原題:『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』
監督:耶雲哉治
脚本:大石哲也
撮影:百束尚浩
出演:藤ヶ谷太輔/窪田正孝/飯豊まりえ/山崎紘菜/稲葉友/福原遥/前田公輝/足立梨花
2016年/日本
浜辺で作る豪華過ぎる砂の城について
桐島牧生は「世の中には3つのタイプの人間がいる。強い人間と弱い人間と弱いのに粋がっている人間と」と語り、樫野零は本当は強い人間のはずなのに、麻生キラのような女と付き合うからダメになっていくと嘆き、自分と同じ資質を持つ零にキラと別れるように迫るのであるが、牧生は自分自身が「弱いのに粋がっている人間」であることに最後まで気がつかない。
しかしそもそも樫野零の「強さ」というものが喧嘩に明け暮れるシーンのみで具体的によく分からないので、これは零と交際しているキラに対して嫉妬する同性愛者の牧生が勝手に2人の間に割り込んでくるだけの話にしか見えないのである。J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいる牧生は、さながらジョン・レノンを殺したマーク・チャップマン気取りなのであろうが、キラが殺されそうになっても警察に通報しないことに違和感が残る。テレビドラマ版を観ていないと詳細が分からないのかもしれないが。
それにしてもジャニーズ事務所所属の藤ヶ谷太輔がベッドシーンを演じていることに驚いた。ジャニーズ事務所所属のタレントは基本的にラブシーンさえNGであるはずだからなのだが、製作にジャニーズ事務所が関わっていないからОKになったのだろう。