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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

つつましい山里を訪ね日本の原風景を歩く

2015-01-18 20:16:11 | 旅行・散策
 きのうのみぞれまじりの寒風と強風が過ぎ去り、雲ひとつない絶好の散策日和がやってきた。
 浜松・春野町の「いきいき天狗村」の「塩の駅」を起点に、近くの「和泉平」の山里を歩く。

    
 村人でも通らないような山道を急登すると、戦後開拓した集落が開けてくる。
 機械もない時代に山を切り開いた先人の苦労がしのばれる。
 青空と山の稜線の拮抗が鮮やかだ。

                      
 ひと山越えたところに「和泉平」集落がひっそり点在する。
 この一帯は「有機JAS認定農地」の茶畑だ。
 効率や収益が悪いが環境や体に優しい有機農法の茶を生産している。
 普通の茶畑は最低年に2回は収穫しているが、ここでは年に1回のみの収穫しかしていない。

                       
 点在する農家の一角のフランス文学者の家の前を通る。
 満開の「ソシンローバイ」が迎えてくれた。
 その小道も彼岸花の葉が押し寄せてきて、踏まないように歩くのが難しいほどだった。
 鼻にかかった原語のシャンソンが聞こえてきても不思議ではない。
 これぞ、挑源郷の一端ではないかと思えた。

                       
 午後は、「森林コーディネーター養成講座」の2回目を行う。
 「いきいき天狗村」の杉山さんの好意で店の一角を会場にしてくれた。
 「森の自然を見る・人間の営みを見る」のテーマで、仲間のコーディネーター二人が講師となってくれた。
 資料及び試料も満載の内容でもあった。
 
 われわれの企画を全面的に支援してくれた浜松市の度量に感謝したい。
 
  
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千葉・青葉の森公園を散策する

2015-01-08 18:55:59 | 旅行・散策
 先日、千葉市にある県立「青葉の森公園」を歩く。
 入口には公園にふさわしい素敵な彫刻が待っていた。
 人工的に作られたらしい公園だが、日本の主要な樹木である照葉樹林ゾーンがしっかり位置づけられていた。

                         
 公園には優れた彫刻がバランスよく配置されている。
 鈴木実の「家族の肖像」は波乱の近代を生き抜く農民の家族像が、見るものに生きることの意味を訴える。

                          
 ここは、大正6年に農林省畜産試験場が設立され、以来、昭和55年筑波に移転するまで、日本の畜産業を主導してきた施設でもあった。
 それだけに広大な敷地が確保されている。
 敷地内には、博物館や植物園もあり、とりわけ中央博物館はきわめて斬新な企画と掘り下げた視点が優れており、前々から注目していた。

       
 園内には、プラタナス・ヒラヤマスギ・カロリナポプラなどの外来種の大木も少なくない。
 木登りが手軽にできそうなものがあるのも魅力的だ。
 文化・スポーツ・自然の総合的な利用ができるオールラウンドな力量がある公園だと思えた。 

                       
 春や秋はきっと見所が満載の場所であることがわかる。
 残念ながら、植物園の生態園・湿地帯・野鳥観察舎には行けなかったが、一日ではとても回りきれない。
 冬の園内はジョギングや散歩する利用者が多かった。
 それだけ、園内が快適で、安全な管理を配慮されているのがわかる。
 残念ながら、春野からは遠すぎるのが難点。
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川崎大師に行く

2015-01-06 18:25:05 | 旅行・散策
 昨年、娘から川崎大師の健康祈願の御札をもらっていたが、「納札しに行かなきゃいけませんよ」と脅されて?いたので、急遽川崎大師に駆けつける。
 明治神宮・成田山に次ぐ300万人もの初詣がある寺ではあるが、風雨の強い平日にもかかわらず人出が多い。

              
 「仲見世」は門前町に出店の特権を与えられた商店街だが、人気の咳止め飴を切る包丁のリズムが鳴り響く。
 境内にもびっしり露天商のテントがひしめいている。

               
 大山門をくぐってすぐ横に「納札所」があり、そこに持っていく。
 規模が大きいだけに人の動線のシステムがしっかりしているのに驚く。

                           
 大本堂には立派な灯篭がいくつか天井から吊るされ奉納されていた。
それは大岡忠相が要請・設立した江戸の町火消しの伝統ある消防隊でもある。
 「筒先中」は放水の先端を引き受けた組かもしれない。
 「第2区」は、都内には11区ある消防隊のうちの新橋~高輪までの火消し組らしい。
 江戸の消防組織は関東一円にわたり活動が未だ続いているわけだ。

