映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

星屑の町

2020年10月29日 | 映画(は行)

おかしくて、ほろ苦い

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地方回りの売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の悲哀を描く
舞台「星屑の町」シリーズの映画化です。
私、この舞台を一度見たことがありまして、
とても面白かったので、映画もぜひ見ようと思った次第。

「ハローナイツ」は、大手レコード会社の元会社員・山田修(小宮孝泰)をリーダーに、
歌好きの飲み仲間や売れない歌手が集まって結成されました。
しかし、ろくなヒット曲もなく十数年・・・。
今はベテラン歌手・キティ岩城(戸田恵子)と、地方を回りながら、
細々と活動を続けているのです。

さて本作で、彼らは修の故郷・東北の田舎町での巡業にやって来ます。
修は地元で農家を継いだ弟(菅原大吉)と、何かわだかまりがありそう。

そして、この町で母が営むスナックを手伝いながら歌手になることを夢見ている愛(のん)が、
ハローナイツに入りたいと言い出すのです。

東北の町でなまり丸出しの女の子(のん)が歌手を目指す・・・。
むちゃくちゃ「あまちゃん」を意識した感じがしますが、
まあ、とくに深いつながりがあるワケではありません。
彼女をメンバーに加えるべきやいなや・・・、
ごちゃごちゃと相談するメンバーたちの言い分が面白い。

しかし、おじさんたちと若い女の子のグループというのは、
かなり昔の「ピンキーとキラーズ」くらいしか思い当たりません。
意外とこれ今、いいのではないかと本作を見ながら思いました。
ただし、ムード歌謡ではなくてもう少し今風の何か・・・。
おじさんたちはダンスについて行けなさそうですけど。

このシリーズ全体に流れる、おかしいけれどもちょっとほろ苦い、いい話。
嫌いな人はいないのでは?

 

<Amazonプライムビデオにて>

「星屑の町」

2020年/日本/102分

監督:杉山泰一

原作・脚本:水谷龍二

出演:大平サブロー、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、有薗芳記、のん、菅原大吉、戸田恵子

 

満足度★★★★☆



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