活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

「この道より…」 新米警察官は初々しいなあ  ~大阪府警察 施設見学(その1)

2009-09-20 01:27:18 | 施設の海
※ 画像は、大阪府警察のHP 
  平成18年度の警察官採用募集ポスターより。


先日。
機会を得て、大阪府警察の施設見学をさせていただけることとなった。

勿論、通常公開されている範囲内でのことであるが。

とはいえ。
事前に見学の申し込みをした上で無いと、見ることが出来ない施設故。

今回のお話を受けたときには、嬉しかった次第である。


さて。某日。
僕たちは、大阪府警察へと到着。


通常は、ここからのアングルでしか見ることは出来ないが、
今日は庁舎内に入ることが出来るため、正面玄関へと回り込む。


玄関上に輝く紋章が、パトレイバーを思い出させるなあ。



玄関前には、陳情者は人数を絞ってくることといった類の注意書きが。
様々な団体が、やはり色んな訴えを携えて来るんだろうなあ。

玄関を入ると、広い受付スペース。
お姉さんに会釈しながら、向かって右手の広報ベースへと案内される。


※ ここから以降は、写真撮影が禁止となってしまったため、
  画像は全て大阪府警察本部のHPからのものとなる。


広報スペースの奥には、上映スペースが。
見学者は、まずはここで警察学校を巣立っていく新米警察官の半年、
といったテーマの映画を観ることとなる。

ここでの半年間の訓練は、相当に厳しいものらしい。
そりゃそうだろうなあ。
文字通り、心身共に鍛えなおされ、リビルディングされることに
なる訳だから。

ともかく、走り尽くめの日々という話しも聞いたが、映像中でも
30Kmの野外行軍訓練の模様等が紹介されていた。

中でも、もっとも厳しい訓練が災害対策訓練だそうである。
これは、災害発生時の緊急対処訓練であり、映像では専ら(もっぱら)
土嚢(どのう)の作成から運搬、設営といったシーンが紹介されていた。


いいなあ。お金をもらって、この緩んだ心身を鍛えなおしてもらえる
のであれば、と思うけれど…。

全編を通じて流れる、よく言えばキビキビ。悪く言えば収容所のような
統制感(失礼!_O?_)を観ていると。

いやもう。ごめんなさい。僕には無理ですと思えてしまう(笑)。

途中。学校での授業がようやく半ばを迎えた頃に。
警察手帳と拳銃の貸与式の映像が、挿入される。

教官から、次々と手渡される拳銃。
それを受け取り、点検の上、腰のホルスターに仕舞う。

その時点では、まだ実包は装填されていない。

それでも。
それら、一般人が持つことを許可されていないものを所持する許可が
下りたということで。

生徒たちは、皆。
自分が、確実に、ここでの研修を通じて警察官になりつつあることを
実感するのだろう。

そして、晴れて卒業の前に。

いよいよ、実包が全員に支給される。

一人ひとり。
教官から、その手のひらの上に置かれる実包。
その重さは、殺傷能力を持つ武器を手にしたという責任の重さでもある。

そのことを、教え諭すように。
教官は、実包を持つ生徒の手を、しっかりと握り締める。

まるで、その重さを忘れるな、と言わんばかりに。


そして、いよいよ。
卒業の日。

全員に、赴任先が告げられる。
府下。様々な地域へと巣立っていく彼ら。

彼らが、今後、どのような人生を歩むのかは、誰もわからない。

それでも。
半年間の苦しかった、でも鍛え抜かれた日々を思い、流す涙だけは。
忘れないで欲しい。

そのことを、無言で語り続けるように。
警察学校の前に建つ、警官と婦人警官の銅像。


その台座には。
武者小路実篤の、あの有名な言葉が刻まれている。

「この道より、われを生かす道なし。この道を歩く」


深い感動を残して、映像は締め括られる。
結構、場内では鼻をすする音も聞こえる。

町に立っているお巡りさんは、皆、この過酷な訓練を耐えてきた人たち
なんだな。

そういえば、僕の従兄弟にも一人、警察官がいる。

今度奴に会ったら、お疲れさんと言ってやろうと、心に誓う(笑)。


さて。
お巡りさんに対するイメージが大幅にUPさせられたところで。
いよいよ、次は。
通信指令所の見学である。


(この稿、続く)


(付記)

この類の、言わばプロパガンダ映画は、僕は結構ノリノリで観る。
余程、演出が酷くない限りはね。

だって、どうせなら斜に構えて観るよりも、正面から演出の意図に
乗った方が楽しめるもんね。







てとろどときしん―大阪府警・捜査一課事件報告書 (講談社文庫)
黒川 博行
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この漫画のオリジナル(「警察署長」)も、作者のたかもちげんが
亡くなったときにはもう終わりかと思ったけれど、こういう形
(アシスタントのやぶうちゆうき氏が続きを執筆)で続くとは。
そしてそれが、スピンオフした作品が生まれる程に人気を博すとは。

でも、Wikiによれば、「警察署長」連載開始の時点から、既に
自らが癌であることをたかもち氏は認知していたとあるので、
こうした引継ぎは計算の上だったんだろうか…?

いずれにせよ、惜しい漫画家を亡くした。
「代打屋トーゴー」好きだったなあ。合掌。
警察学校物語 (イブニングKC)
やぶうち ゆうき
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2 コメント

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Unknown (宇宙ハンター55)
2009-09-20 09:52:41
仕事で警察署に足しげく通ったことがあるので、警察署の内側は結構知っています。(別に悪いことをしたわけではありません。)

表題から、予想通り、パトレイバーねたが出た時は、笑ってしまいしまいました。

大人の社会見学としての今後のご報告を期待しています。
返信する
Unknown (MOLTA)
2009-09-20 22:30:15
パトレイバー。
期待に沿えたようで何よりです(笑)。

まああの紋章が出てきたのなら、出さずばなるまいってとこですね、はい。

それにしても。
スーパーの誘致から、警察署訪問まで、マルチにお仕事されていらっしゃるご様子。
お体、ご自愛下さい。
返信する

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