平等な教育の大切さ
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実話を基にした作品です。
2001年、アフリカ最貧国の一つマラウイ。
14歳ウィリアムの住む村は、もとより電気など通じていません。
夜の明かりは灯油を灯すのですが、最近は灯油を買うお金がありません。
そして学校に学費を納めることもできず、退学になってしまいます。
ただでさえそのような暮らしなのに、この年、大干ばつとなります。
わずかに蓄えた食料も盗まれてしまい、いよいよ生命の危機になってきます。
ウィリアムは頭のいい少年で、ちょっとした工夫でものを作ったりするのが好きなのでした。
学校の教師が使っていた自転車のダイナモをみて、思います。
大きな風車で発電ができたら、
ポンプで水をくみ上げて乾期でも作物が育つのではないか?
学校でそのような仕組みを勉強したくても退学となっています。
図書館も本当は利用できないのですが、
司書の先生の計らいで密かに本を読むことができました。
本により自力で学ぶウィリアム。
しかし実行に移そうとしても、父親の理解がなかなか得られず・・・。
学ぶこと、教育の大切さがひしひしと感じられるストーリーです。
特に、今問題となっている教育の格差。
お金がなければまともな教育を受けることができない・・・
というのは、実は社会の損失である、ということに私たちは気づくべきでしょう。
発展途上にある国々にまず必要なのは、最低限の衣食住ではありますが
それはその場しのぎのこと。
国を根本的に作って行くためには、貧富に関わらない平等な教育が必要ですね。
そして、意欲と能力に応じた学びの場。
日本ではもっとしっかりした奨学金の制度。
自ら学びとり、それを工夫して実現させるバイタリティ、実に魅力的な作品です。
本作の映画化を望んでいた俳優キウェテル・イジョフォーが監督も務めています。
マラウイはアフリカ南東部の内陸国。
2001年当時では電気が使えるのは国民の2%程度。
けれど、内乱が起こっていない、アフリカででは珍しい国の一つだそうです。
<J:COMオンデマンドにて>
「風をつかまえた少年」
2018年/イギリス・マラウイ/113分
監督:キウェテル・イジョフォー
出演:マックスウェル・シンバ、キウェテル・イジョフォー、アイサ・マイガ、リリー・バンダ
学ぶ意欲度★★★★★
創意工夫度★★★★★
満足度★★★★★
それにしても、独学でこんな事を成し遂げてしまうのには驚きました。
この熱意と努力には、頭が下がります。
教育はこのように子どもたちの未来を切り開き、やがて国の未来にもつながるのですね。
私にも、大好きな作品となりました。