ヴァネッサ・パラディ・・・歌手にして、女優。彼女の7年ぶりのアルバムが3日、リリースされました。“DIVINIDYLLE”・・・何しろ7年ぶり。発売前から大きな話題になっていました。
(新CDの発売とコンサートツアーを知らせる大型ポスター)
Vanessa Paradis・・・1972年、パリ近郊の生まれ。俳優のおじの紹介で、7歳にしてテレビ出演。87年、14歳で発売したシングル“Joe le Taxi”(夢見るジョー)が11週連続ヒットチャート1位という大ヒット。そのロリータ風の容貌と声でアイドルとして人気爆発。しかし、大人の文化が好きなフランス社会、若くしてなんら苦労もせずスターダムにのし上がり、しかもロリータ。かなりの反感も買ったようで、当時を振り返り、彼女自身、「リンチにあっているようだった」と述べています。
(9月2・3日付のル・モンド紙第一面。中面では三分の二ページを使って詳しく紹介)
その後、89年に『白い婚礼』で映画デビュー。90年にはシャンソン界の大御所、セルジュ・ゲンズブールのプロデュースによるアルバム『ヴァリアシオン』をリリース。また、アラン・ドロン、ジャン・ポール・ベルモンドとの競演(『ハーフ・ア・チャンス』)、パトリス・ルコント監督作品(『橋の上の娘』)への出演など、それなりに陽のあたる場所を歩んできたようです。
(8月31日付のフィガロ紙。生活面の第一面と中面を割いて紹介しています)
そんな彼女に一大転機が訪れたのが、アメリカの俳優、ジョニー・ディップとのパートナー関係。事実婚であり、99年には長女(リリー・ローズ・メロディ)、02年には長男(ジャック)が誕生。家庭のぬくもり、安らぎ・・・彼女に、そしてパートナーのジョニー・ディップに大きな影響を与えたようです。
ミュージシャンにして俳優、個性的な役柄、役作りをしてきたジョニー・ディップが、03年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』に出演することに決めたのは、子どもたちの勧めがあったからとか。ジャック・スパロウの演技で、アカデミー主演男優賞にノミネート。その後の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズに引き続き出演しているのは、ご存知のとおり。
子どもたちの存在は、ヴァネッサ・パラディにとっても今やかけがえのないもの。2000年に出したCD“Bliss”では、長女のおしゃべりが入っていますし、今回の新作には、長男の笑い声が入っています(”JACKADI”)。
(CDとそのジャケット、この絵はパートナーであるジョニー・ディップの作品)
ウエスト・ハリウッドと南仏で過ごす家族との時間。その時間が彼女に大きな影響を与えたようです。自分の世界への異常なこだわりを見せていた以前の歌に比べ、新作ではよりオープンで、軽やか、聴く側との触れ合いを感じさせる曲作りになっています。「別なことをし、新しいシャンソンを見つけるのには時間が必要だった」と彼女は言っています。別なこととは、家庭を築くことであり、子どもを生み、育てること。育児は、育自でもある、といわれますが、彼女も同じような経験をしたのかもしれません。
(歌詞カードの最後にある、たぶん子どもが書いた彼女の絵)
タイトルのDIVINIDYLLEは、CDに収められている最初の曲“DIVINE IDYLLE”を省略したものだと思います。いかした愛、素晴らしい愛、神聖な愛・・・家族への愛。ロリータっぽい歌声はそのままですが、人生経験を積んだ分、単なるツッパリではなく、立派な個性として聴くものの心へ入ってくるような響きになっています。
10月26日からのフランス・ベルギー・スイスツアーに合わせて、今はハリウッドにいる家族全員がフランスに彼女の応援にやってくるそうです(パリでのコンサートは、11月13-15日)。家族を力に、新しい境地にたったヴァネッサ・パラディが、再びミュージックシーンに立ち戻り、いっそう素晴らしい曲を聴かせてくれるのを、多くのファンが待ち望んでいます。
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(新CDの発売とコンサートツアーを知らせる大型ポスター)
