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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

雨後の龍山村を往く

2015-11-15 20:33:23 | 旅行・散策
 ついさっきまで雨だった。
 かつては銅山採鉱で繁栄していた天竜区龍山町を歩く。
 つり橋の「峰の澤橋」を揺れながら渡ってみる。

      
 天竜川は周囲の秋の山々を映し出す湖面となっていた。
 案内は森林コーディネーターの新人4期生でこの辺の出身者がすべてを行う。
 川向かいの国道は紅葉詣でで車の往来が頻繁だったが、反対側のここの裏街道は車があまり通らない。

                         
 道路の利用者は旧「峰の澤銅山」周辺に住む一部住民だけだという。
 ハンターに出会った。
 シカを追って川までシカを追い詰めたそうだが、逃げられたという。
 ときには熊も出没することもあるという。

     
 この時期で目立つ赤い実は、「ガマズミ」をはじめ、フユイチゴ・サネカズラ・ノイバラ・ナンテンも確認した。
 以前この道は雑草や落石も多くて通行したくない道路であったが、今はきれいに整備されていた。
 雨天模様で「散策会」参加者は十数名だったが案内人による地元情報がどんどん出てくる収穫があった。

             
 さらには、雨を考慮してルート資料をビニールシートに入れて配布してくれた。
 「スズメウリ」も散策会で初めて出会う。
 きょうは雨プロで急遽歩くルートをここに変更したが、このように意外な見どころがあるのも発見だった。
 この裏街道は日陰気味だったこともあってシダやコケが豊富で、石垣がびっしりそれで覆われた自然レイアウトが素晴らしい。 

                         
                              
 往来が少ないことも植物が豊富になった理由でもある。
 忘れられた世界に貴重な輝きがある。

 誰かが仕組んだバーチャルな消費世界にメディアも加担してしまっている。
 そんな情報に洗脳された大衆は列を組んで群がってしまう。
 やはり、自分の足元の宝を発見する視座を磨くのが大切だ。
 そんなとき、ささやかな「森林散策会」の世界は貴重な場ではないかと、あらためて痛感する。
 
 
 
     
 
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やはり秋の散策会はさわやか

2015-09-20 19:27:04 | 旅行・散策
 今月の森の散策会は、道の駅「花桃の里」から目の前にそびえる「湖畔の森」頂上をめざす。
 雨で運動不足気味だったので山の勾配がきつく感じる。
 そんなとき、林縁に咲く「ヤマジノホトトギス」の可憐な姿にホッとする。

                        
 山道には、「シュウブンソウ」や「ガンクビソウ」の仲間が目立つ。
 花が似ているので「ヤブタバコ」と「シュウブンソウ」との違いがわかりにくい。

     
 わが畑の近くにもあった「ノアズキ(ヒメクズ)」はすでに豆果をつけていた。
 花の形が面白いのでデジカメに収めていたが、いずれもその特徴を表現できないでいる。
 葉はたしかに「クズ」の葉に似ている。

                             
 以前、薬用植物園で見たことがある「カギカズラ」。
 最近はアルツハイマー症にも効果があると注目されているようだ。
 関東では珍しいが、ここ北遠ではちらほら見受けられる。
 南方ではそのカギで森を荒らすので林業関係者からは敬遠されている。

   
 住宅地が近い森のあちこちには「ヒガンバナ」の群落が心を癒してくれる。
 一見、単調に見える山道にこのヒガンバナを見ると心の働きに循環作用を与える気がする。
 しかも、一本のヒガンバナの姿も絵になる。

                           
 残暑が残る湖畔では高校生たちがボートの練習に精を出している。
 都会の雑踏と喧騒とは無縁の山並みに応援された高校生たちの表情はなんとも優しい。

 参加者40名を超える散策会は今月も新しい顔ぶれが輝いている。
                             
 
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幻の県道を歩く

2015-08-23 19:02:23 | 旅行・散策
 今月の森林散策会は、浜松天竜区の横川道の駅を出発する。
 そこはスタートまもなくアスファルトの道が途切れた。
 山を越えとなり町に至る県道になるはずの幻の道ということだった。
 参加者は40人くらいの多数の参加だ。

