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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

トウガンのころげて荒るる畠かな

2021-08-06 22:21:25 | 野菜・果樹

 以前、トウガン(ウリ科)を種から育てたところ100個以上もできて処理に困ったことがある。そのため、最近は苗を1本買ってきて育てることになった。同時に、どこからか勝手に芽を出してくるトウガンも期待してもいる。まずはその1本の苗から実ができ始めた。実の表面には産毛が生えていて触ると痛い。その産毛がなくなってくると熟成の証拠となる。また、「ブルーム」といって、白い粉が実の表面を覆っているのも熟成のしるしだ。両方あったのでとりあえず、2個を収穫しようとしたが、ブルームのあるほうはまだ産毛が強かったので後日にする。

             

 収穫したトウガンの長さを測ったら36cmだった。耳の病気と貧困にあえいだ「境涯の俳人・村上鬼城」の俳句「冬瓜のころげて荒るる畠かな」が胸にしみてくる。冬瓜は夏の旬の野菜だが、季語は秋。鬼城の句は夏野菜が終わるころの畑にただよう冬瓜のはかなさと逞しさとが共存する風景が、作者の葛藤と静謐な心が伝わってくる。わが畑の冬瓜は、宝探しと言おうか、意外性の発見と言おうか、こちらの予想を裏切った藪に歓喜の宝となっている。

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モロッコインゲンの原産地は?映画と…

2021-08-04 22:19:53 | 野菜・果樹

 シカ肉を食べて以来、シカの食害はなくなっている。やはり、彼が犯人だったようだ。そのため、新芽をことごとく食べられていた「モロッコインゲン」に実ができて、やっと収穫もできるようになった。「モロッコインゲン」の原産地はメキシコ・パナマなどの中南米。モロッコではなかった。征服者・コロンブスが西洋に紹介してからシルクロード経由で中国・日本に伝わったようだ。

                   

 「タキイ種苗」が昭和50年ごろから商品化したこの「平さやインゲン」の命名をなぜ「モロッコ」にしたのかという疑問だ。その理由は、ナチスが占領していたモロッコを舞台にした映画「カサブランカ」だった。戦後まもなくの1946年に日本に公開され、「自由」を謳歌した時代精神とマッチしたようだ。

 そんなロマンあふれる野菜があるのがうれしいが、シカの食害でツルが滅茶苦茶になったダメージを回復するのは難しい。そうは言っても、どんな料理にも適応できる柔軟性あるモロッコインゲンの収穫が楽しみとなったのは確かだ。 

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キュウリにブルーベリーにいよよ

2021-07-17 21:52:29 | 野菜・果樹

 梅雨も明けていよいよ、夏野菜の出番だ。インゲンは好調で安定的な収穫を保持している。このところ急に、遅れていたキュウリが実ってきた。ここ数年間、キュウリの失敗はほとんどなくなってきた。完全無農薬を保持してきただけにホッとする。ナス科は病気に弱い。トマトやナスは毎年病気が出てきて収穫の自信がない。

              

 ピーマン・シシトウ・甘長トウガラシは大収穫のときもあったが、今年はそこそこというところ。昨年もそうだったが土壌づくりが手抜きだった結果だ。言い訳をすれば、イノシシ対策に追われて間に合わなかったせいにしておこう。

              

 数日前までにはブルーベリーが紫色になり、黒く熟するのは間もなくだ。つまみ食いをしながら味の酸味を確認する。昨日まではまだまだとの判断だったが、きょうはグイと黒い実が出来上がってきた。収穫してみて、採るのが早かったのもわかる。焦ってはいけない。多くがラビットアイ系の実だ。洗ってから、実の様子によって冷凍保存にする。

  

 閑話休題、5月に農水省が画期的な「みどりの食料システム戦略」を決定した。つまり、2050年までに有機農業の栽培面積を100万ha、耕地面積の25%(現状は0.5%)、農薬5割削減、化学肥料3割減、にするという。今まで効率が悪いとさんざん異端視していた有機農業を見直したのだ。というのも、EUの目標値にいつも遅れをとっていた。世界的な流れにやっと便乗した格好でもある。目先の利益ばかり追って将来の農業と自然との共生を貫く哲学が欠落していたのだ。問題は総論賛成、各論保留で改革が進まないことだ。

 脱炭素・自然エネルギーに方向を変えたのもそうした世界の流れに乗り遅れまいとしたものだ。財界・政界をはじめ今まであれほど抵抗してきたのに今更の感がぬぐえない。こうした動きをマスコミはほとんど報道していない。その感覚がジャーナリズムの劣化をどうしても感じてしまう。オイラもこの「戦略」を知ったのもニュースからではなかった。

 

