MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『東京上空いらっしゃいませ』

2016-07-18 00:32:35 | goo映画レビュー

原題:『東京上空いらっしゃいませ』
監督:相米慎二
脚本:榎祐平
撮影:稲垣涌三
出演:牧瀬里穂/中井貴一/笑福亭鶴瓶/毬谷友子/出門英/藤村俊二/谷啓/三浦友和
1990年/日本

ファンタジーと長回しという撮影方法の相性について

 交通事故で亡くなった主人公の神谷ユウが幽霊としてこの世に戻ってくるファンタジーであるが相米慎二監督が得意とする長回しの撮影方法とファンタジーという物語の性格が合っているように思えない。当時新人の牧瀬里穂は健闘しているが、笑福亭鶴瓶は標準語を話しているせいなのか演技がぎこちなく、全体的に画面も暗い感じで、天国の造形も粗雑でファンタジーとしての大切な要素がことごとく失われており、ラストは『時をかける少女』(大林宣彦監督 1983年)のラストを意識したものであろうが、活きてこないのである。
 雨宮文夫が神谷ユウを連れて車に乗るシーンがあるのだが、2人ともシートベルトをしていない。撮影当時のシートベルトに対する認識の甘さが分かる。


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