「高橋 仁也さんからの便り」
首都で、答えを
共感できるイメージとフレーズ、丁寧な言い回し、建設的な行動、激しい反対。どれもが、人をひきつけるものです。しかし、目的が同じなのか、それが一番たいせつです。
猪瀬直樹さんは、東京都の電力を心配されて、東京電力とも闘い、発送電分離の関心を高めました。しかし、私たちの『原発を止める』という目的と同じでしょうか。
猪瀬さんは「国会の反原発デモもいいですけど、感情的にただデモをやっている」(Blog2012.8.17)と語られています。
私たちの感情はどこからくるのでしょうか。それは、これだけの事故を起こしながら、それでも原発を止めるどころか、動かし続ける国家の流れに、そして、この流れを肯定するようなマスメディアに向いているのです。
子どもたちの命、そして、この国のすぐそこにある危機に、心を動かされているのです。
日本の電力事情は、原発を、すぐにでも止められます。この事実にフタをして即時停止を求めず、原発の「代替」エネルギーを語る人には、この国の首都を任せることはできません。技術論やイメージに流されてはいけない。答えは僕たちの心の中にあります。
脱原発派のみなさん。
僕たちが、決めなければ、他の人々は決められない。
首都で、答えを出しましょう。
「高橋 仁也さんからの便り」
『再生可能エネルギー』、イメージを利用
言葉を使えば、美しい世界になる。しかし、その心を読むのはいつも難しいです。『電力自由化』『発送電分離』そして、もっとも、美しいひびきが『再生可能エネルギー』です。
再生エネを議論するのならば、以下のポイント程度はおさえたいものです。
1. ドイツの状況の理解
2. 太陽光発電と風力発電の特性とコストの理解
3. ベース電源の候補として、地熱、バイオマスをおさえる
4. 地域で電力をまかなう地産地消
5. エネルギー自給率
加えると、送電網の整備などが出てきますが、そこまでは踏み込むのは選挙では難しいでしょう。たくさん面白い技術をあげれば良いわけではありません。
相変わらず、維新の会は、完全なイメージだけで言葉を使うということが、とても、よく分かります。
マスメディアにのる情報は、言葉だけです。
国民はすべてを知ることはできません。
ですが、中身を理解していない政治家が、
官僚を、政策の方向に、動かすことなどできるでしょうか。
「高橋 仁也さんからの便り」
原発問題と再生可能エネルギーは別です。
どの党も、再生可能エネルギー(以下、再生エネ)をあげています。問題はその意味するところです。各党は、なぜ、再生エネを政策に組み込むのでしょうか。
現時点で、各政党が再生エネを掲げる、動機は以下に整理できます。
A:原発の代替電源とするため
B:政党のイメージのため
C:具体的な次期社会を描くため
ドイツは、現在の電源構成では、原発がないと電力が不足します。これを再生エネで代替しようという計画です。
しかし、日本はすでに十分な電源を持っています。それでも、原発を止めるために、なぜ、再生エネをドイツ並みの22%にする意味があるのでしょうか。2030年シナリオを持ち出している政党は、すべて、A群です。
目的を明快にもち、
本気で、再生可能エネルギーを見つめる党を選びたいです。
「高橋 仁也さんからの便り」
電力自由化で、言い逃れする人々
テレビを見ていると、すべての党が「電力自由化は必要です」と言います。それは当然です。すでに、日本も1995年から自由化になっており、第4次の段階に入っています。
みんなの党は、自由化、発送電分離をかかげ、踏み込んでいる感じを演出していますが、非常にテクニカルな議論をしています。こうした複雑な回路をつくり、自由化がすすめば『市場原理』で、原発はなくなると言います。接続されない「原発ゼロ」という単語だけが、宙を泳いでいます。
維新の会も、同じ論理です。自然になくなる。
みなさん、原発に反対しなくても、自然に社会は良くなるようです。
原発は、止めなければ、いつまでも、ぶら下がってきます。
ニセモノの「自由化」「発送電分離」に隠れて。