                       
 以前、ここを散策の研修コースにしたが、草茫々で歩くのが難しかった。
 そこを地元の人が事前に草刈機で歩きやすくしてくれたのがわかった。
 目立たないこんなところにも田舎の持ち味が込められている。

    
 ところどころには、「クサギ」(クマツヅラ科)の花が見られ、アゲハチョウなどのレストランとなっている。
 花が落ちると、濃紅色のガクと藍色の実が美しい。

                          
 道路際には、帰化植物の「アカバナユウゲショウ」(アカバナ科)の桃色が目立っていた。
 午後から咲き始めるので「夕化粧」と名付けるセンスが秀逸だ。
 自然が作ったアスレチックのようなアップダウンを登山気分で歩く。

       
 林縁では「センニンソウ」(キンポウゲ科)の花を発見。
 わが畑で猛威を振るっている「コボタンヅル」の花に似ている。
 この花の実が白い綿毛を出すとまさに仙人のような見事な白髪となる。
 途中で登山靴の底が剥がれそうになったが、なんとかゴールに着く。

 コースのなかではいろんな植物と出会ったが、自分の知識の曖昧さが遺憾なく露呈する。
 画像ですますのではなく、実物を図鑑で確認する作業をこのところ怠っていたせいだ。
 さらには脳の委縮がはなはだしく、植物の名前が出てこないのも致命的だ。                

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林道から中山間地の集落を歩く

2015-06-14 20:01:36 | 旅行・散策
 浜松市春野町の「熊の親子」を起点に、新宮池・東海自然歩道・砂川集落へと至る森林散策会に参加する。
 山に囲まれた砂川(イサカワ)集落のたたずまいは、いつ訪れても心を和ませてくれる。
 オーナーの杉山さんの宣伝力で50人を超える参加者があった。

  
 公民館横にある「カゴノキ」は、縄文杉を想起させる風格があった。
 樹木の瘤は自分を守ろうとするいのちの証でもある。
 集落の稲荷神社の隣にも「カゴノキ」の巨木が蒼然と歴史を生きてきた。

 若い樹は滑らかな樹皮だが、のちにまだらに剥がれる。
 それがまた鹿の子模様で美しい。
 加齢とともに風格と美しさが極まる姿は人間の目標でもある。

             
 
 有機農法認定の茶園は春の一番茶のみ収穫する。
 無農薬の手間の大変さは言うまでもないことだが、総収量が少なくなることをふまえても集落全体でそれを選択した凛々しさは、この地域の風景がなせるものなのだろうか。

                               
 帰路の小道で「イチヤクソウ」を1本発見。
 全草を乾かして民間薬としたことで「一薬草」という。
 蒸し暑いなかのアップダウンは汗を大量に放出させた。

 午後は尾上ガーデンで梅もぎを行う。
 幼児連れのママさんらも参加して短時間であっという間に収穫を終了する。
 



 

       
 
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棚田・林縁に寄せる「くんま」のまなざし

2015-05-17 20:26:25 | 旅行・散策
 今月の散策会は、天竜の奥庭・「熊」の大栗安地区の棚田とその林縁を歩く。
 「日本の棚田百選」や「静岡県棚田等十選」にも選ばれる棚田だけに、その急峻さと小ささが目立つ。

         
 出っ張りの石垣には板を渡して「畦道」にすることで、大地を大切にした。
 日曜にもかかわらず、棚田で農作業に従事している地元の人の姿が見られる。
 山に生きる楚々とした日本がまだ息づいている。

                         
 林縁にも地元の人の心遣いがあらわれていた。
 草刈りがしっかりやられていて、しかもササユリには支柱がなされ、草刈りの防御もされている。
 そんな狭間に、「エビネ」を発見。

                   
 さらには、「フタリシズカ」がところどころに見られた。
 シカ除けの柵もしっかりされているので山野草も守られている。

                    
                
 日陰の場所には、「ギンリョウソウ」の群落も見られた。
 また、「ニガナ」の群落の一部にはニガナより舌状花が多い「シロバナニガナ」も控えていた。
      
 散策しているとつい下ばかりみてしまう傾向にあるが、「モチツツジ」をはじめ「コシアブラ」などの広葉樹も多く見られ、石仏にも出会った。

 「くんま」の散策コースには、自然も民俗も魅力的な風景が残されている。
 便利と効率が急速に進まないと、こうした宝が残されている。
 進歩することは必要だが、失うものもあることを忘れてはならない。


