青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

青空と 赤いトラスの 大鉄橋。

2022年05月05日 10時00分00秒 | 南海電鉄

(紀州の大河を見渡す@紀の川堤防)

紀の川の堤防。紀伊半島の中心部、大台ケ原にその源を発し、中央構造線の谷に沿って吉野・五條・橋本の市街を西に流れ、紀伊水道に注ぐ紀の川。和歌山県を代表する一級河川です。和歌山県全体を見ると、海岸線まで紀伊山地が迫り出し、極めて平地の乏しい地形をしていますが、この紀の川流域だけに僅かな平野部があって、その河口部に県都・和歌山市が広がっています。和歌山市駅前に到着して、すぐに鉄道の旅を始めても良かったんだけど、ちょっと天気が良くなってきましたんでね、先ずはカメラをシバキに行こうかなって思いまして。

遠くに見えるのは・・・日本製鉄の和歌山工場ですか。紀の川の河口部に、関西地区の製鉄所では最大級の設備を持つ巨大なプラント。従業員が3,000名近くいるらしい。今でこそ日本製鉄なんて言ってますけど、元々の名前である住友金属和歌山のほうが通りがいいですかね。NKK(日本鋼管)+川崎製鉄=JFEスチール、そして住友金属+新日鐵=新日鐵住金→日本製鉄ってのがおおまかな日本の製鉄産業の流れ。

和歌山市の駅から紀の川の堤防に出て、上流に向かって歩く事10分ちょっと。お目当ての南海電車の紀ノ川橋梁が見えて来ました。橋の上をなんば方面に向かって走って行くのは特急サザン、後ろに連結されているのは緑色にラッピングされた、いわゆる「HYDEサザン」ってヤツですね。「L’Arc〜en〜Ciel」とか言われると我々なんかはもろ世代なのですが、和歌山出身なのは知りませんでしたね。「和歌山市ふるさと観光大使」にも選ばれてるんだそうで。「ガラス玉」は名曲。

ここに来たのは、とりあえず誰かが「南海の紀ノ川橋梁は午前中の光線がいい」と言っていた記憶があるのを思い出したのと、そもそも撮影地があまり分からない場合はでっかい川にかかる橋に行けってトコないすか(笑)。それと、なんかの雑誌で見た南海紀ノ川橋梁ってなかなか迫力があって印象的だったんですよねえ・・・という事で暫くここで通過して行く南海電車を眺める事に。大河を渉る下路トラスの赤い大鉄橋、大小のレンガで丁寧に積み上げられた橋脚・・・これは橋好きとしては見たかったヤツ。テンション上がるわ。上り線は1903年(明治36年)、そして増設の下り線が1922年(大正11年)の架橋という事ですが、って事はこの下り線側は今年で架橋100周年って事なのね。

浮浪雲に邪魔をされながら紀ノ川橋梁を行き交う列車を撮影。この7100系のカットが、いかにも「THE NANKAI」という感じがして個人的にお気に入り。特急サザンに連結されるとこっち側は特別車になってしまうので、区間急行や普通列車が狙い目か。こっち側が前パンにならんのだけ惜しいのよ。

加太線に使用されている「めでたいでんしゃ」。これはブラックを基調にした「かしら」。何を持ってかしらなのかよく分からないが、加太浦に揚がる鯛を基調にしたデザインなので「尾頭付き」の「かしら」なのかもしれない。

加太線に投入されている「角ズーム」こと2230系。元々は高野線の輸送力増強のために開発された22000系。高度経済成長の時代の高野線を支えた功労者ですが、2両ユニットで編成を組んでいる小回りの良さを買われて汐見橋線や多奈川線、加太線などのローカル運用を担っています。雄大な風景の中を行くその姿、汐見橋の路地裏をのたくってる角ズームとはまた一味違う良さがありますね。

現在の特急車で最新の「サザンプレミアム」。青い海を基調としてカラーリングされた車両で、2011年デビューなんだそうで。南海本線の特急は、名鉄の特急のような「一部特別車」制度を用いていて、同一列車に特別料金不要な一般車と指定席車が混在する形になっています。南海なんば~和歌山市を約1時間ですから、ライバルの阪和線紀州路快速より若干速いですね。あと、サザンの方が停車駅が圧倒的に少ないので、そこのストレスは少ないかも。

小一時間堤防に立って、紀の川を渡る南海電車を堪能。
この日は天気は良かったんですけど、案外風が強くて寒かったっすね。


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