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「コジ」の魔法使い。

2007-09-03 00:21:25 | マスコミ報道
昔の名画『オズの魔法使い』、ご覧になりましたか? 映画自体は1939年に製作されたものですが、主演のジュディ・ガーランドが歌った『虹の彼方へ』(Over the Rainbow)で覚えている方も多いのではないでしょうか。スタンダード・ナンバーになっていますね。

でも、今日の話題は、「オズ」ではなく「コジ」。コジの魔法使い? 誰のことでしょう・・・正解は・・・

はい、サルコジ大統領です。よく最後を略してサルコなどといわれていますが、ここでは勝手に頭を略して、オズの魔法使いよろしく「コジの魔法使い」。どうして、魔法使いか・・・



映画『ハリー・ポッター』最新作が封切られた直後、ル・モンド紙に掲載された風刺漫画です。社会党員をサルコジストに変身させてみよう、とサルコジ大統領が杖を振ると次々とサルコジストが誕生していく。これには、ハリー・ポッターの生みの親、J.K.ローリングもビックリ。強すぎる、ハリーよりも強い!

そう、野党・社会党から有能な人材を積極的に登用。サルコジ政権内で活用しようとしています。しかも、社会党の議員・党員たちはその誘いを受けてしまっている。これでは、社会党の弱体化に繋がるのではないか、あるいは極右・極左を除く巨大な与党の誕生に繋がるのではないか、という予測あるいは危惧の念が出ています。

では、具体的にどのような人たちがサルコジ大統領の誘いに乗ったのでしょうか。



8月30日のフィガロ紙です。サルコジストに変身したのは・・・
・教員再評価委員会の委員長に就任するロカール元首相(上段左端)
・IMF専務理事に立候補しているストラスカーン元財務相(上段左から2人目)
・現内閣のクシュネル外務大臣(上段左から3人目)
・第5共和制の現代化考察委員会副委員長のラング元文化相(下段左端)
・経済成長委員会委員長のアタリ元大統領特別顧問(下段左から2人目)
それ以外に多くの政務次官などがいます。

これだけ、主要メンバーが大統領の誘いに乗ってしまう・・・ということは、主義主張よりも、実力を発揮できるポジション、あるいは役職を得たいという欲求が強いのでしょうか。あるいは、権威・・・? 社会党といえども、組合出身者ではなく、エリート揃い。たとえば、たぶんIMFの時期専務理事になるであろうストラスカーン氏は、パリ政治学院とパリ高等商業学校というグランゼコールで学び、公法で博士号(Ph.D)、経済学でアグレガシオン(教授資格)を取得。28歳でナンシー第二大学教授、32歳でエリート中のエリートを輩出する国立行政学院(ENA)の教授に、という華麗な経歴を持っています。

こうした多くの有能な実力者を引き抜かれてしまった社会党、これからどうするのでしょうか。第一書記のオランド氏は、先の大統領選挙中に長年のパートナー、セゴレーヌ女史と自らの浮気が原因で別れ、夏のヴァカンス中には、今のパートナーとの写真を撮られ、プライバシー侵害で出版社を訴えたものの、女性への慰謝料支払いは認められたものの、出版差し止めは却下、というゴシップめいたところでご活躍。

8月31日から9月2日まで行なわれた社会党恒例の夏期大学(夏期党大会)には、多くの重鎮が欠席。しかし、逆に言えば、先の国民議会(下院)選挙で当選した多くの新人議員を始め、若手への世代交代が進めやすくなったのかもしれません。オランド第一書記は来年の任期までで再選を望まないと明言していますので、トップを始め、一気に新しい顔ぶれになるかもしれません。

一方の「コジの魔法使い」。8月末のフランス経団連の夏期大学(夏季セミナー)で講演し、有能な人材はどの党に所属しようと国家のために活用すべきであり、それをやり遂げている自分は人材活用のスペシャリストにもなれるかもしれない、と述べたとか。

世代交代を進めざるを得ない社会党と、自画自賛が始まったサルコジ大統領。これからどんな秘策、あるいは魔法が飛び出すやら・・・目が離せません。

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