ちょっと古いですが8月10日付のLe Figaro(フィガロ紙)の記事です。
見出しにある“farniente”という単語は、もともとイタリア語で、“怠けること、何もせずぶらぶらすること”だそうです。パリがその世界一!!
記事のデータソースは、スイスの銀行UBSの71都市調査。122項目の平均価格による物価指数、平均給与指数、年間労働時間と有給休暇日数をまとめたものです。
パリの給与所得者の年間労働時間は平均1,481時間で、ダントツの少なさ。有給休暇は27日で、ヘルシンキやベルリンの29日に次いでいます。このことから世界一の“farniente”という見出しになっているようです。労働時間が2番目に少ないのも同じフランスのリヨン。フランスは怠け者の集まり? しかし、フランス全体では日本より高い経済成長率を示しているのですから、たいしたものです。決して怠け者というわけではなさそうです。働き方が効率的なのでしょうか?
因みにもっとも長時間働いているのは、ソウルの人たちで、年間2,317時間。パリの人より836時間も長く(56%も多く)働いていることになります。韓国パワーの一因でしょね。2位のメキシコは意外ですが、3位以下は香港、ボンベイ、台北と頷ける順番です。
給与は、コペンハーゲン、オスロ、チューリッヒと北欧とスイスが上位を占めています。そして、アメリカやイギルスの都市がその後に続いています。パリはチューリッヒを100とした場合59.6で、71都市中24位とあまり高くないですが、労働時間が短いのですから、当然といえば当然です。
物価は、オスロを筆頭にロンドン、コペンハーゲン、チューリッヒとヨーロッパの都市が上位を占めています。パリは11位で物価は高いほうです。給与の割に物価は高いのですから、生活は楽ではないのではと思ってしまうのですが、長いヴァカンス・・・優雅なものです。秘訣はどこにあるのでしょうか?
因みに東京は、物価の高い都市の5位にランクされています。やはり、物価高の街なのですね。しかし、それ以外ではどこにも顔を出していません。物価高以外にはあまり特徴のない街になってしまっているのかもしれません。いいことなのかどうか、ちょっと分かりませんが。
パリでは、短時間働いて、長期ヴァカンスのある優雅な生活・・・サービスや態度の悪い時など、もっと真面目に働けよ!と不満に思うこともありますが、やはり、羨ましく感じないわけにはいきません。日本では、1週間の夏休みを取るのも大変! でも、休めないことに誇りを感じていたり、自虐的喜びを感じたりしているサラリーマンも多く、その社会のルールや規範はその構成員の価値観なりに基づいてできているので、外からとやかく言う筋のものではありませんね。
(もっとも、朝は9時半過ぎにのんびりと出勤し、10時と3時にはフランス人同士集まってデミタスカップ片手に楽しそうに長々とおしゃべりしてますけどね)