映画と本の『たんぽぽ館』

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バーナデッド ママは行方不明

2024年06月28日 | 映画(は行)

自分探しに南極へ?

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シアトルに暮らす専業主婦、バーナデッド(ケイト・ブランシェット)。
一流企業に勤める夫と親友のような関係の娘がいて、一応幸せな毎日。

ところが、バーナデッドは極度の人間嫌いで、
隣人やママ友とうまく付き合うことができないのです。
かつて天才建築家として活躍しながら、ある出来事から、仕事を辞めてしまっていました。
どうもそのことが彼女を苦しめているようなのです。

買い物、家事、スケジュール管理などは、メールで依頼するバーチャル秘書に任せきり。
このことがやがて大きな悲劇に発展。
そして、隣人との不和がついに大きなトラブルに・・・。

そんなことですっかり煮詰まってしまったバーナデッドは、
家族の前から姿を消し、南極へ・・・。

実は、家族そろっての南極旅行は娘の希望だったのです。
バーナデッドは承諾はしたものの、船旅中の客同士の付き合いなどが憂鬱だし、
船酔いも考えただけでウンザリ。
なんとか理由を付けて自分は行かないことにしようと考えていました。

ところがいくつかの事件ですっかり落ち込んだバーナデッドは、
せめて南極旅行だけは成し遂げようと、夫と娘に合流するつもりで南極行きを決行。
でも、夫と娘は旅行を取りやめていたのです。
しかしバーナデッドが南極へ行ったことを知って、その後を追います。

でもこの南極への単独行が、バーナデッドにとっては、自分を見つめ直すことに繋がった。
自分が本当に好きでやりたかったこと・・・。
それから目を背けた結果、すべての歯車が狂っていた・・・。

自分からは逃れられない。
自分の本当の気持ちに向き合って、前を向いて歩けば良い・・・。

家族と自分を見つめ直していく、ステキな物語です。

<WOWOW視聴にて>

「バーナデッド ママは行方不明」

2019年/アメリカ/108分

監督:リチャード・リンクレイター

原作:マリア・センプル

出演:ケイト・ブランシェット、ビリー・クラダップ、エマ・ネルソン、
   クリステン・ウィグ、ローレンス・フィッシュバーン

自分迷走度★★★★☆

家族愛度★★★★☆

満足度★★★★☆