秋津のゲーム部屋

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【ネタバレ】DDON最終章【テキスト】

2019年01月27日 | ドラゴンズドグマオンライン
 ドラゴンズドグマオンライン最終章の書き起こしネタバレです。クエストを終わらせた方、ゲームやってないけどどうなったか知りたい方向けです。ご注意下さい。

*ポーンPT設定でやや主観が入っています
*太線はムービー中の文章そのままの部分です
*レオのセリフに一部短縮した所があります










 苦戦の末に長年の宿敵である黒騎士を滅ぼした覚者隊とポーン達だったが、休息する暇もなく次の次元の渦が元王都メルゴダ上空に出現したという知らせを受けた。今度の渦は今までよりもさらに巨大で禍々しく、レスタニアに生きる者すべてに最悪の事態を予感させた。覚者達が黒騎士らと必死の攻防をしている間にも、黒竜のレスタニアへの侵攻準備は着々と進んでいたのだ。

 今まで同様、黒竜はゲートを開く足がかりとして邪悪な波動を持った黒剣をメルゴダのあちこちに発生させた。それを手分けし協力し合いながら1つ1つ破壊していく覚者隊と白騎団。
 全部の黒剣を破壊した覚者隊の前に、また思いがけない人物が現れる。ミシアルだった。
ついに終わりのその時が―近づいてきました
 ミシアルは覚者隊に間もなく黒竜がゲートを開いてレスタニアに降り立とうとしている事を告げる。このままでは黒竜はレスタニアに降り立ち世界の破滅は免れないと言う。
 ただ1つそれを免れる術は、黒竜を倒す事―。





 黒竜がゲートを通過する前に倒すしかレスタニアを救う術はない。そう決意を固めて、最後の追っ手を退け黒竜に繋がるゲートに飛び込んだ覚者隊とポーン達を迎えたのは、黒騎士と行動を共にしていたはずのレオだった。
黒竜はこの先にいる。さあ行こうか
 レオは敵に回ったのではなかったのかと困惑する一同にレオは言う。
軽く言えば―昔に戻れるかと思ってな。まあ、本気で言ったわけじゃない
変わったな、昔のおまえは本気しかなかったぜ
最後なんでしょ? 本心を聞かせてよ
覚者が多いのは不自然―竜が大勢いるのも不自然―世界は変わるべきで、力は一番強い奴がまとめて持つべきだ
 それがレオが異世界を漂流中に考えて得た結論なのだという。レオは手にしていた禍々しい剣の切っ先を覚者に突きつけた。
さあ、やろうか

 水竜の竜力のせいなのか、レオは以前より遙かに力を増していた。
 一瞬たりとも気を抜けない戦いの中ではあったが、覚者はなぜかレオに初めて会った日の事を思い出していた。数多の戦いの中に身を置いて無我夢中で戦い抜いた日々の記憶が頭をかすめる。多くの新人覚者の一人に過ぎなかった自分が今こうしてレオと頂点を賭けた戦いをしている―その事は思いがけなく覚者の心に力を与えた。覚者はレオの一瞬の隙をついて、彼の剣を上空に跳ね上げた。


おまえが弱かったらどうしようかと思っていた
 剣を失い、膝をついたままのレオが思いがけない呟きを漏らした。
水竜の王からの伝言だ。“我が竜力を、黒竜を倒す覚者に託す”とな
てめぇ、最初からそのつもりだったな?!
 レオはもし覚者が黒竜を倒す力がなかった場合は自分がやると決めていたのだと言う。
俺もまた覚者であり、“覚者とは竜の敵と戦う者”だからな
 レオは自身の水竜の竜力を覚者に送った。これで白竜、精霊竜、火竜、水竜と、黒竜以外の4竜の力が覚者の中に備わった事になる。
この世界をおまえに託す
 レオは最後の力を振り絞るようにして黒竜へのゲートを開き、そう言い残して霧散して消え去った。
 消滅したレオを見送り、ゲートに進もうとした覚者をガルドリン、リズ、エリオットが呼び止めた。
おい、待てよ。まだ持っていけるものがあるだろう
今までありがとう、隊長。これからも一緒がいいから必ず帰ってきて!
隊長―これ返して下さいね。俺たち待ってますから
 3人から最後の白龍の竜力を受け取り、覚者は決意を新たにして黒竜の元へとゲートをくぐった。




 レオが開いたゲートの先は全てが滅びた虚無空間になっていた。おそらくここが黒竜の世界だった地なのだろう。突然現れた白竜の覚者とポーン達に驚くこともなく、黒竜は、ほう、と彼らを見下ろした。

