朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

「くだら」か「ペクチェ」かという話

2011年06月16日 | Weblog

参議院議員の「義家弘介」氏といえば、一般には(元?)ヤンキー先生としてなじみのある人物だが、その義家氏が先日の国会でこんな質問をしていたらしい。

「チャンチェシー」は誰? - 塚田一郎の「第一義」 - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース

義家氏は教科書問題に関して、「チャンチェーシー、ユワンシーカイと言われて誰のことか分かりますか?」と質問し、「新しい教科書の中には蒋介石(しょう かいせき)をチャンチェーシー、袁世凱(えんせいがい)をユワンシーカイと表記しているものがある。このような教科書の記述はどこを向いた誰のための教育なのか?」と問いただしました。

個人的にチャンチェーシーと言われただけではまったく見当もつかない。
おそらくは、外国の人名や地名をできるだけ現地の発声に近いものとして表記していこうという趣旨なのだと思うが、そこでまっさきに思い出されるのが「百済=ペクチェ」である。

すでに歴史の教科書ではあたり前のように百済を「ペクチェ」と表記するようになっている(らしい?)ということなのだが、個人的にはどうにもスッキリしない。

現地でどう発音しようが、一千年以上にもわたって日本国内では百済を「くだら」と呼んできた歴史的経緯があるのであって、それを突然ころっと変えてしまうというのはいかがなものだろう。
だいたい百済をペクチェと読むのは現在の朝鮮語の発音なのであって、1300年以上前の時代においてまったく同じように発声していたという保証はない。(ペクジェだとかパクチェだったかもしれないではないか)

百歩譲って国名の「百済」をペクチェと呼ぶことにしたとして、今後、百済観音や百済寺はどう呼ぶのか。日本国内には百済がつく地名もあることだし。
・・・とまあ、大いに疑問が残るわけだが、ここまでが一般的な話。

このブログでの表記については少し考え方が異なる。
右側のプロフィール欄に「このブログは基本的に「朱蒙」、「風の国」、「善徳女王」など韓国歴史ドラマを見たことのある人を念頭において書いています」と書いているとおりなので、基本的にはドラマ内で使われている地名・人名をカタカナで表記するようにしている。

だから金春秋(きんしゅんじゅう)はキムチュンチュとするし、百済は普通にペクチェと書くこともある。
あくまでもドラマありき、という前提なので。