映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ルーキー

2010年08月03日 | クリント・イーストウッド
イーストウッドと組むルーキーの死亡率?

ルーキー(Blu-ray Disc)
クリント・イーストウッド,チャーリー・シーン
ワーナー・ホーム・ビデオ


             * * * * * * * *

えーと、この作品、ちょっと順番が狂いまして、本当は「ホワイトハンターブラックハート」と「許されざる者」の間に入ります。

クリント・イーストウッドはかなり荒っぽい捜査をするタフなベテラン刑事ニック、ということで、ダーティハリーの設定にとても近いですね。
うん、それで、冒頭で初っぱなから彼の相棒が捜査中に殉死。
相変わらず、彼と組む相棒の死亡率はとても高いなあ・・・。
そこで、次に彼と組む相棒が、ここで言うルーキーのデイビット・アッカーマン(チャーリー・シーン)なんだね。
そう、だから彼に与えられた命題は「死なないこと」と言ってもいいわけだ。
その通り。
ただし、この作品はやはり「ルーキー」なので、彼の内面を重視しているんだね。
デイビッドは上流家庭の出なんだけど、子供の頃、転落死した弟のことに責任を感じていて、
それが大きなトラウマになっているんです。
そのことがあって、父親ともしっくりこないし、大事なシーンで何か自信なさげなんだ。
2人は、大がかりな自動車窃盗団を追うのだけれど、大事なところでデイビッドのミスによって、ニックが一味にとらえられてしまう。
そこで彼自身も銃撃され、ひゃ~、やっぱり死んじゃうの??と思わせるのだけれど・・・
そこはまあ、それではストーリーが続かないので・・・。
デイビッドはしかし、そこからきっぱり気持ちが切り替わって立ち上がるわけです!
そうです、ロッキーのテーマを流したくなる感じ。
その後の彼の行動はもう、ニック顔負けの荒っぽさ。
おお、それでこそ一人前の彼の相棒!!
1人の青年の心の成長劇、ということで、なかなかいいですね。


上流家庭の品の良さが見え隠れするデイビッドがいい感じ。
本来なら、刑事なんぞになるような身分ではない、ということね。
父親への反抗もあって、こういう職業に就いたというようにも思える。
スーツを着込んだ彼にニックが言うんだよね。
「もっと身軽で動き安い、私服を着ろ」って。
しかし、「僕にはこれが、そうなんです」とデイビッド。
きゃー、ニクいねえ。そんなこと言ってみたい。


それからちょっとドギマギする大人のシーンがありましたねえ・・・。
ああ、あの一味のボスの愛人ね。
お色気むんむんでありながら武術の達人!
なんと、捕まって後ろ手に縛られたニックに色仕掛けで迫ってしまう。・・・これって、強姦?
しかもそのシーンをビデオ撮影しちゃうんだから。
すごい大人のシーンだ・・・、イーストウッドには珍しいな。


まあそのあたりも、後の方ではジョークでかわす。
だからいいんだよね。
この作品、車ばかりか飛行機まで炎上させちゃう。
相変わらず過激なイーストウッド刑事でした!

1990年/アメリカ/120分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、チャーリー・シーン、ラウル・ジュリア、ソニア・ブラガ、トム・スケリット



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