映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「精霊の守り人」上橋菜穂子

2020年08月28日 | 本(SF・ファンタジー)

女用心棒バルサが行く

 

 

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女ながら、腕のたつ用心棒である、バルサは、
新ヨゴ皇国の皇子チャグムの命をすくうだが、
このチャグム皇子は、ふしぎな運命を背負わされていた。
“精霊の守り人”となったチャグム皇子を追って、ふたつの影が動きはじめ
バルサの目にみえぬ追手から命がけでチャグムを守る…
野間児童文芸新人賞。産経児童出版文化賞。路傍の石文学賞受賞。

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アニメ化もTVドラマ化もされた本作。
著者にはすでになじみがありますし、私はこれまで見ていなかったので、
この際長く楽しめるはずと思い、読み始めました。

 

なるほど・・・、人気があるのもよくわかります。
いきなり登場するのが、女ながら凄腕の用心棒バルサ。
この、全然女っぽくない、サバサバとした物言いのバルサに
まずさっそく引きつけられて、ファンになってしまいます。
私、こういう女性大好き・・・♡

 

本巻では、彼女が新ヨゴ皇国の皇子チャグムの命を守り抜くというストーリー。
この舞台仕立てがなんとも不思議でステキです。
同じ場所に、私たちが生きる人の世「サグ」と、全く別の「ナユグ」という世界が
重なり合って存在しているというのです。
次元が違うとでもいうのか・・・。
別個の存在ながら、時として互いに影響し合う・・・。
普通の人間にナユグの世界を見ることはできないけれど、
特別な呪術師であれば、つかの間垣間見ることができる。

バルサはそんなナユグの世界からサグへ突如現れる怪物と闘うことになりますが・・・。
スペクタクルです!! 
ここはアニメでぜひ見たいところではある。

 

過保護に育てられたチャグムが、運命に翻弄され、
いきなり皇国を追われてしまうのがなんとも哀れだし、
でもたくましく変わっていくのもいいですね。

バルサと幼なじみのタンダとの関係性も、今後楽しみ。

満足いっぱいの、守り人シリーズ第一作でした!!

 

図書館蔵書にて

「精霊の守り人」上橋菜穂子 軽装版偕成社ポッシュ

満足度★★★★★

 



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