明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【ゼロ・グラビティ(2013)】

2014年08月29日 | 映画



サンドラ好きなのと、驚異の映像とのウワサから観賞。

ものすごい膨大な空間を舞台に繰り広げられる二人芝居。しかも途中から一人芝居。

目を見張る映像は圧巻だったが、人は驚くほどスグ慣れる。物語のシンプルさこそが面白い。

宇宙空間に1人放り出される恐怖、音もなく亡くなる仲間、迫り来るデブリの脅威、酸欠のカウントダウン、機器の故障、中国語の操作盤w。宇宙空間で次々と起こるトラブルが、とことん静かな無重力空間の中で展開されていく。こんなに静かにハラハラドキドキする映画がかつてあっただろうか。映画見続けてきて初めての体験に少し心が色めき立つ。

ソユーズに到着したサンドラが浮遊する場面は子宮の胎児のメタファーで映画にありがち。当初“あざとい”と思ったが、見終わって全体を通してみれば、命と宇宙とはこんなにも繋がっていたのだと日が経つにつれ感じさせる。

ラストシーンは、羊水から誕生しグラビティを感じるサンドラ。心の深いところに訴えてくる“感じる”映画と思った。



…なので邦題『ゼログラビティ』は、原題まま(『gravity』)のが断然良かったのではないかと思われ。



P.S.
ところでアルフォンソ・キュアロン監督って誰?と思い調べると、『トゥモローワールド』の監督でした。映像にコダワリあるわけです。メキシコ出身。『パンズ・ラビリンス』も超好きだぞ! 今後の活躍を期待。


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