恐怖のメロディ 【ザ・ベスト・ライブラリー1500円:2009第1弾】 [DVD]ジェネオン・ユニバーサルこのアイテムの詳細を見る |
私にミスティを聞かせて・・・
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これはクリント・イーストウッド、初監督作品ですね。
はい、まあ、そのお祝い(?)の意味か、ドン・シーゲル監督がバーテンダー役で友情出演してるんですよ。
あ、そうなの、ちっとも知らなかった。
ここではクリント・イーストウッドは、ラジオの人気DJ、デイブ。
やっと、銃と縁が切れたんだね。
しっとりと、詩を読んだりしながら、リクエスト曲をかける。まあ、ガンファイトには絶対ならないよね。
いつも、同じ女性がリクエストの電話をかけてくるんだよね。
「“ミスティ”をかけて」、と。
そう、それでこの作品の原題が"PLAY MISTY FOR ME"なんだけど、原題の方がおしゃれだよね。
そうだね。けど直訳だと、邦題としてすわりが悪いということか・・・。
今なら、そのままカタカナにしちゃうだろうね。
さて、話をもどして、ある夜、バーで知り合った女が、そのいつもの電話の女性であるイブリン。
デイブは、心に決めた恋人トビーがいるにもかかわらず、イブリンと関係を持ってしまうんだね。
さて、そこまでは良くある単なるプレイボーイの浮気話。問題はここから。
イブリンが異常になれなれしく付きまとってくるんだね。
愛だの、恋だのじゃない。一夜限りの関係と割り切っていたはずなのに。
つまりこれってストーカー?
そうだね、でもこれは1971年の作品で、その頃まだ「ストーカー」という言葉はなかったね。
言葉はなくても、そういう人はいるわけだ。
別れ話を持ち出せば自殺を図る。
突然切れて、暴れる。
だんだんそういう狂的な部分が見えてくるんですよ。
恋人とは別れたくないし、・・・次第に追い詰められていくデイブ。
心理的に、ちょっぴり怖いストーリーでした。
でもさ、もとはといえば、恋人がいながら浮気したデイブが良くないんだよね。
その通りです。男性諸氏は肝に銘じるように。
“ミスティ”という曲の名前は何度もでてくるのだけれど、映画中ではずっとその曲は流れないよね。
そうそう、一体どんな曲だっけ???と思わせる。
それが、最後の最後にかかるんだよね。ここの演出がなかなかしゃれていました。
で、結局、この初監督作品ってどうなの?
う~ん、そう手放しにいいとは言いがたいかなあ。
これまでの豪快なガンマンが、1人の女に振り回される役・・・というのは、いいんだけどなんか違和感あるし。
本人がイメージ変えたいという気持ちもあったんだろうねえ。
途中、デイブとトビーの不必要に長いラブシーンがあったりして、あまりテンポも良くない。
まあ、やっぱり初監督作品なんでしょう。
ほんの出発点、ということか。
1971年/アメリカ/103分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ドン・シーゲル、ジョン・ラーチ、ジェシカ・ウォルター
恐怖のメロディ (1971)予告編 PLAY MISTY FOR ME Movie Trailer