映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「Mystery Seller」 我孫子武丸他

2012年03月16日 | 本(ミステリ)
4分間しかないので、急いで

Mystery Seller (新潮文庫)
新潮社ミステリーセラー編集部
新潮社


               * * * * * * * * * *

「とっておきの謎、売ります。」と歌ったこの本。
先に出た「Story Seller」や「fantasy Seller」(実はこちらは、私は知らなかった)の
ミステリバージョンというわけです。
ミステリ好きなので、つい手が出てしまいました。


まず冒頭にあるのが
島田荘司「進々堂世界一周 戻り橋と悲願花」
私は少し前に読んだばかりで、大好きな作品です。
この作品がトップを飾っているなら間違いない!! と、一人で気を良くした次第。
ストーリーはこちらをご参照ください。
 →「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」


その次に来るのは、
有栖川有栖「四分間では短すぎる」
大学のミステリサークルに入ったばかりの頃のアリスと、
彼を取り巻くおなじみのメンバーが登場する作品。
アリスが公衆電話で話している男性の会話を耳にはさみます。

「4分間しかないので急いで。
靴も忘れずに。
・・・いや・・・Aから先です」

たったこれだけなのですが、いったいどういう意味の会話だったのか、
アリスは気になって仕方がありません。
そこで、江神先輩の部屋に集まった一同で、
その会話の意味を推理しようということになる。
一応ミステリサークルでありますので、あくまでも論理的推理に基づかなくてはなりません。
まさにミステリ好きのための作品。
彼らの推理をお楽しみください。


他に
我孫子武丸「夏に消えた少女」
米澤穂信「柘榴」・・・と、お気に入り作家が続くのが実に嬉しい。
そして
竹本健治「恐い映像」
北川歩実「確かなつながり」
長江俊和「杜の囚人」
麻耶雄嵩「失くした御守」

映像作家である長江俊和さんの作品は、
なるほど・・・と思わせる異色作でした。


「Mystery Seller」我孫子武丸他 新潮文庫
満足度★★★☆☆


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