 
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散策日和で「越木平」の魅力を発見

2015-04-12 21:09:39 | 旅行・散策
 昨日までの雨模様を払拭したきょうの森林散策会。
 広報が不十分だったにもかかわらず、21人の参加者が新春の空気と景色を楽しんだ。
 春野町・越木平の眺望もほぼ期待どおりで、カメラもこの広角の山並みを捕捉できない。

           
 大曲の道路カーブに沿って、茶畑のデザインの見事さにみんなシャッターを切る。
 隠れ里の魅力はここでも発見。
 日当りはいいとはいえないが、斜面の足場の悪い中での作業の奮闘が結果的に造形美の景観を形成している。

                     
 茶畑の中に雨量計があった。
 気象台情報で越木平の雨量がときどき紹介されるが、ここから発信される。
 目の前の農家が無線でこの雨量計情報を受け取るらしい。

      
                
 「八王子神社」境内の大木とそのたたずまいが魅力的。
 ここの世界だけが結界のパワースポットを感じられる。
 色鮮やかな折り紙が奉納されているが、意味はわからない。

    
 8軒しかないというこの山奥の集落の中心に神社があったが、近所の人の話によるとその隣の立派な2体の木像は「薬師様」だという。
 なかなかの力作のように思える。

                       
 「キランソウ」(別名ジゴクノカマノフタ)の広い群落が絨毯となっていたバス停があった。
 この地下には「地獄の釜の蓋」があるのだろうか。

 さらに、庚申様が祀られているお堂には、6面からなる「石幢(セキドウ)」もあった。これもなかなか珍しい。
 幕末に来日したイギリスの外交官、アーネスト・サトウが明治14年の夏に秋葉神社の帰りにここ越木平を訪問している。
 地域の魅力が知られていない典型的な中山間地である。    
   
 

              

             
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雲海の「越木平」を下見する

2015-04-08 20:46:07 | 旅行・散策
 昨日の雨の中、天竜・春野町の「越木平」の下見を急遽することになった。
 今週12日の森林散策会のコースとなる場所だ。
 雨天のため多数の沢ガニが路上を闊歩するが、車に轢かれたカニも少なくない。

       
                   
 「海老頭(エビトウ)」という茶工場から越木平集落へ向かう。
 林縁には実生から茂ったと思われる「リョウブ」の若葉が春を迎えていた。
 原生林にあったと思われる「モミ」の大木の周りには、実生の幼芽をたくさん残していた。
 明治に王子製紙の工場が来てから主にモミを伐採して洋紙を生産していく。
 その後、モミやツガを皆伐しつくして苫小牧へと移転していく。
 したがって、このモミはその生き残りとも言える。

                     
 集落の氏神様と思われる「八王子神社」を発見。
 うっそうとした古木に囲まれた幻想的なスポットだ。
 建物は新しいが先代たちがここを守ってきたつながりが「気」となっている。

    
 その隣に小さな祠があった。
 その中には、木造の50cmほどの地蔵菩薩像らしきものが2体鎮座されていた。
 これはかなり古く貴重なものに思えたが、町の文化財には指定されていない。

 雨模様で山並みは霧で見えなかったが、雨上がりはきっと素晴らしい眺望が予想される。
 ミニマチュピチのような山里風景が堪能できそうだ。
 集落の方に庭先の小道を通行することをお願いしておいた。
 知られていない隠れ里「越木平」をじっくり散策してみたいと思った下見だった。
           

     
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ここは桃源郷なのだろうか 花桃の里

2015-03-22 21:37:56 | 旅行・散策
 うららかな春の日曜日。
 天竜・相津にある道の駅「花桃の里」の森林散策会に参加した。
 道の駅周辺はすでに花桃が満開。
 スタートから37名の参加者は花桃のアーチで迎えられた。

         
                     