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春菊を「ローマ」と呼ぶ地域

2021-06-24 22:54:04 | 野菜・果樹

 春菊が防獣用の網をはみ出して花まで咲かせていた。そろそろ春菊は撤収かもとは思っていたが、網の外 まで花が咲いてしまったので、あわてて撤収作業を行う。それにしても、花はなかなかきれいではないか。それもそのはず、原産地の地中海沿岸界隈では観賞用として栽培されていたらしい。

                  

 春菊はシルクロードにのって中国に伝わり、野菜用として改良され日本に伝わったようだ。欧州ではその香りや苦みが不評だったようで、インド・東南アジア・中国などの地域限定野菜となっていった。そこで、下関市の安岡地区では、この春菊のことを「ローマ」と呼んでいる。ピーンときましたね。

         

 平清盛が推進した日宋貿易で春菊の種が下関・長門国に初上陸し栽培が始まったという。その流れの中でこの地域だけは春菊を「ローマ」と呼んだ名残が残っていたというわけだ。栽培は西日本を中心にされてきたものが昭和20年代頃から関東に普及し始める。オイラの子どもの頃はあまり食べた記憶は少ないので、そんなゆるやかな流れは確かに納得できる。

 花はいくつかの花瓶などにすべて活けた。葉はこのところサラダにして生食をしている。この苦みが山菜らしい深みを演出している。最近は欧米でも食べるようになってきたという。

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世界でごぼうの食文化を独自に発展させたわけ

2021-06-21 23:08:30 | 野菜・果樹

  ミニゴボウの葉が大きくなってきた。間引きをしていないので思い描く太さには至らないのは予想できたが。1mもある長根種はとてもできないので、短根種のミニゴボウを植えたのはまずは正解だった。

           

 掘り出してみると案の定、間引きをしなかったツケが根っこの細さに出ている。さて、ゴボウの根を多様に食べているのは世界の中で日本だけと言っても過言ではない。平安時代には食材として紹介されている文献もあるが、中国から薬用として伝わったとされる。しかし、いくつかの縄文遺跡からゴボウの種が発見されていることから、すでにそのころには食べられていたと考えられる。

                      

 なぜ日本人だけがゴボウを食材として発展させてきたかについては、平安時代ごろ、特別なハレの日に神饌の供物として奉納されていたことも大きい。また、以前から、ゴボウを山菜として日本原産のアザミの「モリアザミ」(山ごぼう)を食べていた食習慣もあったようだ。江戸時代に入ってからは普通食になり多様なレシピが展開され現在に至る。こうしたルーツは、縄文人の体験的な知恵があったのではないかと推測する。

           

 今日では韓国・台湾でも当たり前の食材であり、中国・欧米でも人気が高まりつつある。さっそく、和宮様の快心のごぼう料理をいただく。柔らかい。ゴボウの奥行きが噛むごとに脳髄を刺激する。畏れながらお代りをついつい要求してしまった。

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満開になったルッコラの花

2021-06-15 22:51:17 | 野菜・果樹

 毎日のように野菜ジュースを飲み、それに野菜サラダを食らう。初春にはできなかったいくつかの葉物野菜がいっせいに成り始めたからだ。大量にいただいたノラボウ菜の種から育った若芽を摘み、パセリ・春菊・夢咲菜・チンゲン菜・小松菜などと共に、「ルッコラ」のゴマ風味を楽しんできた。そのうちに、ルッコラの花が咲き出してしまいその花のシンプルな姿に見とれてしまう。

                 

 ほんとうは花を食べたり摘花していけば、若い葉を期待できるが、花を摘むのは申し訳ないような感情が先立ってしまう。そのためか花が満開となってしまったというわけだ。ビタミンC・A・E・カルシウム・鉄分など栄養価も豊富なルッコラなのだけど。

                   、

 ルッコラはイタリア名だが、英名は「ロケット」という。花の立ち姿がロケットに似ているというがとても納得がいかない。ついでながら、和名は「キバナスズシロ」というが花はどうみても白としか見えない。アブラナ科らしい花の形は「十字軍旗」のようでもあり、古代ローマでは「惚れ薬」と信じられたハーブでもある。

 美肌効果もあるというルッコラはクレオパトラも愛したととも言われ、ルッコラは古代から連綿と栽培されてきた野菜でもある。やっぱり花も食べて、若葉を促進させてみようかなー。

 

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モロッコインゲンって、ナニ?