                            
      
                            
 境内には「八角五重塔」もあった。
 八角というのが珍しい。
 建物の多くは戦後の昭和に作られたものが多く、コンクリートの柱なのが残念。

ただし、手作りのしめ縄に出会ってホッとする。
 しかもこのしめ縄は、三つ編みでできているのが珍しい。

                            
 寺を訪れる300万人の中で、弘法大師の教えを真摯に受け止めている人はどれだけいるのだろうか。
 寺なのか神社なのか、わからない運営がある。
 建物も境内の雰囲気も世俗的で現世利益の臭いがプンプンする。
 
 自分も参拝に行っているので、人のことは言えないけどねー。
 このいい加減さが、日本や寺社や政治を支えているのかもしれない。


 

                             
 
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秋葉古道は「東海自然歩道」でもあった

2014-11-17 22:00:41 | 旅行・散策
 昨日の散策会は中山間地の現状が見え隠れするコースでもあった。
 秋葉ダム近くの岩盤では「水抜きトンネルミュー粒子観測」と書いてあるトンネルがあった。

                    
 なんのためのトンネルかを素人にもわかるように表示してもらうとありがたいが、意識的に広めない戦略なのだろうか。
 宇宙線のミュー粒子を使って秋葉ダム周辺の地下水の水位や岩盤の構造を観測する装置らしい。

               
 秋葉神社への信仰の道は、現在では「東海自然歩道」となっている。
 実際には歩いている人は皆無だった。
 むしろ、帰りの下り道路では参拝した自動車がたびたび通過していく。

     
 アンテナの役割は終わった。
 情報が氾濫すればするほど中山間地の生活は厳しくなる。
 情報とは何のためにあるのだろうか。
 情報が豊富になることで地方の暮らしが豊かになっていくのが筋じゃないか。

       
 林業が盛んな頃にはこの「山の神」サマに感謝しながら仕事や自然があった。
 今では仕事や自然に感謝する心は喪失している。
 自然への畏敬と共生を喪失した労働には未来がない。

                    
 岩盤を削りながら道路を拓いたであろう所には、希望の道があったに違いない。

 「がん哲学外来」を標榜して実践している順天堂大の樋野興夫医師は、末期患者に「どんな人間でも役割がある」と伝え、それを「自分らしく花を咲かせる」ような行動をすることで、勇気ある「高尚なる生涯」をめざすことをそれとなく訴える。
 
 つまりは、この過疎の中山間地で生きるのも同じことが言えるのではないかと思った次第だ。 

               

                         
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秋葉古道のたたずまいを行く

2014-11-16 21:40:37 | 旅行・散策
 天竜の秋葉ダムを起点に「空(ソラ)集落」をめざして「森林散策会」を行う。
 午前中は震える寒さだったが、集落にさしかかったころには汗ばむ暖かさだった。

   
 道路途中のガードレールは木製だった。
 裏側は鉄板で補強されている。
 ほんの短い距離で残念だが、天竜らしい「木」づかいが素晴らしい。

                      
 歩いて間もなく「神変大菩薩」と書かれた大きな祠があり、中を覗いてみると「役行者」の石像があった。
 さすが秋葉神社本宮への古道にちなんだ修験道の道だ。

    
 
 急坂を登っていくと点在する集落があり、人間の営みにたどりつく。
 今では珍しい茶樹の角刈りがあり、モノレールがあるのも急峻な地形に住む厳しさを表現している。

                     
 途中の道側に「山の神」が出会ったが、お宮の手入れがなかなかできない事情が見て取れた。
 往時は山仕事が主要な産業であったことだろう。

   
 道端の所々に「フウトウカズラ(風藤葛)」が多く見られたが、そこには小さな赤い実が隠れていた。 
 コショウ科だが、香辛料にはならないという。
 また、名前は中国の似た植物にちなんでシーボルトがつけたという。

