原題:『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』
監督:篠原哲雄
脚本:持地佑季子
撮影:上野彰吾
出演:黒島結菜/小瀧望/高杉真宙/川栄李奈/谷村美月/鈴木砂羽/白石美帆/森崎博之
2018年/日本
少女マンガのお決まりの設定に反抗する主人公について
両親が離婚し、一緒に暮らしていた母親の三浦真智の再婚相手と反りが合わず、学校でも浮いていたために父親の住友泰弘が住んでいる札幌へ引っ越してきた主人公の高校生の住友糸真が新しい高校に初めて登校してきた日は2016年の12月5日という中途半端な日だった。
そこで出会ったのは舘林弦という大柄なクラスメイトと桜井和央という優男のクラスメイトだった。糸真は当初は家の近所に住んでいる和央に惹かれていたはずなのだが、父親が和央の母親の桜井由香里と再婚することになり、糸真と和央は姉弟の関係になり、どうもそこから糸真の関心は和央から弦に変わったようなのだ。しかし別に親同士が結婚したからといって糸真と和央が付き合ってはいけないということはないし、むしろ「設定」としては興奮するはずだからここの糸真の心情がいまいち理解し難い。
学校の廊下で友人の国重晴歌を追いかける糸真の滑走シーンなど見どころはあるが、どうも舘林弦を演じた小瀧望の演技がぎこちなく見える。いずれにしても本作は主人公の住友糸真を演じた黒島結菜の「アイドル映画」である。