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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブラック・クランズマン

2019年04月04日 | 映画(は行)

強烈なメッセージ性

* * * * * * * * * *


黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に
潜入捜査をしたという実話に基づいています。



1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署に
初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デビッド・ワシントン)。
新聞広告のKKKメンバー募集に勢いで電話をし、
口からでまかせに黒人への差別発言をして、入団面接にこぎつけます。
もちろん本人が出向くことはできないので、
同僚の白人刑事フリップ(アダム・ドライバー)が現場へ。
ロンとフリップは二人で一人の人物になりすまし、やがてKKKの過激な動きを探り出しますが・・・。

コミカルではありますが、ラストには実にシニカルな実録映像などもあり、
キョーレツなメッセージ性を持った作品になっています。
本作中、フリップはユダヤ人というところがまた、ハラハラ感を生み出しています。
KKKは白人と同じくユダヤ人も敵視しているので、
黒人でないことは見てわかりますが、何度も「ユダヤ人ではないのだな?」と念を押され、
嘘発見器にまでかけられそうに。
そんな危機を脱する助けをするのがロンで、いい感じのバディ・ムービーでもあるわけです。



フリップ自身、これまで自分がユダヤ人ということをほとんど意識したことがなかったけれど、
この潜入捜査によって、逆にユダヤ人の文化を意識するようになった、
というシーンがあって、グッと来ます。
一体何なのでしょうね、白人至上主義のその意味不明の自信はどこからくるものなのだろう・・・?

はじめて黒人刑事を受け入れたという時代性を考えると、
ここの警察署の職員の対応は少し出来過ぎのような気もしました。
一人、あからさまな差別主義者がいただけで・・・。
まあ、そうでなくては話は進まないか。
エンタメでありながら、強いメッセージ性を持つ、楽しめる作品。

ジョン・デビッド・ワシントンはデンゼル・ワシントンの息子さんだそうです。

<ディノスシネマズにて>
「ブラック・クランズマン」
2018年/アメリカ/135分
監督:スパイク・リー
出演:ジョン・デビッド・ワシントン、アダム・ドライバー、トファー・グレイス、ヤスペル・ベーコネン
メッセージ性★★★★★
満足度★★★★☆