            
 帰り際、桜の枯れた樹の根元に「ナラタケ」がびっしりついているのを発見。
 下見ではわからなかった出会いがあったことがうれしい。

 午後に、散策会の運営をしている森林コーディネーターの「養成講座」についての打合せを行政のかたとともに行う。
 これは行政・市民との協働事業の画期的な一歩でもあると思う。

        
      
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幻のトンネルは100%天然ワインセラー

2014-09-26 21:42:57 | 旅行・散策
 先日の散策会で旧国鉄佐久間線のトンネルを利用したワインセラーを見学した。
 幻の佐久間線は、天竜二俣駅から飯田線・中部天竜駅を結ぶ35kmの国鉄線だった。

 1967年着工し、50%進捗していた1980年、国鉄再建法により中止となる。
 そのためこの「相津トンネル」は浜松市に管理移管され、地元有志が結成した「地域産業観光研究会」がワインセラーの運営を担うこととなった。

    
 入口の扉は天竜材でできている。
 ワインの販売もしているとのことだが、倉庫としてしかみられない。
 もう少し営業の工夫努力があるといいなと思う。

                      
  
 扉にはステンドグラスがあり、ブドウをあしらった工芸品がロマンを誘う。
 その立地と空間はヨーロッパのワインセラーに並ぶ環境だという。

     
 一年を通じてこの空間は16度から18度を保っており、まさしく天然の貯蔵庫となっている。
 電源喪失の心配もなくエコで低リスクの環境にある。

                       
 奥の1ラックでは100本ほどのボトルが置くことができ、年間15500円で利用できるという。

 道草山はイノシシの解放区となり、ミミズを求めて斜面がボコボコとなってしまった。
 落ちた栗は食べてもいいけど、ボコボコにしてしまうのはいけません。
 あわてて、畑のサツマイモを半分ほど掘り出すが体がぐったり。
 あとの収穫は明日に延ばすことにする。
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骨董市と終戦記念日と

2014-08-15 21:28:04 | 旅行・散策
梅雨がきた夏だった。
 草刈りしないと畑に行きにくいところがいくつかある。
 ほんとうはいますぐにも草刈りをしたいところだが、雨には勝てない。

 そこで、和宮様かねての要望で骨董市にでかける。
目の保養には刺激的だが、年金生活者にとってはなかなか手が出ない。
 むしろ街なかのフリマのほうが親しみがある。
 和宮様は漆塗りのスプーンを買い、オイラは何も買わずに喧騒の会場をあとにした。

          
 そういえばきょうは終戦記念日。
 長い戦争ドラマを見たが、意図はわかるが平和ぼけの視聴者の心を打つまでにはいかなかったのが残念。

 太平洋戦争に至るとは、要するに「想像力」と「責任」の欠如と思えてならない。
 想像力という回路を遮断してしまうと、凝り固まった回路しか作動しない。
 このことは現代の殺伐とした事件や原発や政治にも同じことが言える。

                          
 さらにはこの中山間地に暮らしてみても、ふだんの暮らしのなかにこの因子が根深くはびこっていることを痛感する。
 とくに、相手の立場や苦悩を思う「想像力」だ。

 ジョン・レノンの「イマジン」が訴えている世界でもある。
 忌野清志郎が同じ意図でこの曲を替え歌でカバーしているが、テレビ画面からはなかなか放映してもらえない。

 骨董を見て懐かしいと思い、素晴らしいと思う感性は大切だが、その物がこめられた歴史的な背景やこめられた精神を読み取る「想像力」を鍛えたいところだ。
 また、不戦の気持ちを日常の生活に生かしているだろうか、という問い直しと行動が大切に思う。
 そんなことを思いながら、明日は鍬と鎌を持つのだ。          

                     
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秋葉ダム周辺を散策する

2014-07-20 22:30:28 | 旅行・散策
 前日の雨で本日の森林散策会が心配されたが、まさに杞憂に終わったほど天候に恵まれた。
 太公望がアチコチ見られる天竜川を横目に東海自然歩道界隈を歩く。

     
 「イヌビワ」の群落がよく見られたがイチジクもどきの果実はこれからだ。
 参加者は30名弱だったが、初参加者や植物に詳しい人もいた。

                    
 「これなんでしょう」と聞かれて、「イワガラミかな、ツルアジサイかな、ノリウツギかな」とみんなで検討したが、結局宿題となった。
 しらべてみたら、「ヒロハコンロンカ」(アカネ科)であることがわかった。
 初めて見た樹木だった。

