青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

アングルチャレンジャー

2020年07月17日 17時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(伐採地を行く@宮ノ下~仙人台信号場間)

今までは箱根の山の鬱蒼とした森に隠れ、駅間の撮影場所は限られていた箱根登山鉄道ですが、災害復旧工事のために、大きく伐採された場所から登山電車が見えるようになりました。場所で言うと仙人台信号場の宮ノ下側になりますでしょうか。もともとここには仙人台信号場へ行く作業用の道路があったのですが、大型の重機や資材を入れるため道路の拡幅が必要だったのでしょう。樹木の伐採、法面補強と新しい擁壁の作成が行われて、非常に見通しが良くなっています。試運転で湯本に下る108-9号。国道1号線を登るトラックとともに。

ズームリングを回して、寄りでもうワンショット。ユンボの置かれている奥がおそらく仙人台の信号場です。この撮影地は北側に開けた場所なので、光線で言えば午後向きでしょうか。ただ、登山電車の場合は「昼なお暗き」箱根の山道を登って行く電車なので、あんまり晴れてても木や山の陰で撮影しにくくなってしまう。登山電車を撮るのは曇りの日が一番いいと思いますね。

今回は撮影地のアングルとして消化できるかは置いといて、新しいポイントを開拓してみました。お次は大平台隧道の強羅側出口にある大沢橋梁付近。ここも台風の大雨によって土石流が発生し、大量の土砂が流れ込んだ場所です。崩れてしまった奥の斜面を補強するための鉄骨の足場が確認出来ます。だいぶ土砂は取り除かれて整地は進んでいるように見えますが、まだ復旧工事の途中と見えて、重機は置かれたままです。

崩落地の沢を下って行くベルニナB2編成。以前だったら木々の間にちらりと電車が見えるだけだった場所ですが、土石流で沢筋の木々がなぎ倒された結果、やはり見通しが良くなっています。理由が理由だけに手放しで褒められたもんじゃありませんが、未だ災害からの復旧工事中の現場と、復旧に向けての試運転のコラボレーションを一枚。大平台から仙人台の間は、大平台隧道を含め断続的な80パーミルの急勾配で、息を付く暇もない坂道が続いています。一応水平は固めて撮影しているんですが、真横から80パーミルを見るとこうなるのかって感じですねえ。一説によると、3両編成の登山電車が80パーミルの急勾配を走ると最前部と最後部に3mくらいの高低差が付くらしいが・・・

1000形電車の1両の長さ=14,660mm×3両=43,980mm(43.98m)
1000分の80の急勾配=80/1000=距離1mあたり高度は0.08m上昇
→0.08m×43.980m=3.5184m

ということで、80パーミルの急勾配を走ると、ベルニナでは計算上、最前部と最後部で約3.5mの高低差が付くことになる。3.5mの高さってーと普通の家の1階半くらいか。つくづく貫通路で全両繋がってなくて良かったなあと思うね。なんか物でも落したら大変なことになりそうだ(笑)。

 


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