志の高いドロボウ・・・
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1961年に実際に起こったゴヤの名画盗難事件をもとにしています。
おまけにその知られざる秘話も・・・。
1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれました。
犯人はタクシー運転手、ケンプトン・バントン60歳。
妻と息子との年金暮らし。
ケンプトンは、テレビで孤独を紛らわしている高齢者たちの生活を少しでも楽にしようと、
盗んだ絵画の身代金で、公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようとしたのです。
が、事件にはもう一つの真相が・・・。
NHKの受信料を巡る攻防戦を知る私たちにとっても、切実な問題でありましょう。
公共放送(BBC)の受信料とは!
ケンプトンはかねてからこの受信料問題を考えていたのです。
せめて高齢者は無料で見ることができないものか、と。
そうした思惑が根底となっているために、単なる絵画の窃盗とは違って、
人々の賛同や同情を集めたわけですね。
しかも最終的には本人が絵画を美術館に持参して返したという・・・。
この裁判の結末も、あっぱれというか、なかなか感動的ではあります。
こんなことがあったためかどうか、後にBBCの受信料について、
高齢者は免除されるようになったのだとか。
え~っ。
NHKもそうしてほしい・・・。
<Amazon prime videoにて>
「ゴヤの名画と優しい泥棒」
2020年/イギリス/95分
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、マシュー・グード
歴史発掘度★★★★☆
満足度★★★★☆