原題:『去年の冬、きみと別れ』
監督:瀧本智行
脚本:大石哲也
撮影:河津太郎
出演:岩田剛典/山本美月/斎藤工/浅見れいな/土村芳/北村一輝
2018年/日本
「盲目」という暗示について
なかなかネタバレなしで語ることが難しい作品であるのだが、交際していた彼女が交通事故に遭い、その時には軽傷で済んだものの、彼女のことが心配になってまるでストーカーのように付きまとうようになり、そのしつこさにうんざりした彼女にフラれてしまったあたりの主人公の耶雲恭介の本性が徐々に明らかになっていく描写が秀逸だと思う。
さらに世界的フォトグラファーの木原坂雄大と対決する主人公の耶雲恭介がルポライターで、昨今の「インスタ映え」などの圧倒的に優位な「視覚」に対してペン一本で挑む構図の作り方や、そのアイロニーに満ちたオチも鮮やかである。