(2018年3月31日付毎日新聞)
麻生財務相「TPPより森友か」 連日報道に不満示す
麻生氏、新聞に不満「森友の方がTPPより重大と考えている」
麻生氏「新聞には1行も…」は事実? TPP11署名
森友とTPP比較、麻生氏「謝罪したい」 発言を釈明
森友巡る麻生氏の発言「弁解の余地ない」 自民・鴨下氏
「防衛省も困るかも」と麻生氏 イラク日報問題で
まずは3月29日の参院財政金融委員会において国民の声・藤末健三参議院議員の質問に対する麻生財務相の発言を引用してみる。
「おっしゃる通りに、この日韓関係の話に関連していくんだと思いますが、今、TPP11というのは、これは、日本の指導力で、間違いなく、締結された。この間、茂木大臣、0泊4日でペルー往復しておりましたけど、日本の新聞には1行も載っていなかったですもんね。まあ、本人としては、はなはだ憤懣(ふんまん)やるかたなかったろうと思いますけれども、まあ、日本の新聞のレベルというはこんなもんだなと思って、経済部のやつにボロカス言った記憶がありますけれども。みんな森友の方がTPP11より重大だと考えているのが、日本の新聞のレベル。政治部ならともかく、経済部までこれかとおちょくり倒した記憶がありますけれども。これはものすごく、私、大きかった条約締結の一つだと思っておりますが、少なくとも、これがまとまるとわかって以降、少なくとも習近平という人の口から春節、春のお盆じゃなかった、春のお祭り。あの日以来、春の春節って言うんですかね。あれ以来、習近平の口から一帯一路という言葉が出たことはないんじゃないですかね。聞いた人、いないと思いますよ。あれ以来、一回も出ていませんから。かなりTPP11というのは、大きかったのかなと思わないでもないですけど。いずれにしても、出ていないという現状。一帯一路どころか、今、あちこち、そんなところじゃなくなってきているのかなと思わないでもありませんけれども、いろんな話で、私どもとしては、こういった状況の変化に応じて、外交的、経済的にもいろんな対応を柔軟な目で見ていかなければいかんと思っております。」
翌日、麻生は「森友に関し、公文書を書き換える話は誠にゆゆしきことで遺憾の極み。軽んじているつもりは全くない。そういう印象を与えたのであれば訂正する」とし、「森友と比較したのがけしからんという点については、謝罪させて頂きたい」と述べたのではあるが、ここで問題となるのは、事実の真偽以前に麻生太郎が普段からなるべく新聞を読まないようにしているという自身の告白の方である。読んでもいないのに新聞の内容について文句を言っているのである。天才なのかバカなのかはいまさら言うまでもない。
麻生は自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題について「10年以上前。小泉(純一郎)内閣のころだったか、確か。10年以上前の話でどうだったかと言われると、防衛省も困るのかもしれない」と述べているのであるが、いつ、どこで、何が起こったのか確かめるために日報というものは作成される。だから去年だろうが、10年前だろうがその重要性が色あせることはないはずで、日報の存在意義が麻生には全くわかっていないのである。