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「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎

2017年11月01日 | 本(その他)
ラブストーリーを絡めた連作短編

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
伊坂 幸太郎
幻冬舎


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妻に出て行かれたサラリーマン、
声しか知らない相手に恋する美容師、
元いじめっ子と再会してしまったOL…。
人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。
でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。
情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。
明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。


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伊坂幸太郎作品には珍しく、ラブストーリーを絡めた連作短編集。
登場人物が主役を交代しながらの連作。
伊坂幸太郎さんのこの形式は、大好きです。
全体にボクシングが軸になっていて、
ストーリーの所々に日本初のヘビー級チャンピオン、
ウィンストン小野のことがチラチラと出てきたりします。
そしてラストの「ナハトムジーク」で、彼自身のストーリーが始まる、
という構成がなかなか見事。
中でも電話でしか話したことのない2人のラブストーリー「ライトヘビー」が良いです!!
ラストとのつながりも良し。


あとがきで、著者自身が言っていますがこの本には
「泥棒や強盗、殺し屋や超能力、恐ろしい犯人、特徴的な人物や奇妙な設定」
が出てきません。
それでもやっぱり間違いなく伊坂幸太郎だなあ・・・
と思えるのが凄いと言えば凄いですね。
これまで伊坂幸太郎を読んだことがない方でも馴染みやすいと思います。


「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎 幻冬舎文庫
満足度★★★★☆


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