旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

白嶺の金剛夜叉~山岳写真家・白籏史朗

2021-06-29 19:27:00 | 図書館はどこですか




「白嶺の金剛夜叉~山岳写真家・白籏史朗/井ノ部康之」を市民図書館でお借りしました。
たしか昨年発売直後は蔵書がなくて、その後ラインナップに加わったようで、このたび
読むことができました。山岳雑誌「山と渓谷」誌上での氏へのロングインタビュー連載記事を
ベースに取材を重ね、再編された本書は、山岳写真家という未知の分野を切り開き確立させた
巨匠の実像に迫ります。

著名な山岳写真家である故白籏史朗さんのお名前はもちろん存じ上げてはいましたが、撮られた
作品や写真集に直接触れた機会はたぶんほとんどなくて、どこかの写真集の蔵書が充実している
図書館などでたまたま手にしてパラパラッと見たことはあったでしょうが、記憶にありません。
でも、知らず知らずのうちに、展示されるなどした作品を目にしたことがあったかもしれませんね。
お姿を拝見したこともなくて、でもこれもたまたま、近年(氏の晩年)、たしかNHKの山岳特集
番組に出演されていたのを見たことがあって、それが最初で最後になったと思われます。

プロカメラマンとアマチュアとでは技術力に差があることは歴然で、これがさらにプロ山岳写真家
との比較なると、必要となるスキルに登山技術と体力が加わることで、アマチュア風景写真家の
最下層にいる立場から見ると、彼らは、スーパーマンもしくは神の領域に近い人々となります。

生まれながらの能力差、体力差などは、後付で補えるのには限界があり、ましてやその溝を埋める
努力を怠る私などとは差が縮まらないのは至極当然で、自らの怠惰を棚に上げ、力のなさを嘆くしか
ないのです。こうした世界に名を成す方々は、持ち合わせた才能にさらに努力を重ねるのですから
到底太刀打ちできはしませんし、今更じたばたしてもまったく手遅れでしょうが、せめてそんな
偉大なる先人のバイタリティ、忍耐力などを煎じて飲むべく、歩みに触れさせていただきました。

やや特殊な分野でもあり、万人に勧められる本ではないにせよ、登山や写真(特に山岳写真)
を趣味とする人は、図書館で借りるなどし、一度手に取ってみてもいいかもしれません。

コメント
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