MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『園田という種目』

2016-07-19 00:51:22 | goo映画レビュー

原題:『園田という種目』
監督:太田真博
脚本:太田真博
撮影:太田真博
出演:松下倖子/社城貴司/白石直也/安部康二郎/野々山椿/溝口明日美/ヒザイミズキ/辰寿広美
2015年/日本
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016

園田という「ゲーム」について

 まるで『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督 2012年)をなぞるかのように、園田本人は出てこない。3部構成の本作の1部では「園田を元気づけてやろう的な」会が催されているのだが、じゃんけんに負けた都築陽太が買い物をして帰ってくると園田は帰ってしまっており、残った6人の仲間たちが園田を巡って喧々諤々となる。
 2部では園田のバイト先のコールセンターの休憩室で園田フィーバーが巻き起こっている。決して姿は見せない園田を巡ってここでも女性たちが喧々諤々となっているのであるが、3部になり園田が女性の私文書情報を盗んだという容疑で逮捕されていたということをネットで知ると、一気に休憩室の園田フィーバーは沈静してしまうのであるが、もちろん「園田を元気づけてやろう的な」会に参加していたメンバーは全て知った上で喧々諤々していたのだから沈静することはない。
 ここで注目するべきは陽太が言い出した「園田三段」という、園田に対する想いに将棋や囲碁などの段級位制を採用しているところにある。もちろん善し悪しの波はあるものの、園田に対する付き合いを長期的な「ゲーム」として辛抱強く「攻めて」いくことが、一時的なフィーバーでは終わらない仲間の証明となるのである。本作の英題「Sonoda」は果たして「Sudoku」のような世界的なものになるだろうか?


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