 幻となった旧国鉄ラインの橋だった「夢のかけ橋」を渡ると「ボート場」があった。
 ここを中心にボートの全国大会や国体などが行われている。
 ボートの幅はじつに狭く恰幅のある人は転覆してしまうだろう。

   
                   
 5年前はひょろひょろだった花桃はずいぶん大きくなって、両側からアーチのトンネルとなった。
 道の駅周辺の集落の人たちの素朴な思いが伝わってくる。
 その思いが「桃源郷」となっていく過程が見て取れる。

                  
 林業が斜陽の産業になってしまった現状のなかで、道の駅をバネに花桃で地域の活性化を図ろうとするシンプルな方針が貫かれている。
 しかもそれを雄弁に語るのではなく、誰がリーダーなのかわからないくらいぼそぼそと語る素朴さが気に入っている。

     
 路上の湿っぽい際でクレソンに似た花を発見。
 食べるとまさにクレソンのようなピリッとした辛さのある美味だ。
 「オオバタネツケバナ」か「マルバコンロンソウ」か「ユリワサビ」か、似ていてなかなか同定できない。

 ニワトコ・スミレ・カキドウシなどの山菜やキクラゲが見られ、時間があれば山菜料理としたいもんだが。      
 
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ヤマアイ・ヤマルリソウの群落発見

2015-03-13 22:01:35 | 旅行・散策
 先日訪ねた内山真龍神社の周辺とその奥がすばらしい。
 あまり人が行かないらしくよそでは見られない植物が豊富だった。
 そこは天竜市のときの「市民の森」のハイキングコースとなっている。

         
                       
 神社周辺には、いわゆる本ツゲと言われる「ツゲ」の木が植えられていた。
 さらには、「ヤマアイ」の群落が見られた。
 今までヤマアイの群落に会いたいと思っていただけに、やっと会えたんだ。
 染料で有名だ。

 
 ハイキングコースの入り口あたりで馬に遭遇。
 こんな目立たない所に馬に出会うとは想定外。
 表札や看板も出ていないようで、個人の愛馬ということか。

                
 うっそうとした遊歩道の両脇にはさまざまな植物群落が見られた。
 とくに、「ヤマルリソウ」(ムラサキ科)の群落は「ヤマアイ」とともに静岡に来てから初めてのご対面だった。
 場所によっては花の瑠璃色が濃い個体もあるようだが、ここではやや白っぽい。

        
 全部のコースは歩けなかったが、夏はヤマビルがたんまり出そうな湿気が気になる。
 そのぶん、シダ類とか「フウトウカズラ」などのツル植物とかが目立つ。

 役所が近い二俣の街にこんな自然が豊富にあるのが貴重だ。
 散策もこういう意外性があるからやめられない。

      



                   
       
                          

     

    
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市との協働事業「森林コーディネーター養成講座」終了

2015-02-23 21:55:31 | 旅行・散策
 昨日の午後、森林コーディネーターと浜松市との協働事業の「森林コーディネーター養成講座」が終了した。
 市民が提案し浜松市がそれを受けた画期的な事業であると思う。
 企画運営のほとんどを市民が担い、講師も自前で行う。

                      
 修了者は9名だったが、一騎当千の顔ぶれが集まりこれからが楽しみだ。
 取り組みの過程では行政の対応の遅さが響いたが、行政マンの市民との協働事業の経験値の少なさを痛感する。

           
 講座の途中から「道の駅横川」周辺の実地研修を行う。
 ガマズミの十字対生の若木とかヤマフジのツル植物の生命力が見ごたえあった。
 わずかな時間だったが自然の深さを体感する。

                     
 さらに、藪の奥に「阿弥陀佛」と刻字された石塔を発見。
 おそらく「南無」が頭に書かれているはずだが解読不明。
 ひょっとすると、先祖の誰かが亡くなって供養塔としたのかもしれない。

  
                
 また、かわいい不動明王の石像が祀ってあった。
 右手に「剣」、左手に「縄」=(羂索)、というオーソドックスな石像だった。
 残念ながら顔が崩れ刻印された字も解読できない。
 密教系の大日如来信仰の影響は確認できる。

 現在の人の気配があまり感じられないエリアのなかで、二つの石像は往時の村人の暮らしの静謐を伝えてくれる。
          
 
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