    
                        
 下見では気がつかなかったが、「フジウツギ」(フジウツギ科)とか「キササゲ」(ノウゼンカズラ科)を発見。
 みんなとワイワイ歩いていくと発見も多い。

 
 石垣のところで「オニイグチ」らしききのこが出ていた。
 これは外見より味はいい。

                     
 虫にもアーティストがいるようで、葉脈周辺を残して食べる作品も発見。
 相手を殺さず自分も生きる戦略に共感できる!?

 梅雨の蒸し暑さにもかかわらず、ひんやりした林道を歩けたり、夕立もどきの空模様からちょっぴり小雨をいただいたり、植物・きのこ・ヘビ・お寺・中山間地の山並み・
秋葉ダムの威容などを見ることができた。
 
 やっぱり歩いてこそ、発見があるものだ。
 最後に「ふれあいの湯」で汗を流す。
 
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山里の静謐を歩いていく

2014-07-14 22:46:25 | 旅行・散策
 昨日の山里・龍山地区のたたずまいは梅雨の影響もありしっとりとした「和の景観」を感じさせるものがあった。
 天竜川にかかる橋から見えた「空」は、まさに空に向かって歩んできた歴史を刻印してきたものに違いない。

     
 この橋を渡ると道路がループになっていて、いつのまにか堤防の上にきていることになる。
 左が天竜川、右が住宅街。
 むかしは洪水に悩まされた地帯かもしれない。

                    
 案の定、堤防に埋設されているらしい「樋管」施設があった。
 河川が逆流したときは住宅地に水が流れ込むのを防ぐために、その水路を閉じるという意味だろうか。
 行政の上から目線の説明にがっかりする。

  
 むかしはバス停があったと思われるかわいい待合所が素敵だ。
 「週末にカフェなんかできると面白いのになー」とつぶやく。
 過疎の痕跡がいたるところに見られる。

                         
 蜂の巣箱を発見。
 分蜂だろうか、かなりの蜂が集まっている。
 外来植物も多いけど近隣には花はありそうだ。

         
                
 諏訪の宮大工が作ったらしい観音堂が立派だ。
 屋根のてっぺんの「宝珠」が傾いているのがまた風情がある。

 また、扁額の「円通」という文字は、禅宗に多い「真理は絶対であり自在である」という教え、つまり、観音様そのものをあらわしているらしい。

 来週本番の散策会では、また新しい発見を期待したい。  
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渋川つつじ公園を往く

2014-05-25 21:07:11 | 旅行・散策
 先週、渋川の枯山を散策してその植生の特殊性と豊富さに感動したので、きょうは渋川ツツジの本場を訪れることにした。

                   
 駐車場料金は竹筒に入れるようになっている。
 人手が足りないのだろうが、観光地のようなガツガツしていないのがいい。
 山奥に散在する集落を見るにつけ、日本の原風景はやっぱり農山村にあることを実感する。

        
                    
 ちょうど、「渋川つつじまつり」が行われていて、公園入口で屋台とカラオケが行われていた。
 ムラの祭りといった風情だ。
 地元の自治会主導のようだが、自然保護団体やまちづくりNPOをも巻き込むような先駆的な発想がないとこの公園の価値が生かされないのではないかと考えてしまう。

  
 普通の植物が生きにくい蛇紋岩地帯らしく、もろい岩が露出している。
 ここでしか見られない渋川つつじは、静岡県の天然記念物に指定されている。
 公園というよりちょっとした小山を急登すると、頂上付近の遊歩道沿いに渋川ツツジのトンネルが迎えてくれる。

                           
 貴重なギフチョウが食草とする「ヒメカンアオイ」の群落が道に散在する。
 観光客に踏まれたヒメカンアオイがいくつもある。
 これは木道にして保護するような対策が必要なのではないかと思えた。

 タツナミソウやガンピ・ネズミサシなど、他では見られない植物にも出会えた。
 高い音量が流れるカラオケとこの貴重な植物群とがうまく提携するような方策はないものだろうか。

     
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