は今さる本を訳しているのだが資料が足りなくて困っている、ぜひなにか協力して欲しいともちかけ、その場で協力の内諾を得た。これで前の記事に書いたT大での資料探しは少し道が開けてきた感じだ。
そのうち、懇親会はお開きになったので、近くの居酒屋に場所を変え、知人を含め10人ほどで飲み直した。すかさず先ほどのT大の学生にも声をかけ、飲み会に誘ったのはいうまでもない。
ただし念のため書き添えておくと、その学生はキュートな美人ではあるけれど、女性であることはたしかなので、私がいかなる性的下心も抱くことなしに、純粋に美術の話や翻訳の話をしたのはいうまでもない。