本物は、原発を止める者にしか、できない未来図なのです。
■資料作成協力:沖のぼるさん、鎌田貴子さん
「高橋 仁也さんからの便り」
「電力自由化は、脱原発になる」という欺瞞
橋下徹やみんなの党が言うように、電力自由化と発送電分離(発電と送電の分離)をすすめたら、「市場原理で原発がなくなる!」は、間違いではなく、完全な欺瞞です。
新規参入の電力会社(PPS)が、電力会社が所有する送電・配電網を使うと、高い使用料をとられるので儲からないが、発送電分離をすると参加企業が増え、自由競争で電力料金が下がる。その時、市場原理で原発はなくなる、と言います。
これを、つきつめると『原発より儲かる方が、最後まで生き残る』という論理です。原発が儲からなくなったら、償却するのを待つわけです。新規なら40年。総括原価方式の廃止も必須です。
さて、ここで、『本物の発送電分離』の必要要件を述べます。
2. 最高度のITを有するコントロールセンターがある
3. リアルタイムに使用量・気温などを把握できる、スマートメータを家庭、オフィスに全設置する
4. 家庭から売電する『逆潮流』の新たな技術を付加する
彼らは、どういう意味で「発送電分離」という言葉を使っているのでしょか。では、次世原発のメリットは、なんでしょうか。
1. 廃棄物の保管期間が数十年に短縮される
2. 核燃料の効率が100-300倍にあがる
3. 改善された運用安全
「第4世代原子炉」です。もんじゅのようですね。なかでも超高温ガス炉は2020年代の完成予定です。原発が好きな、IT長者がこれを作って、300倍儲かると考え、自由化にのせたら、どうしますか。
◆TPPにも反対しないと、どこからか誰かがやてきます。

「高橋 仁也さんからの便り」
再稼働、即刻停止を要求
再稼働反対の声は、日本の空の彼方に消えていったのでしょうか。それは、選挙になっても、忘れるものではありません。
脱原発をいつにするか、あるいはいつ脱原発ができるのかという技術的な議論よりも、まずは、稼働している原発を止める、これからもけして稼働させないことが、最優先政策であるべきです。再稼働に完全に反対すべきです。
『即時停止』を、はっきり言っているかどうかを、基準にします。
脱原発を完全に実現できるのは、『脱原発基本法』の制定が必須です。つまり、「即時廃止」と言ってみたところで、国会で過半数の議席をとらなければ、この法案は通過させらないのです。
実際に、これを行うのは、私たち自身なのです。党派を乗り越えて、ひとりでも、脱原発議員を国会に送り込むことです。
脱原発には、保守も、革新もないのです。
脱原発基本法:http://urx.nu/2qs6
資料作成協力:沖のぼるさん、鎌田貴子さん
「高橋 仁也さんからの便り」
こんなひどい資料で、国民に議論させた
政府は、2030年代に原発依存率を「ゼロシナリオ」「15%シナリオ」「20~25%シナリオ」で、国民に議論させました。それは、すでに議論する内容自体が、重大な欺瞞に満ちていました。
http://urx.nu/2BtT
なぜ、2030年なのか。これは、原発全機から生まれる電力量(kwh)を、再生可能エネルギーで補う、というシナリオだからです。原発の「代替」はいらないのです。
1. ピーク時の電力(kw)は充足、だから電力量(kwh)も充足
2. 特定の時間帯に必要以上の電力(kw)が増える。
3. つまり、過剰投資
電力(kw)とは、瞬間的な発電力で、夏のピーク時の議論です。絵にすると、電力(kw)は高さ、電力量(kwh)は面積で、高さが充足していれば、面積は自ずと充足します。
そもそも必要のない「代替」を、再生可能エネルギーだけで補うプランをつくり、このコストを、40兆円とか50兆円とか、難題を押し付けて、国民に議論をさせたのです。その対極に、年間3兆円の火力のエネルギーコスト増を持ち出します。世界市場から見ても、恐ろしく高い燃料費を検証せずに、この論理を組み立てています。
この欺瞞にのった『2030年論』で、電力自由化を含めた、いかなる政策も欺瞞でしかありません。