2021-06-03 22:06:19 | 野菜・果樹

   和宮様が好物だというインゲンはすでに定植している。そこで、「モロッコインゲン」という種を試しに入手する。種はふつうのインゲンよりジャンボだった。また、成長も早くまもなく芽を出したので、さっそく畑に定植していく。

                        

 モロッコインゲンは、「平さやインゲン」の仲間で、タキイ種苗が登録した品種。莢を写真で見るとふつうのインゲンより平べったくて長く大きい。筋がなく、味は見た目より柔らかいという。原産地は中南米というが、「モロッコ」という名前がついているのが謎だった。

   

 そんなことを思いながら、近所から支柱にする細い竹を貰ってくる。ついでに新ジャガもいただいた。

 この「モロッコインゲン」が登場したのは戦時体制華やかな昭和初期。じつはそのころはやっていたのはモロッコを舞台にした映画「カサブランカ」が一世を風靡していて、「モロッコ」ブームがあった。それでこの名前を付けたらしい。

 映画としては反ナチスの背景だったが、主人公役のボガードとバーグマンの苦渋のラブロマンスが戦時体制に疲れ気味の日本の民衆の心に響いたのだろう。ネーミングのセンスに今更ながら感心する。

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ポポーの花が咲いたよ

2021-04-26 21:43:21 | 野菜・果樹

 昨年亡くなった畏友セニョールさんからいただいていた「ポポー」(バンレイシ科)の木に花が咲いた。ネイティブアメリカンが古くから親しんでいた果樹らしい。つまり、北米原産で、「アメリカン・カスタードアップル」といわれるくらいトロピカルな味だそうだ。

 育て方がわからなかったので放置状態だったが、年数からすると今回は果実が着きそうな気配だ。ただし、違う品種がもう1本あるといいらしいが、セニョールさんから品種まで確認できていなかった。実はあけびのような形で、味が柿にも似ているので、日本では「アケビガキ」ともいう。夏の終わりに熟すということだが、そのころ合いを見極めるのが難しそうだ。熟してから7日も持たないので今まで流通していない逸品の果樹だ。セニュール遺産はしっかりここで残っている。

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「夢咲き菜」を初収穫

2021-02-13 20:55:09 | 野菜・果樹

 尾上女史がわが畑の惨状を見て緊急に持ってきてくれた「夢咲く菜」の苗が蕾をつけ始めたので、初めて収穫することになった。江戸東京野菜の「のらぼう菜」にそっくりだけど、より癖がなく柔らかい気がする。菜花が好物の和宮様はさっそく味噌汁や和え物にしていく。「野良坊菜」は、五日市の子生(コヤス)神社に「野良坊菜之碑」が建立されるほどに、江戸の飢饉で活躍した救荒野菜だ。

 一方、「夢咲き菜」は菊川市とその周辺の「遠州夢咲農協」のブランド野菜となっている。ビタミンCがほうれん草の2倍もあるという栄養野菜でもある。菜花の持つ苦みがほとんどなく調理しやすいのが売りだ。日照りや寒風になんとか生き抜いてくれたこと、そして支援いただいた尾上さんの素早い好意がありがたい。11月にススキを漉き込んだのも良かったのかもしれない。なんとか冬越しした菜花を食べられたのがうれしい。

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赤大根「紅くるり」も初収穫

2020-12-04 21:51:34 | 野菜・果樹

 種まきが遅かった白大根はまだまだ小さいが、早めに?蒔いた赤大根「紅くるり」が見事に実ってくれた。「紅くるり」は、創業1883年(明治16年)の「松永種苗」が遺伝子操作なしで開発した優れもの。従来の赤大根は周りの皮は赤いものの芯まで全面的には赤くはならなかった。それをついにやり遂げたものだ。

   

 「紅くるり」は、大きさは蕪のように小振りだが、肉質は軟らかくみずみずしい。青皮の紅芯大根の肉質はやや硬めで水分が少ない傾向にある。紅くるりは、アントシアニンが従来の赤大根の3倍もあり、抗酸化力は10倍もあるという。

              

 すぐさま、それを和宮様が甘酢漬けにする。確かに紅と言われるだけあって濃い紅色となった。食べてみても確かに柔らかくしかもシャキシャキしてみずみずしい。

 きょう、アフガンで活躍してきた医師の中村哲さんが銃撃で殺されて一年がたつ。本来ならノーベル平和賞並みの活動をし、国民栄誉賞を与えてもいいくらいだが、日本政府はNPOとかNGOには偏見が強い。日本学術会議理事の任命拒否事件と同じものを感じる。そうした現実はいくらでもあり、中村さんもそういう壁を幾度も壊そうとしてきたが、要するに批判だけでは現実は動かないという教訓だった。そこで、聴診器からショベルカーに変えたのだ。中村さんの遺志はどれだけ日本社会に伝わったのだろうか。それを受けて「オイラなりにやれること」とはどんなことか、それにこだわって日々を生きていきたいものだ。赤大根の甘酢漬けをポリポリ食べながらふと考える。

 

 

 

あるけれど、

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