青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

函嶺紅染

2018年12月01日 17時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(燃ゆる坂道@上大平台信号場~仙人台信号場)

趣味として四季を追っているせいか、それとも歳のせいか、最近はことのほか年月の過ぎ去る速さを感じている。雪景色だ、桜だ、新緑だ、入道雲だ、黄金の稲穂だ…なんてやっているうちに、今朝起きて壁にかかっているカレンダーを見たら、もう残すところは一枚だけ。師走と言う言葉に急かされるように外へ出てみれば、「まだ早いよ」と季節に言われたような暖かさで拍子抜け。函嶺洞門を横に見て大平台へ上がってみれば、初冬と言うよりはまだまだ晩秋の雰囲気。まだまだ色付き枝ぶりとも良好な大紅葉が半逆光に透けて、秋の煌めきを手土産に待ってくれていました。


箱根の山の上から徐々に降りてきた紅葉。強羅周辺は既に散ってしまったようですが、大平台から下、塔ノ沢~湯本にかけてはまだまだ見頃のようです。小さな箱庭のような温泉街に、人ひとりが通るのがいっぱいの小道が続く大平台。紫陽花の時期がつとに有名ですが、四季折々に色々な顔を見せてくれるのが良い。落葉した紅葉が埋める小道の向こうを、最新鋭のアレグラ号が行く。


同業者の姿もチラホラ見えた大平台界隈。お目当ては3000型アレグラ号の追加投入により、2020年度に引退が決まっているモハ1・モハ2。幾星霜の季節を走り続けて来た古豪たちが、箱根の四季を愛でる時間も徐々になくなりつつあります。大平台隧道の中から空気を震わせるような重厚な吊り掛けの電制音が聞こえると、金太郎の腹巻を巻いた108を先頭に、湯本行きが急勾配を降りて行きます。

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