Vanessa Paradis・・・1972年、パリ近郊の生まれ。俳優のおじの紹介で、7歳にしてテレビ出演。87年、14歳で発売したシングル“Joe le Taxi”(夢見るジョー)が11週連続ヒットチャート1位という大ヒット。そのロリータ風の容貌と声でアイドルとして人気爆発。しかし、大人の文化が好きなフランス社会、若くしてなんら苦労もせずスターダムにのし上がり、しかもロリータ。かなりの反感も買ったようで、当時を振り返り、彼女自身、「リンチにあっているようだった」と述べています。
(9月2・3日付のル・モンド紙第一面。中面では三分の二ページを使って詳しく紹介)
その後、89年に『白い婚礼』で映画デビュー。90年にはシャンソン界の大御所、セルジュ・ゲンズブールのプロデュースによるアルバム『ヴァリアシオン』をリリース。また、アラン・ドロン、ジャン・ポール・ベルモンドとの競演(『ハーフ・ア・チャンス』)、パトリス・ルコント監督作品(『橋の上の娘』)への出演など、それなりに陽のあたる場所を歩んできたようです。
(8月31日付のフィガロ紙。生活面の第一面と中面を割いて紹介しています)
そんな彼女に一大転機が訪れたのが、アメリカの俳優、ジョニー・ディップとのパートナー関係。事実婚であり、99年には長女(リリー・ローズ・メロディ)、02年には長男(ジャック)が誕生。家庭のぬくもり、安らぎ・・・彼女に、そしてパートナーのジョニー・ディップに大きな影響を与えたようです。
ミュージシャンにして俳優、個性的な役柄、役作りをしてきたジョニー・ディップが、03年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』に出演することに決めたのは、子どもたちの勧めがあったからとか。ジャック・スパロウの演技で、アカデミー主演男優賞にノミネート。その後の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズに引き続き出演しているのは、ご存知のとおり。
子どもたちの存在は、ヴァネッサ・パラディにとっても今やかけがえのないもの。2000年に出したCD“Bliss”では、長女のおしゃべりが入っていますし、今回の新作には、長男の笑い声が入っています(”JACKADI”)。
(CDとそのジャケット、この絵はパートナーであるジョニー・ディップの作品)
ウエスト・ハリウッドと南仏で過ごす家族との時間。その時間が彼女に大きな影響を与えたようです。自分の世界への異常なこだわりを見せていた以前の歌に比べ、新作ではよりオープンで、軽やか、聴く側との触れ合いを感じさせる曲作りになっています。「別なことをし、新しいシャンソンを見つけるのには時間が必要だった」と彼女は言っています。別なこととは、家庭を築くことであり、子どもを生み、育てること。育児は、育自でもある、といわれますが、彼女も同じような経験をしたのかもしれません。
(歌詞カードの最後にある、たぶん子どもが書いた彼女の絵)
タイトルのDIVINIDYLLEは、CDに収められている最初の曲“DIVINE IDYLLE”を省略したものだと思います。いかした愛、素晴らしい愛、神聖な愛・・・家族への愛。ロリータっぽい歌声はそのままですが、人生経験を積んだ分、単なるツッパリではなく、立派な個性として聴くものの心へ入ってくるような響きになっています。
10月26日からのフランス・ベルギー・スイスツアーに合わせて、今はハリウッドにいる家族全員がフランスに彼女の応援にやってくるそうです(パリでのコンサートは、11月13-15日)。家族を力に、新しい境地にたったヴァネッサ・パラディが、再びミュージックシーンに立ち戻り、いっそう素晴らしい曲を聴かせてくれるのを、多くのファンが待ち望んでいます。
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何しろ7年ぶりの新作。日本でも入手しやすいのではないでしょうか。ぜひ聴いてみてください。以前のCDも出ているようです。「母の歌」がどう変わったかの聴き比べも面白いかもしれないですね。