「これは実に幸先がいい
竜に選ばれしひとりの覚者が力を継ぐことを理とすれば―今おまえがここにいることは理の破壊
いいぞ―理など、必ず! 必ず破壊してみせる」


 戦いを始めてすぐ、覚者は黒竜の自信が虚栄などではない事を身をもって知る事になった。
 黒竜は今まで出会ったどの竜よりも大きく、その力も強大だった。竜とその世界そのものを破壊してきた力を覚者に容赦なく振るってくる。
 勝てないかもしれない―覚者の一瞬の迷いを振り払ったのはメインポーン達の献身だった。彼らの必死の攻防に助けられ、死闘の果てに覚者は黒竜の巨体を叩き伏せた。



どうして、おまえに負ける?!
 黒竜は倒れながらも敗北を認めてはいなかった。
わたしはあの方と共に戦った―選ばれし者の果て! それを継ぎし者ぞ!
 覚者がその言葉の意味を問おうとした時、隣にミシアルが空間を割って現れた。黒竜はその姿を見てすべてを悟り溜息を漏らしたようだった。
理には勝てぬということか―戦徒ミシアルよ
 戦徒?!と目を見張った覚者をよそに、ミシアルは黒竜に静かに語りかけた。
あなたは白竜、次いで精霊竜、火竜、水竜と―この世界の竜を傷つけ、倒し、理の破壊を望みました。あなたが壊した竜が蘇ることはありません。けれど、その中でも覚者は生まれ世界をあなたの脅威から救ったのです
 黒竜は確かに強かった。どの竜も黒竜の力と画策の前に為す術なく倒れていった。だがどんな強大な力を振るっても、揺らぐ世界の中でも竜を助けお互いに力を合わせて生きようとした覚者や人々の心までは折れなかったのだ。




人も、竜も、覚者も、この世界を脅かすものに屈することはありません。竜と世界を守り続けた数多の覚者の力に―あなたは討たれたのです
 黒竜にそれに抗う言葉はなかった。断末魔の声を上げて黒竜の巨体は虚無空間の塵と消えていった。
 すべてが終わった静寂の中で、ミシアルは覚者に向き合った。
わたしは世界を統べる界王のポーン。すべての覚者に仕える者です
 ミシアルはこれからもそれぞれ自分達の力で理を紡ぎ続けるよう願いを託す。理の継続―それがこの世界の界王の望みなのだろう。力強く頷いた覚者に、ミシアルは微笑んだ。
ありがとう―あなたが覚者でよかった





 その日の神殿には、いつにもまして明るく澄んだレスタニアの陽光があふれていた。上座にいるはずの白竜の姿がなく日差しが多く入り込んでいるせいだ。白竜の姿がないという事態にも関わらず、神殿内には平穏で和やかな時間が流れていた。
 
 ジョゼフから任務を受け1人で旅立とうとしている隊長の後ろでは、覚者隊の3人が誰が隊長について行くかで揉めていたが、業を煮やしたようにジョゼフがその間に割って入った。
「お前たちは! 覚者の使命をなんだと思っておるのか」
「そんなの、決まっているだろう―」
 ジョゼフに問われて思わず考え込んだエリオットに、ガルドリンが促すような視線を送る。そう、答えは1つなのだ。
「覚者とは、竜の敵と戦う者!」 
 3人の声が揃った。そして3人は今度は迷わずに先へ行く隊長を追って走っていった。

 レーゼの参道で合流し、賑やかに語り合いながら歩く覚者隊の頭上を渡る風の中に優しい囁きが響いていた。
 それは確かに、ミシアルの声だった。

世界のあり方はひとつではありません
どの道を選ぶのか―それとも新たな道を探すのか
大いに時間をかけて選びなさい
未来へと歩む人々の、その先頭にいるのはあなたです









 レーゼ神殿上空の澄み切った青空に、翼を広げた白竜がゆったりと羽ばたいていた。白竜が神殿にいなかった理由がこれなのだ。
 合流し、平原を歩んでいた隊長、ガルドリン、リズ、エリオットの4人は完全に復活した白竜の神々しい姿を、それぞれ万感の思いを胸に抱いて見上げた。

 レスタニア歴326年。世界に厄災をもたらした黒竜と配下の者達は討たれ、動乱の日々は終わりを告げたのだった。
 覚者隊の頭上を飛ぶ時、白竜は彼らにその眼差しを向けた。覚者が竜の加護を忘れない限り、竜もまた覚者を見守り続けるのだろう。

 もう1人、レスタニアの大空を飛ぶ白竜の姿を見つめる人物がいた。
 レオだった。黒い鎧を脱ぎ捨て、以前と同じ白いマントに光の盾を手にしている。
 レオは青空を舞う白竜を見上げて微笑した。そしてまた厳しい眼差しで前を見つめ、いずこかへと歩き去った。


 人と竜が等しく生きる時代の訪れ―
 その時代を切り開いた英雄は竜や王ではなく
 仲間と共に戦い抜いたひとりの覚者であった





~END~



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19.12.8
端折りすぎてたんで(^^;加筆修正しました
長文読んで下さってありがとうございます!