映画と本の『たんぽぽ館』

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死の谷間

2019年02月24日 | 映画(さ行)

人類滅亡の果てにもなおある、男と女の業

* * * * * * * * * *


核戦争で放射能汚染され、破滅した世界。
汚染を免れた小さな谷あいの村で、
アン(マーゴット・ロビー)はただ一人、愛犬を共として暮らしていました。

そんなところへ、宇宙服のような防護服を着たジョン(キウェテル・イジョフォー)がやってきます。
人恋しい二人は穏やかな共同生活を始めます。

そしてそこにまた一人の訪問者・ケイレブ(クリス・パイン)が現れます。
若い女性と男が二人。
3人には微妙な緊張関係が生じ始めますが・・・。

近未来SFという舞台立てながら、実の所はラブサスペンスですね。
ジョンは、二人で暮らし始め、アンに愛情を覚えながらも、
まだそんなに焦ることはないと思っていました。
時間はいくらでもある。
しかし、ケイレブが現れたことで、事態は一変します。
アンとケイレブがにこやかに話しながら散歩をしているのを見ただけでも湧き上がる嫉妬心。
彼は嫉妬という感情を覚えるに至って、
ようやくアンへの感情が燃え上がり始めるのです。
しかし、白人でイケメンのケイレブ相手ではどうにも自分に分が悪いとも思う。
それにもかかわらず、アンに対しては
「自分のことは気にしないで、ケイレブと仲良くすればいい」
などといいます。
・・・抑圧しすぎていて、この人ちょっと怖い、とも思う。
しかしその予感は確かで・・・。



肝心なシーンは映さないながらも、
確信を持って想像がついてしまうそのラストは、まさに怖いですね。
そして、それを勘付きながらも、淡々と受け入れるアンも・・・。

人類滅亡の果てでありながらも、男と女のサスペンスはこんなふうに繰り広げられるのか・・・。
人間の業ですな・・・。

死の谷間 ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]
マーゴット・ロビー,キウェテル・イジョフォー,クリス・パイン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「死の谷間」
2015年/アイスランド・スイス・アメリカ/98分
監督:クレイグ・ゾベル
出演:マーゴット・ロビー、キウェテル・イジョフォー、クリス・パイン

男と女のサスペンス度★★★★☆
満足度★★.5



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