朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

「ケベク」実在した人物たち ウンゴ

2012年10月05日 | 階伯(ケベク)

「ケベク」実在した人物たちシリーズの(おそらく)最終回。

ドラマ「ケベク」のキャストの中で、史実上実在した人物かどうかを判断する簡単な方法は、Wikipediaの該当のページを見ればとてもわかりやすい。名前に括弧書きで漢字名が付してある場合は、(基本的に)歴史書に記述があるということなのである。

しかし、ウンゴ(恩古)に関してだけは、どの史料を参照しているのかずっと不明だった。
「三国史記」百済本紀には王妃の名前まで記載されていないし(だから善花のような謎が出てくる)、「三国遺事」には百済に関する記述がとても少ないのだ。

ここへきてようやく判明したのだが、なんとその名は「日本書記」に記されていたのであった。

斉明天皇6年(660)10月条の記事中に、百済の滅亡時の記録がある。

百済の王(こきし)義慈、其の妻(め)恩古(おんこ)、其の子隆(りう)等、其の臣(まつへきみ)佐平千福・国弁成・孫登等、凡(すべ)て五十余(いそたりあまり)、秋七月十三日に、蘇将軍の為に捉(かす)ゐられて、唐国(もろこしのくに)に送去(おく)らる。

しかし、ウィジャとウンゴの子が隆とは・・・
ますますわけがわからないではないか。