映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

きばいやんせ! 私

2023年10月25日 | 映画(か行)

自分の仕事に誇りを持てるか

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情報番組のアナウンサーとして人気のあった児島貴子(夏帆)ですが、
不倫疑惑で番組を降ろされ、閑職に回されてしまいます。
そんなある時、彼女が幼少期を過ごしたことがある鹿児島の祭りに取材を命じられます。

久しぶりに戻った本土最南端の町、鹿児島南南大隅町。
そこでは江戸時代から続く由緒ある祭りが継承されているのですが、
最近は人手が足らず、簡略化し、人々の関心も薄れてさびれていくばかり。
貴子もいやいやながらの仕事で、力が入らず、
ぞんざいな取材を続けていたのです。

しかし、町を盛り上げるために必死な役場の職員や
それぞれの立場で懸命に働く町の人々を見るうちに、
貴子は仕事との向き合い方を本気で考え直していきます・・・。

本作は実在のお祭りを題材としているのですが、
お神輿を、いくつもの町を通過しながら遠くの神社まで運ぶのです。
かなりの重量のもので、途中険しい山道などもあり、困難を極めます。
若い衆を演じた仲野太賀さん、岡山天音さんのご苦労が忍ばれます・・・。
本当に大変そうで、手に汗を握り、こちらもつい力が入りました・・・。

自分の仕事とどのように向き合うのか、
ある程度仕事に慣れて来た頃には誰もがぶつかる壁なのかも知れません。
自分は本当にこの仕事が好きなのか? 
これが本当にやりたかったことなのか?

でも必ずしも、それを「好き」である必要もないのですね。
つまりは、この仕事を誇りを持ってできるかどうかなのではないか、ということ。

貴子のやる気のなさは、見ていてもハラハラするくらいですが、
町の人々は鷹揚でそんな彼女にも温かく接し、声をかけます。
そうした人々とのつながりが、元気の元になりますね。

きばいやんせ! 
時々こうして自分に活を入れてみることにしよう・・・。

 

「きばいやんせ! 私」

2018年/日本/116分

監督:武正晴

原作:足立紳

出演:夏帆、太賀、岡山天音、宇野祥平、鶴見辰吾、徳井優

お仕事ムービー度★★★★☆

満足度★★★.5



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